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三条の湯

ブロンプトンで奥多摩にある秘湯、『三条の湯』へ行ってきた。

三条の湯は東京近郊ではあるが、歩きかブロンプトン(自転車)でしか行けない秘湯である。雲取山へ通じる登山道の途中、標高1103メートルの地点にある。山好きの間では比較的知られているようだ。住所は山梨県の丹波山村になる。

早朝、奥多摩駅から西東京バスで丹波山村の「お祭」バス停へやってきた。ここが三条沢登山口への最寄りである。静かな山あいで、祭りをやっている様子はないが、まあ突っ込むのはよそう。

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[走行データ]

標高530メートル地点からのスタートである。ブロンプトンで後山川沿いの林道を登っていく。かなりの急勾配だ。なかなかペースが上がらない。道の左は後山川の深く切れ込んだ谷の断崖だ。

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登山口から1.5キロ地点、標高は594メートル。この先工事中のため一般車両はここから進入禁止だ。但し自転車は除く。くぐり抜けて行こう。

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青岩谷の手前で林道は終了だ。標高は900メートル程度。林道区間だけで結構時間がかかってしまった。ここからは幅1メートル程度の登山道となる。

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一帯は東京都水道局の涵養林である。登山道は一見危険そうだが、路肩や路面がきちんと整備されているので、全く問題ない。道も手入れが行き届いている。但し、左は断崖絶壁だ。安全最優先で押していく。

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三条小屋に着いた。山小屋のオニイサンに、12時前だが風呂は大丈夫かと聞いたところ、もう沸いていると思います、どうぞとの言葉だ。良かった。(注:平日・土曜日は12時から、日曜日は10時からのようだ。要確認。)

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昔から良湯で有名だ。源泉温度が低いので加温が必要だが、薪で沸かしている。入浴料を支払って早速、風呂場へ。

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一番風呂を独り占めだ!あつ湯にしてある。窓をあけて雲取山の清冽な外気を取り入れる。極楽極楽。

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「湯」は源泉を沸かした湯。「水」はそのままの源泉だ。淡い硫黄の香りがする。炭酸の泡もある。ヌルスベの上等の湯だ。

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東京近郊ながら深山で素晴らしい秘湯体験をすることができた。

三条の湯由来
今から200余年前、甲州丹波山村字後山の河村源次郎という人が、この山中で狩猟し鹿に傷を負わせ追跡したところ、その鹿が傷を湧き出ている水に浸して、あたかも治療するかの様子であるのを発見した。この水を近在の人が飲んだり、また湯を沸かして入浴すると創傷・冷え性・胃腸病・皮膚病・神経痛・リウマチ等に特効があった。
無人の小屋に湯槽が据え付けてあって誰でも行って自分で沸かして入るようになっていたこの鉱泉は、河村翁の発見の事情から鹿の湯と名ずけられていたが、不幸にして大正十二年の大水で小屋が流出したので復旧を望む声が高かったが容易に実現の機会を得なかった。
然るに今般東京都水源林丹波山出張所所長山路勝輝と木下孟一が山小屋を作り附属浴場を設けこの地に三條の湯と名ずけて雲取山飛竜山の登山者、青岩鍾乳洞の見学者等一般に開放することになった。
當山小屋の利用者各位がこの静寂な渓谷のいで湯に都塵を洗練されて明日の英気を養われることが出来れば幸いである。
昭和25年7月10日  初代管理人木下孟一
(出典:三条の湯公式ページ )




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