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【NYY】2024年、Tampa Tarponsを見逃すな!

「いっそのこと現有戦力に大型補強はいらん!」と逆張りしている私にとって、山本由伸やBellinger獲得というのは望んでいる結果ではなく、さっさとファンベースの怒りを買ってあのGMに退任してほしいな~と願う日々。既に怒りを買いまくっているって?Cashmanちゃんはラノベの黒髪タメ口主人公くらい鈍感なのでそんなこと分かりません。

ぼちぼちマイナーリーグに照準を合わせていくわけですが、来季のNYY傘下、もっと言うならばLow-A級のTampa Tarponsには少し注目しておいて損はないかもしれません。腐るほど紹介しているとおり、昨季のDSLおよび今季のFCLを席巻した強力なティーンエイジャーがこぞってLow-Aデビューすると目されています。以前noteにて照会した選手も多数いますが、ざっと要チェック選手を挙げていきます。(記載の年齢は来季満年齢)


①Roderick Arias(ロデリック・アリアス) 19歳 SS

2021-22年IntFAクラスにて№1有望株の評価を受けてNYY入りした遊撃手。昨季DSLにて30%を超えるK%や8割代後半の守備率などが露呈し、早くも焦げ付きバストの臭いがプンプンしていましたが、当時は怪我明けという状況下でもあり、今季持ち直せるかに注目が集まっていました。
迎えた今シーズン、左手小指の骨折によって完走できなかったものの、27試合でBA.267 6HR 17SB K%=22.3 BB%=20.8 OPS.928 143wRC+といったリーグ最上位の成績を披露。引き続き遊撃守備の改善は求められるものの、来季のLow-Aでの活躍次第でTOP100入りを標榜できるほどのポテンシャルがあることは明らか。(実際にBA発表のFCLプロスペクトランキングでは堂々の2位につけています)

彼もJ-DOM同様に両打ちであるものの、僅か11打席とはいえ右打席ではOPS.432と大きく乖離。この辺はJ-DOMにものしかかった点であるため、時間をかけてクリアしてほしいところ。
【1月27日追記】MLB Pipeline発表のTOP100ランキングにて堂々の86位。直前のBaseball America発表のランキングにおいても68位につけたことを考えると、一部エバリュエーターからの評価は相当に高そうですね…。身長もサイニング前後で急に伸びたとされていましたが、プロ入り後にもサイズアップした感じすらあります。

②George Lombard Jr.(ジョージ・ロンバード・ジュニア) 19歳 SS

IntFA勢が跋扈するFCL組とは異なり、今季のドラフト全体26位にて指名した高卒大型内野手で、父は元MLBプレイヤー(現タイガースのコーチ)。190cmの体躯に秘められたパワーツールが魅力であり、シニアシーズンにはISO.300超えの傑出した打撃成績を残しています。

早速FCLとLow-Aにて計13試合プレーしており、58打席で12三振・13四球と上々のアプローチを披露。長打は二本の2塁打に留まったものの、Low-Aにて計測のスタッドキャストにおいて102mph程度の打球を放っており、来季に期待がかかります。Runツールにも優れており、この辺はチーム方針も相まって中々の盗塁数が期待出来そう。
昨季ドラ1のSpencer Jones同様に、Low-A昇格後のGB%=63.6は真っ先に改善が必要であり、それなくして恵まれたボディフレームが活かされることはなさそう。
また、Ariasや以降に紹介するプロスペクトにも遊撃手が多くいることから、プラスツールのArmを活かせる三塁手へ就くことも多そうな予感。この点は来季のみならず、同い年の遊撃手有望株を抱えるNYY傘下にとって数年はポジションの管理が必要になりそうです。
【1月27日追記】12月に大谷のLAD移籍に絡むトレードによってTrey Sweeneyが移籍。LeMahieuとの契約が切れる2026年ごろに三塁手としてデビューするできそうなのはLombard Jr.くらいでしょうか。

