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オレが働きたい理由

端的に言います。

旅行に行きたいから。

この一言に尽きるかな?

中途障害者となった現在。

しみじみと改めて考えれば、ありがたくもおかげさまという話なのですが、今のオレはただ日々を生きていくだけなら、年金だけでも何とかなります。

それでも障害者となってもなお欲深いオレは、不遜にも、どこかに行きたい、誰々に会いに行きたいという自分の私的な旅への渇望を抑えることができません。

3年前の都落ちの際も、一人で電動車椅子で新幹線に乗って戻ってまいりました。その時の気持ちを正直に言えば、初めての車椅子での新幹線乗車に旅好きとしてかなりワクワクしていた部分もかなりありました。

そもそもが(乗り鉄派の傾向もなくはないけれど、それよりは道中の移動時に酒が飲めるのを重視することから)電車やバスでの旅が嫌いではなかった。

それもノープランの突発旅が好き。行きたい場所のピックアップとそこへのアクセス情報収集だけは事前にきっちりするけどね。

そんなオレですから、旅費を稼ぎたいのです。

ただし以前のような突発旅はできません。

今のオレだと、移動の交通手段と宿泊に関してのバリアフリーな環境を確実に確保した上でという条件付きじゃないと出かけられませんね。

まだオレが健常者のままなら、いざとなりゃネカフェだろうとカプセルホテルだろうと泊まる場所は選り好みしないけどさ。

しかし、車椅子の中途障害者が出たとこ勝負の旅先で、泊まる場所とかに困ってジタバタしてりゃ、逆にまわりに心配と迷惑と余計な手間をかけてしまう。

健常者よりも緻密な事前の旅行プランが必要です。

その交通手段と宿泊環境を確実にするためにも、予算面でも余裕が欲しいところ。

その予算と心の余裕担保のためにも、オレは働きたいんじゃあ。

こんな身体になったからこそ切実に願うことが確実にあります。

それは自分の意識がはっきりあって(たとえ電動車椅子であろうが)自分で動けるうちに、行きたいところに行き、逢いたい人に会っておきたい。

この10年以内で2度救急搬送され2度死にかけ、死に損なったあげく重度障害者となった身から言わせてもらうと、自分が思うより何倍も、人はあっけなく死にかけたり死んだり壊れたりします。

悪いことは言わない。

生きているうちに逢いたい人に会おう。行きたいところに行こう。

そんな心残りを残して、死んだり自力で動けなくなるのは命がもったいないよ。

動けるうちにやりたいことをやっておく。

それがおそらく正しい命の使い方だと、中途障害者となったオレは素直に思います。

そして、そんな己の望みを少しでも叶えるためにオレは僅かでもいただける年金以外のお金を自力で稼ぎたいのです。

さらに言うと、オレの私的な遊興費はあくまで自腹じゃないと何だか気持ち悪いし、だって純粋に楽しめないもの。

オレは生まれも育ちもよろしくないから、毎月の生活費からコツコツちまちま貯めて抜かりなく準備してから出かけるような殊勝な生き方もあまりできないしね。

こちとら少なくとも40年分だけは江戸っ子でぃ。宵越しの銭の心配するなんざ、辛気臭くててんで性に合わねえよ。

https://the-ayumi.jp/2023/07/04/wheelchair-shinkansen/


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