新潟在住10年目のベガサポが書くレビュー【J2第40節 アルビレックス新潟vsベガルタ仙台】
おめでとう!アルビレックス新潟!!
といった状態なのですが、
プレビューしたのでレビューも書いていきましょう。
シャーマン伊藤彰〜2021年甲府編〜
プレビューでも触れたのですが、
戦前の仙台は中山がプレスに出た後の連動が弱く、
相手に良い状態で前を向かれるシーンを多く作られていました。
新潟相手にそれは致命的で、サンドバックになるのが容易に想像できましたが、
我らがシャーマン伊藤彰、考えました。
”同じサンドバックでも、硬いサンドバックになる”
-stop the bus- 2021年ヴァンフォーレ甲府の5-4-1
を降霊させたのです。
0-0で折り返した、守備の評価は?
3ラインを非常にコンパクトに保ち、
新潟の自由に制限を掛けることにある程度成功します。
ペナルティエリア内に侵入されるシーンも、
新潟相手でしたがこれまでよりも少なかったように思います。
この点、非常に良かったこととしてポジティブに捉えて良いと思います。
が、ライン設定。非常に高かったですよね。
よく勇気を持って前に出ました。英断です。
前半終盤、一時的にアトレティコよろしく5-5ブロックみたいになっている時間帯もありましたが、
ハイラインからはやはり
”中盤で引っ掛けてショートカウンター”
の意図が汲み取れます。
しかし、結果としてショートカウンターは成立どころか発動もしなかったのではないでしょうか。強いて言うなら氣田の開幕シュートくらい。
ショートカウンターを発動させるための想定がどうなっていたのか。
恐らくですが、、恐らくですよ?
氣田、遠藤がスムーズに高い位置を取ったことを考えると
1.中山:新潟のダブルボランチを1枚消しながらボールに出る
2.氣田遠藤:SBへのパスコースを遮断しながらボールに出る
3.デサバト中島真瀬内田:縦が入ったら、やれ。
4.大丈夫だ。全部剥がされても4,5枚はいる
要は新潟が4-1-4-1でビルドアップしてくる想定だったのではなかったのかな、と。
違ったらごめんなさい。
普通に新潟に外循環させるための5-2-3だったらごめんなさい。
島田高が中山の両脇を取ることで中山を無効化
実際の新潟はというと、上記の1の設定から覆してきます。
ダブルボランチが中山と同ラインの両脇に立ちました。
で、時間の経過とともに整理された立ち位置が1枚目の画像になります。
結果として、奮闘が実を結び0-0で折り返した仙台。
秋田風に言うなら徹底ですが、臨機応変さに欠けた印象も残ります。
狙われた中山と立ちはだかる舞行龍フィッツジェラルドジェームズ
前半13分:テヒョン→中山のロングフィード。
舞行龍が胸トラップでインターセプトし逆速攻。
あわやのところを佐藤がゴールから掻き出し事なきを得るというシーン。
前半最大の被決定機でしたが、仙台の選手の矢印を見ると、
ビルドアップに詰まりそうになったらシンプルに中山大観音を使う約束事があったのでしょう。
狙われていましたね。頑張っていたとは思いますが。。
舞行龍は90分通してハイパフォーマンスだったのではないでしょうか。
中山のボールを綺麗に奪われる度にビッグスワンのボルテージが上がっていくので、
”山王工業と戦っているのか”と思いました。
シャーマン伊藤彰〜闇堕ち編〜
話は後半に移ります。
キックオフからテンション高くプレッシングを行う仙台。
下がってボールを受けに行く新潟伊藤に対し、
ダブルボランチどちらかが付いていく前掛かりな微調整。
すかさず、出てきた仙台ボランチの裏を新潟のボランチが取りに行き、
状況は前半同様の展開に。
少しボールを持てるように、なたよ〜?
氣田に代わり富樫が投入され、ターゲットが2枚になったことで、
中央だけでなくサイドにも起点が作れるようになりました。
これにより、下記のような状況が生まれます。
後半61分:THIS IS伊藤可変サッカー
こんなに大規模なローテーションがスムーズに起こると思いませんでしたが、
恐らく伊藤監督が仕込んだのでしょう。
陣形3-4-3で、トップ左から
3:富樫中山真瀬
4:内田中島遠藤若狭
3:テヒョン佐藤デサバト
右サイド4人でローテーションする磐田時代のサッカーですね。
こういう時間帯を安定して増やしていく。
バリエーションを増やしていく。
これはトレーニングで積み上げていくしかないので、
今季の結果に関わらず、伊藤監督には来季も指揮をお願いしたいですね。
失点。そして闇堕ちへ。
僕、現地で観戦してましたが、マイボールだと思っていたので、
オーロラビジョンで時間を確認していたところ失点。
膠着状態が長かったため僕含め、なんとなく集中力を欠いた時間帯だったのかもしれませんね。と、言っておきます。
それまで頑張って堪えていたのでかわいそうだな、と素直に思います。
ただ、2失点目もセルフジャッジで足を止めた結果、
フィフティーのボールを手放してその流れから失点しているので、
こういった悪癖は直さないといけませんね。
さあ、そして
原崎政人を降霊
1失点してどうしても点を取らないといけなくなった仙台・伊藤彰監督。
禁断の力に手を染めてしまいます。
5枚の交替カードを切り終わった時点で、
システムを4-4-2へと変更。
ほう。伊藤さん、4バックもやるのか。
と思って見ていると、、
完全に原崎政権のサッカーが復活し、
仙台の選手たちが躍動し始めたではありませんか!!
いやいやいやいや。
じゃあ、原崎さんでよかったじゃん。
まとめ
運も実力のうち。
とは、よく言ったもので。
毎年、昇格・残留を勝ち取るチームはこういうギリギリで勝ち切る。
ただ、今回の仙台に無かったのは運ではなくビジョンかな、と。
最後になりますが、
試合後動けなくなっていた僕に
「大丈夫だ!大丈夫!!」
と声を掛けてくれたサポーターの方。
ありがとうございました。
きっと僕なんかより沢山のどん底を見てきたんだろうなと思い。
ビッグスワンを後にすることにしました。
素晴らしい空気を作ってくれた両クラブのサポーターに
最大限の感謝とリスペクトを。
アルビ、本当におめでとう。