③Keiner Delgado(カイナー・デルガド) 20歳 2B/SS

昨季DSLにて52試合 BA.310 3HR 34SB K%=11.8 BB%=24.4 OPS1.010 178wRC+という異次元のスラッシュラインを記録したことで注目を集めたプロスペクト。身長170cmという超小兵であることからFCLでのパフォーマンスに注視されていましたが、結局BA.293 8HR 36SB K%=13.0 BB%=15.1 OPS.899 138wRC+と大活躍(得点&盗塁はFCLブッチギリの1位)で”FCL TOP MLB PROSPECT”のAwardに表彰。嬉しい誤算であったのがDSLより少ない試合数にも関わらず本塁打を倍増させた点でしょうか。元々強烈なレッグキックと捻転によってGame Powerは体格以上のものを有しており、ハードヒットや100mph超えの打球は以前より多数観測されていますのでLow-AでどのくらいのAverageが出るか楽しみ。

守備走塁にも優れるほか、やはりK/BBに現われているアプローチの良さは光る物がありますよね。AFLで活躍を見せたCaleb Durbin同様、比較的K%の高い選手が占めるプロスペクト層に柔軟性を与えられる存在であり、どの階級でもK%=15.0前後を注文したいところ。カウントでレッグキックを使い分けるほどの野球IQであればそのくらい屁でもないかもしれません。
1点ケチをつけるとすれば、デビューは昨季であるものの契約したのは2021年であり、Rule5イリジブルが実質1年早いことくらいでしょうか。(いうても2025年なので全然猶予ある)

④Henry Lalane(ヘンリー・ラレーン) 20歳 LHP

紛う事なきマイ・フェイバリット。身長201cmの左腕として一昨年からDSLでデビュー。当初はBB/9=5.44の典型的な高身長ノーコンプロスペクトの末席といった存在に甘んじていたものの、DSL2年目にてK/9=9.68 BB/9=2.61と飛躍。その活躍もあって一部のヤンキースファンからは”Little Randy"との声が挙がります。
今季彼に期待されていたのは、引き続きZone内への投球をできるのかという点でありましたが、これに対してLalaneは満点回答で応じます。21.2回K/9=14.12 BB/9=1.66という、DSLを遥かに凌ぐパフォーマンスを残してスカウトを驚愕の渦に落としました。

MAX97mphのシンカー気味の速球に加えて、球速帯の違うチェンジアップとスライダーのクオリティも上々。特にスライダーは昨季のようなカーブ成分よりもよりシャープになった印象で、BA記者のJosh Norrisも「FCL最高の投手であり、来季にはNYYのみならず球界トップの投手プロスペクトに君臨する可能性もある」と言及。
コマンド&コントロールさえ崩さなければ一気にHigh-Aまで上り詰めるフロアもあり、贔屓目抜きにしても恐ろしい左腕です。
【1月27日追記】
Baseball Americaの寵愛でお馴染みLalaneでしたが、BAのTop100入りは流石に叶わなかったものの、「次期TOP100候補20選」にてLombard Jr.とともに真っ先に名前が挙がったほど。公式Xにおいても何度もHypeされているだけに、BA肝いりのプロスペクトとなりそう。

⑤John Cruz(ジョン・クルーズ) 18歳 OF

この中では一番のローフロアな選手であるものの、Ariasらを凌ぐポテンシャルを秘める大型外野手。遅生まれなために昨季は16歳としてDSLを戦い抜いたわけですが、54試合でBA.225ながら5HR K%=27.7 BB%=21.4と非凡なアプローチを見せつけ、一部界隈で注目を集めます。今季、ヤンキースはCruzをDSLに留めさせるのではなく、FCLに連れて行くことを選択します。今思えばあまりにもナイスピックでした。
開幕直後の7月時点では18試合 BA.212 K%=24.0と粗さが露呈したものの、きちんと4HR OPS.784と17歳とは思えない成績を披露。そして8・9月にはそれぞれで月間打率.300超&OPS.900超を果たすなど完全に順応。最終成績をBA.294 10HR 9SB OPS.907 131wRC+として多くのエバリュエーターの注目を集めることになりました。

