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いつか違う自分に

こんにちは
寒暖差がすごいですね
体調はいかがですか
最近は何か変化がありましたか
お薬嫌な感じ無いですか
前回と同じで良さそうですね
カーディガン、春らしい色で良いですね
それではお大事にしてください


毎月の定期受診
医師と話す時間は3分もあるかなと思う
ここの先生とはもう20年の付き合いになる
そう考えるとすごい
20年薬を飲み続けて
薬が無かったら仕事ができないだろうし生活もできないかもしれない
何かを相談しているわけでもないし特別心の支えになってもらっているわけでもない
それでも私の20年をかいつまんで知っている先生は
すごいなと思う
支えてもらっているとしたら薬に、だ

薬さえ飲んでいれば普通でいられる
薬を飲まなかったら
普通ではいられない

嫌だった時期ももちろんある
飲まないで済まないかと試したこともある
結局苦しいのは自分だった
仕事をしなければならない
稼がなければ生きていけない
そのためには普通でいなければいけない

薬を飲んでさえいたら普通でいられる
ある時から割り切ることにした
薬を飲むことに抵抗が無くなった
仕方ないのだと受け入れた

苦しかった
とにかく苦しくて
誰にも相談できなくて誰にも頼れなくて
それでも何とかしなくちゃいけなくて
必死だった
そのことが何とか片付いて
ほっとしてしばらくした頃
症状が出た
何かが変だ
そう思っても自分ではどうにもできない
普通のことができなくなった

思い切って受診した
受診した時には何なのか予想がついていて
先生にこう思うと伝えると
そうですね、その通りです
辛かったですね
そう言ってくれた
何を話したわけでも無いのに
その言葉を聞いたら涙が溢れた
こんな風になって泣いたのはそれが最初で最後

今はもう私の一部だと思うことにしている
わざわざ言って回ることでは無いので
職場にも友達にも伝えてはいない
何か言われたことも無いので見た感じ普通にできているのだと思う 

職場でもほどほどに責任のある立場を任されてもいるので
特に何か気になるようなことも無いのだろう

もちろん今も私の中にある
時々どうしよもなく持て余す時がある
苦しくなる時がある
でも薬があれば
それで解決するのだ

これが正解なのかは分からない
でも今の私が生きていくには
これしかないから


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