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RIE EGUCHI|“永遠の転校生”が辿り着いた、菫色の音楽室

Text|江口理恵

 ♪初夏の風を感じる5月。
 この度、モーヴ街6番地のブライオニー荘に入居させて頂きます江口理恵と申します。
 “精神のシスターフッド、パンキッシュなアカデミー”を標榜するカルチャー・ソロリティ「菫色連盟」の一文に心を射抜かれ入会しました。

 音楽好きが高じて長年レコード会社で制作ディレクターを務めた後、現在はフリーランスで音楽や翻訳の仕事をし、クラシック音楽とロック、文学・歴史を偏愛する者です。職業病で、何を見ても音楽と結びつけたくなる面倒な習性があることを告白いたします。

 これまでに、作家、メイクアップ・アーティスト、科学者など様々な分野で活躍する方々にお声がけをして彼らの世界とクラシック音楽を結び付けたCDなどを作らせて頂きました。

 菫色連盟の管理人で、素晴らしいアーティスト兼キュレーターのミストレス・ノールとの出逢いは数年前に東京の美術館で開催された展覧会に合わせ、文筆家の高野麻衣さんとマリー・アントワネット関連のCDを制作した際、高野さんにアートワークのデザイナーとして「HOLON」をご紹介頂き、ワクワクの制作チームが結成されたのです。

CDのアートワークに使用させていただいた
HOLON・ノールさんによるデザインの原画

 楽曲の雰囲気や世界観を見事に体現した美しいデザインやタイポグラフィにすっかり虜になり、交流させて頂くうちに、ノールさんと音楽や書物など実に多くの同じ“好き”を共有していることに気付きました。初めてお会いした時、私が取り出した菫色の名刺入れにノールさんが即座に反応されたのも、今思えば「菫色の小部屋」へ導かれる始まりの合図だったのかもしれません。

 霧とリボンで開催された企画展《チョコレート探偵事務所~マリー・アントワネットの宝石箱事件》やサロン・コンサートも斬新な切り口と優雅さ、完成度の高さに圧倒されました!

 私は小さな頃から親の転勤で、国内外で引っ越しを繰り返し、幼稚園児の時から常に“転校生”。
 日本、イギリス、イタリアで生活する中、カルチャー・ショックも伴う様々な文化に触れる日々。クラシック音楽好きの母に連れられ、色々な演奏会やオペラ、バレエに通う機会を得ました。十代の頃にはロックやパンクにも嵌まり、現在に至ります。

6歳ごろ、どこかの街角で…

 ただ、いつもどこか根無し草的で、いい歳をした大人になってからも‟永遠の転校生”気質であることは自覚しており、少しの寂しさを感じることも。

 そんな中、音楽をきっかけに辿り着いたのが、「霧とリボン」の菫色の小部屋です。
 空想し、憧れていたサロンがリアルとオンラインの両方で突如目の前に現れ、優しくて刺激的な数々の尊い瞬間を味わっています。

 モーヴ街“ブライオニー荘”では、《文学者の音楽室》、《シスターフッドと音楽》といったテーマで、妄想の音楽室のような世界を皆さまとシェアさせて頂ければ幸いです!

江口理恵|音楽ディレクター・翻訳家 →Instagram
レコード会社の洋楽部で海外渉外業務を経て、クラシック制作ディレクター。クラシックのコンピレーション・シリーズで「日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」ヒットメーカー部門受賞。現在はフリーで音楽ディレクターや音楽関連の翻訳業務を行っている。

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