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女子力〜憧れの彼女|エッセイ


「女子力」のイメージは、
ひとによって要素が異なります。
語る側の性格とか、環境、時代によっても変化するものでしょう。


極私的な「女子力」は、見た目よりも
「相手を思いやる純粋な優しさ」ではないかと考えます。


女性として際立った見た目でも、
心を感じないならマネキンや人形と
同じです。
感情が通じ合って初めて、
「女子力」と
認められるのではないでしょうか。


✢高校時代のエピソード


「女子力」にちなんで思い出すエピソードをひとつ。
高校のクラスメイトの話です。
私の中で、「女子力」の象徴になっています。


✢✢✢


私の高校は山の上にあり、
自習になったら何人かハイキングに
行ってしまうような、自由な校風でした。


冬になると雪が降り、道が凍り、
雨が降ると通学路が小滝のように。
ある意味、自然豊かな学校でした。


偏差値が低いわけではなくて、
「勤勉であれ、健全であれ、優雅であれ」の校訓を皆が守っていました。



男女ともに素朴。
どちらかというと、真面目に
過ごしていました。


度の強い眼鏡をかけた私は、
目立たず冴えない高校生でした。
一方で、高校生にもなると、
大人びた雰囲気の生徒が何人かいて、
憧れの存在になっていました。


体育祭の本番前のこと。
グラウンドの周りには
ひな壇になった観覧席があり、
みんな練習を見て
声を上げて応援していました。
体育祭はクラスごとに応援旗をはためかせるくらい、全員で盛り上がる
行事でした。


憧れの存在のクラスメイトが、
私のとなりに座っていました。
それだけでも緊張した記憶があります。
さらさらのロングヘア。落ち着いた物腰。
入学して初めて、
彼女に声をかけられました。

「…これ、落ちてるよ」


差し出されたのは、私の眼鏡ケースでした。
風で舞った砂ぼこりがひどく、
真っ白になっていました。

「汚れてるね…」

彼女はすぐにこちらに渡さず、
微笑みをたたえながら
白魚のような指で
やさしく優しくケースを撫でて、
すみずみまで綺麗にしてくれました。


私はどぎまぎして何も言えず、
ただゆっくりと動く
彼女の指をじっと見つめていました。
なかば「陶然」としながら。


彼女の指は
砂ぼこりがついてしまったはずなのに、
白く発光して見えました。
時が一瞬止まっていました。



(彼女は美しい。

けど、それ以上に

女性としての魅力が

そなわっているんだ…)


「何か」を発見した瞬間でした。
彼女にとっては、何でもないひとコマだったでしょう。
今でもその優しさは、映像として、
ありありと思い浮かべることが出来ます。


✢「女子力」の神に挨拶


いつしか私も、妻となり、
母となりました。
彼女が見せてくれたような、
優しく細やかな「女子力」は、
残念ながらなかなか身につきません。
大雑把なO型気質なのか…そればかりではないでしょうが。


あの憧れのクラスメイトに、
もう一度再会したいです。
彼女の「女子力」が、
大人になってどんな進化を
遂げているか見てみたいです。


分厚い眼鏡を外し、
コンタクトを着けた今の私なら、
もうどぎまぎせずに
明るく話が出来そうです。



  How have you been?
   (元気だった?)
   For now,I'm not wearing  glass …”
   
(今は眼鏡をかけてないの…)


✢✢✢


お読み頂き有難うございました!


このnoteは、山根あきら様の個人企画「 #私の思う女子力 」にインスパイアされて執筆しました。


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また、次の記事でお会いしましょう!




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🌟I am little noter.🌟




💖おまけ💖

先日観た映画「Barbie」では、
男女の本質が分かりやすく表現されていました。
ポップだけれど考えさせられる良作!

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