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黄泉がえりんちゅ〜うちの夫〈改定版〉|#カバー小説


初めて、他のnoter様の作品をお借りし、ショートショートのCoverを
BRILLIANT_S Versionでアレンジしながらお送りしたいと思います。


椎名ピザ様、お手柔らかによろしくお願いいたします🙇




✢BRILLIANT_S Ver.



―✥  黄泉がえりんちゅ  ✥―





「この野菜炒め、味薄いよ」

夫は料理の味付けに妙なこだわりがあ

る。


「塩出して?……塩」


私が無言で塩を渡すと、

野菜炒めに狂ったように(16振りくらい)

振りかけた。



そんな塩人(しおんちゅ)だと

身体に悪いよ、と思うけれど、遠慮し

て言えない。


―――


夫はお酒を飲む時、

「日本酒はほぼ水だから…」と言う。



そんな水人(みずんちゅ)だと

肝臓に悪いよ、と気遣きづか

しいけれど、遠慮して言えない。


ーーー


夫は間違えて、別の人の傘を持ってく

る、傘人(かさんちゅ)でもある。


――すぐ酔って、子どもみたいだ。

どうやって返すつもりだろう?



―――


温泉に入るときは、

「生き返る…」

本当に幸せそうに言う

甦人(よみがえりんちゅ)で、



私が落ち込んでいるときは、

何も聞かず、

「…寿司でも食いに行くか?」と訊く、

寿司人(すしんちゅ)になる。



―――


夫は…


突然、星人(ほしんちゅ)になった。


―――


病院嫌いだったから、

病人(やまいんちゅ)なのに

大きい病気が進行しているのに

気付かなかった。


私は、気付いてあげられなかった。


―――罪人(つみんちゅ)だ。


―――



亡人(なきんちゅ)の夫をみて

泣人(なきんちゅ)になった。


今度は遠慮せず、声をあげて泣いた。

(泣)(泣)(泣)泣人(なきんちゅ)

だ…



―――



お葬式になり、久々にお寿司を食べ

た。


夫の笑顔を思い出した。



ふたりでお皿に取り分けた親しげな姿

が、

突然フラッシュバックした。



夫が黄泉がえりんちゅに

戻ったような気がして…



また、人前なのに、

(泣)(泣)(泣)泣人(なきんちゅ)

になった。



✥ fin ✥






椎名ピザ様の作品をお借りしました。



この塩んちゅの旦那さまにすっかり
心掴まれてしまって、どうしても自分なりにショートショートにしたくて、アレンジしてみました。


夫婦でも、遠慮の兼ね合いって難しいですね。


椎名ピザ様の「 #カバー小説 」という企画への参加作品になります。


末席を汚しますが、何とぞよろしくお願いいたします🙇。





✢✢✢


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