未だに一度も年下投手と対戦したことがないにも関わらずK%=21.8 BB%=10.9とZone管理の資質もGreat。190cmと大柄にも関わらず、半分以上の打球を引っ張り方向に放てていることでRaw Powerが存分に反映されている印象です。(10HRは<23歳Dakota Kotowski15本>を除けばリーグ最多👀)
外野守備では僅かなセンター起用においてもエラーを量産していることから両翼向きかもしれませんが、年齢やRule5イリジブルが2026年オフという点から、非常に長い猶予があります。
【1月27日追記】本人のInstagramにて練習動画が公開。正直期待しかないです。James Wood並のスケールに成長すると大口叩いておきます。

⑥Enmanuel Tejeda(エンマニュエル・テヘダ)19歳 2B/3B/SS

Cruzと同様に、昨季DSLにて46試合 BA.289 3HR 11SB OPS.956と最高のデビューを果たしてフロリダ行きの切符をゲット。結局50試合でBA.307 5HR 24SB OPS.923 152wRC+とリーグ屈指の成績を残しました。身長180cmと平均的な体格ながらGame Powerも現時点では及第点。Delgado並のアプローチの良さはFCLでも健在であり、K%&BB%は共に20.3%を記録しています。
彼の場合はGB%=45.0 BABIP.390とLow-Aで壁にぶつかりそうな気もしなくありませんが、昨年よりもLD%も微増。まずは中距離打者として持ち味のリフトの良さを磨き上げてほしいところ。

彼も本職は遊撃手であるものの、このチーム状況から2Bと3Bを守る場面が多く、FCLに至っては一度もSSに就くことはありませんでした。この辺りは昨季DSLで多くのエラーを積み上げた点が影響したのかも知れませんが、Low-Aで守備機会があるかに注目。バリバリの主観ですが、この中だと一番のイケメン。
【1月27日追記】何故かAriasらを差し置いてBaseball Prospectusの傘下Top10ランキングで8位につけるサプライズ。さすがに逆張りすぎる。

⑦Carlos Lagrange(カルロス・ラグレンジ) 21歳 RHP

Lalaneと双璧をなす200cmの剛球右腕。サイニングが18歳であったこともあり、比較的年齢を重ねたプロスペクトであるものの投じているボールはポテンシャルの塊。昨季DSLで11登板を果たすと100mphのハイヒーターを連発し注目を集めました。今季はFCLにて41.2回 ERA4.97 BB/9=5.18と制球難は変らずも、K/9=13.61と打者を圧倒し、リーグ最多奪三振を記録しています。

【インスタのハイライトに動画が多量にあります↓】
https://www.instagram.com/stories/highlights/18004298686590048/

非常に長い手足によって優れたエクステンションを有しており、オーバーハンドも相まって4シームは少なくとも教育リーグレベルだとバットに捉えるのすら困難。実際に許した安打はわずか25本であり、コマンド&コントロールさえ平均に近づけることができれば恐ろしいことになりそう。
7月下旬の登板時には平均球速を93-95mph程度に制御して5
回無四球無失点7奪三振という転身も見せているので、球速を犠牲にある程度の制球を手にする形もありかと思います。特に高身長投手にありがちなフォームのぶれもあまり見受けられないので、いずれにせよ制球はなんとかなるんじゃないかなと楽観視。
現状、持ち玉としてはスプリッターやスライダーがあるものの、やはり去年から目を引くのが縦カーブ。Luis Medinaほどのハンマーは効いていませんが、これがLow-Aでも武器にできるかを注目しています。LalaneがLow-Aスタートになると仮定すると、LagrangeがFCLでスタートすることはおおいに有り得ますが…。

⑧Jordarlin Mendoza(ヨーダリン・メンドーサ)20歳 RHP

昨季DSL2年目にて55.0回 K/9=12.60 BB/9=3.11と印象的なピッチングでリーグ奪三振王に輝いた右腕。直球・変化球ともに年齢超のクオリティを有していたためにシーズン終盤でのLow-A昇格も見込まれていましたが、今季はコマンド&コントロールに誤算が生じてBB/9=7.53とキャリア最悪の数字に終わりました。

