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人生100年時代の人生設計

人生100年時代と聞いて何を思うだろうか?
全く実感も湧かないし想像もつかないし、今から考えてもしょうがない
といったところだろうか?

この言葉は、2016年10月発売のLIFE SHIFT(ライフ・シフト)という書籍で
提唱されたもので、寿命の長期化によって先進国の2007年生まれの2人に1人が103歳まで生きる「人生100年時代」が到来するとし、100年間生きることを前提とした人生設計の必要性を論じている。
翌2017年9月には首相官邸に首相安倍晋三を議長とする「人生100年時代構想会議」が設置され、保険会社がCMなどで長生きのリスクを煽ったこともあってちょっとしたトレンドにはなったものの、2021年には首相交代とともに構想会議が廃止され、最近は世間でもあまり聞かれなくなった。

日本国民全体の平均寿命は、江戸時代で30歳、明治〜戦前までは44歳、
昭和25年ごろには60歳、昭和40年代には70歳、現在は85歳に達した。
一方で、現在の公的制度のほとんどは平均寿命65歳を前提として設計されたもので、20年間は学びと自立、40年間は現役で家族と社会を支え、5年間の余生はご褒美という人生モデルがベースになっている。
定年年齢の引き上げを考慮した上で現状に当てはめると、余生は20年と間延びしている。
よっぽど経済的に余裕があって趣味もたくさんある人にとっては、20年の余生は使いがいがあるだろう。しかし、趣味もなくやりたいこともなく、あったとしても経済的余裕がない人にとって、退屈で不安な20年は長すぎる。
ちなみに、現時点で65歳以上の人口は総人口の30%、国民全体の平均年齢は59歳なのであと5年ほどでほぼ半数が定年を迎える。
その時の世の中はどうなっているだろうか?

若い人は65歳という年齢に縛られる必要はない。人生の区切り方は自由だ。
40年も一つの職場で勤め上げるなどという価値観はとっくに崩壊している。
学びと自立の20年と余生の5年を100年から差し引いた75年間を現役期間として、自分の幸せのためにどう使うかをオリジナルにデザインすれば良い。
一つのことを成し遂げたり極めたりするのに25年くらい必要だと仮定すれば、3回は人生をやり直せる。合間に充電期間を作っても良い。
最初からガチガチの人生設計なんて意味がない。
ざっくりしたフェーズ感とやりたいことのイメージさえあれば良い。
実現性なんて考えずに夢と希望を膨らませれば良い。
途中で見込みがないと思えばそこで打ち切れば良いし、気持ちが変わったり環境が変わったりすれば自分の人生モデルをアップデートすれば良い。

年齢を重ねるほどにデザインの自由度は失われていく。
義務教育を終えたら、デザインを始めるのは早いに越したことはない。
既に古い人生モデルに浸かってしまった人も、一度考えてみてはどうか。


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