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YAYACO YONEYAMA|甘蜜香水《1》香りのアフタヌーンティーメニュー

菫色連盟サロン〜香水談話室vol.3「甘蜜香水」会場風景(2020.2.23)

 甘い蜜を引き立てるのは熟した果実や香ばしいナッツや芳しいスパイスや花々の香り。
 バニラは開花の後にできる「さや」を蒸し、発酵と乾燥を何度もくり返して作られます。杏仁は杏の種から取り出される「さね」で、アミグダリンを有し「毒のある薬味」と呼ばれます。一匹の蜜蜂が生涯でとれる蜜の量は僅かティースプーンに一杯です。

 甘言蜜語。甘い毒や甘い罠や甘い悪巧みもまた蜜の味。心惑わす香りをご紹介しましょう。
 イギリスの上流階級を舞台にした物語をテーマにしたペンハリガン「ポートレート コレクション」より、冷酷無情なドロシア伯爵夫人を菫色の小部屋の女家長として召喚いたします───

 といって夢のような香水談話室を開催したのは2020年早春のことでした。はじめまして。わたくしメイドのキャロルと申します。まさに青天の霹靂といったドロシア伯爵夫人の死(=廃番)を受け入れられぬまま時は流れ、ドロシア伯爵邸で働いていたわたくしはいまコンスタンス様のおそばにおります。

Penhaligon |Changing Constance
〈ペンハリガン〉先進的な女性コンスタンス

トップ:カルダモン、ピメント
ミドル:塩キャラメル
ベース:カシュメラン、タバコ、バニラ

 コンスタンス様は習慣に囚われることはお嫌い。女性でありながらも舌鋒鋭く政治的なお話も厭いません。着心地の良いお召し物を好まれ男装さながらの装いはドロシア伯爵夫人が眉をひそめそう───とはいえドロシア伯爵夫人もナチュラルラテックスラバー愛好家でいらしたのですが───。

薔薇モーヴ色のナチュラルラテックスラバーのカーテン
ティム・ウォーカー個展「Wonderful Things」
(2019.10.30 V&A博物館/Photo: Mistress Noohl)

 お屋敷でアフタヌーンティーを楽しむよりもご友人たちとどこかで煙草を燻らせながら議論を戦わせるのがおすきなご様子です。でも幼い頃から大好物であるスコティッシュファッジを欠かすことはありません。

 本日はかつてドロシア伯爵夫人のティータイムに提供した甘蜜香水のお品書きをご紹介しながら甘くグルマンな聖夜を皆様と過ごせたらと思います。

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