一方、やはりZone付近にボールが集まりさえすれば役者が違うためにK/9=12.24で打者を制圧。サイドハンド気味のスリークウォーターから投じられる平均96mphの直球に、Mendoza最大のマネーピッチであるスイーパー気味のスライダーのコンビネーションは凶悪。チェンジアップも今後プラスピッチに成り得る第2変化球としてGreat。Lagrange同様にキャリアを左右するのはコマンド&コントロールに他なりませんよね。
体格的にも183cmほどありますが、体の線を見るとまだまだアップサイドの余地があるようにも見えます。

⑨Luis Serna(ルイス・セルナ)19歳 RHP

Sernaは昨年時点でFCLデビューを果たしており、ERA1.96 K/9=12.19という圧倒的な内容でその名を轟かせました。各種媒体のランキングでも傘下Top30に入るなど、今季はLow-Aでも活躍が見られると思っていましたが、故障によって出遅れると引き続きFCLでシーズンを終える悔しいシーズンに。僅かに支配力を落としているのも気になりましたが、来季は復活を誓う1年にしてほしいですね。

【こちらもインスタのハイライト↓】
https://www.instagram.com/stories/highlights/18137832160038761/

身長は180cmと小柄であり、4シームはMAX94mph程度であるものの、傘下指折りのクオリティを誇るチェンジアップは息を呑むほど。第2・3変化球であるカーブとスライダーともに平均以上の評価を受けていることもあって、FCLの投手の中では極めてフロアの高い選手と見なされています。ただこの手の選手にあっても通算BB/9=3.8のコマンド&コントロールがクリアすべき課題のひとつであり、同じくチェンジアップを武器とするDrew Thorpeの実力差は天地ほどあります。
Yankees傘下にはあまりメキシコ人選手がいないので頑張って欲しいですね。(ZazuetaとJassoにも期待)

その他

上記のメンバーによってFCLが破壊されたため、Awardが以下のように偏った結果に。いや、何人おるんやって感じ。しかし23歳のKotowskiに教育リーグ(平均年齢19.4歳)のMVPを与えてよかったのが気になる。

すでにLow-A昇格を果たしたDylan Jassoは来年21歳ながら要注目の打者。上記プロスペクトらとともに打線を形成したHans Monteroや、そのHansが不調期に入ってから活躍しはじめたWilliy Monteroにも機会はあるのでしょうか。そういえば同時期にFidel Monteroがサイニングされていましたが彼はどこに行ったのでしょうか。トランザクションを見ると一応FCLに配属されていたらしいですが、今季は1試合も出場していなかったですよね。
Low-A昇格は難しいでしょうが、今年のIntFAにて大枚叩いたBrandon Mayeaのヒッティングツールも見極めたいところ。
また、LalaneやLagrange同様に200cm級ながらも120kg級の巨漢であるJerson Alejandroも要チェック。彼はまだDSLでデビューしたばかりで、制球力も壊滅的であるものの渾名”キングコング”の脳筋投球がFCLでどこまで通用するかが気になります。またまた193cmでK/9=16.36を記録しているOmar Gonzalezも勿論レーダーにかけるべき選手であり、彼はすでにSerna以上の評価をしている媒体も。ただこいつも制球力が(以下略)
もしかすれば、この中のどの選手よりも名を挙げるのはEngelth Urenaの可能性も。多くの媒体から高評価を受ける捕手プロスペクトです。

こうやって書き連ねてみると、明らかに高身長投手をガンガンとサインしていることが分かりますよね。NYYのチーム戦略が浮き彫りになっている気がします。そういや野手を見てもSweeneyもJonesもLombardも高身長だし、チビのVolpeってアウトライヤーやね。ただIntFAの野手勢は身長が伸びきる前に手垢を付ける関係上、DominguezやMayeaといった低身長でも獲得せざるを得ない結果に。僕たちのJ-DOMは身長なんて関係ないくらいやっちゃってくれたけど。

以上です。特にArias、LalaneはHigh-Aくらいまで駆け抜けてくれる能力があるので、あとはこいつらの数名がサプライズを引き起こしてくれると信じて寝ることにします。ヤンキースがJuan Sotoや山本を獲ったとしても起こさないでくださいね。

↓在りし日の激きしょ自己顕示欲丸出しツイートを添えて


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