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MOTHER

んーーーー

私は、ネクラでオタクなのか。重いテーマの映画を好んで観るようです。

長澤まさみさん主演のこの映画は、何一つ、誰一人、報われない。幸せになれない。救われないお話です。

と、いうか。 長澤まさみさん演じる『秋子』という母親の元に生まれた子供の悲劇です。全く働かない、パチンコ依存症でろくでもない男にハマる。どうしようもない、ろくでもない母親を演じる長澤まさみさんは、迫真の演技でした。私の好きな女優さんで。演技派女優です。アカデミー賞をあげたいくらい、素晴らしい演技力でした。

コロナ(COVID=19)という謎のウィルスに脅かされ、職を失う人が続出しています。天災や自身が患う病気で職を失うならまだしも、特に自分が感染していなくても仕事に支障をきたして、経営不振の結果、解雇となる人々もいますよね。つくづく、今の生活は『永遠』ではないことを思い知らされますね。

私も。ともすれば『秋子』になっていたかもしれません。

働きたくなくて、結婚しました。いまから25年も前です。平成7年。子どもも同時に授かりましたが、バブルで遊びまくっていた私は働くなんて怠いし。寿退社も流行っていたし。2年くらい働いてテキトーに仕事したらイイ男見つけて結婚しよう!って思っていました。そんな時代でした。

もちろんイイ男を捕まえて結婚しました。東証一部上場企業に勤めていて、ボーナスは年に3回ある。出世が早くて月給もいい。20代なのに役職がある。しかも奥さんには働いてほしくない人!!願ったり叶ったりのイイ男です。ルックスも悪くないしね。

幸せだったなぁ。結婚生活。毎年の海外旅行。オーストラリア、グアム、ハワイ...etc ホテルは全てヒルトンかリージェンシーのジュニアスイート。ヴィトンもシャネルもフェラガモも買ってくれました。

けれど。そんな幸せなんて長く続くはずがない!そんな人と結婚したい人はたくさんいます。私は、あっさりと。年上で名門私立大学卒業で美人の英語がペラペラな女性に夫を盗られました。

愛されていると思っていたのに。かわいい息子が2人もいたのに。あっけなく放り捨てられました。人生に『安泰』なんてことはないのだと知った28歳。

で。実家に帰り。ノイローゼになり。入院もして。半年間働かず、元夫から振り込まれる10万円の養育費で生活していました。お酒も浴びるほど飲んだし、専業主婦だった頃みたいに子どもにきちんと食事も作らず。田舎のママ達とは友達になれず。5歳と2歳の子供たちは実家の両親が面倒をみて、私はゴロゴロ、だらだら毎日を過ごしていました。昼間から酒飲んでさ。

結婚生活は、セレブだったので。英才教育したり、スイミングに通わせて。夫が私立の幼稚園だったから、長男もお受験して私立の幼稚園に通わせていました。入園料や制服は何十万円もしたのに。入園して1ヵ月で離婚。ナニが一番辛かったって。息子を保育園に通わせること。「なんでウチの息子が保育園になんか行かなきゃいけないわけ?」って。「なんで私がこんな目にあわなきゃいけないわけ?」って。毎日思っていた。「なんでこんな田舎に戻って来なきゃいけないわけ?」ってね。

ガーデニングやホームパーティーの日々。外車で幼稚園の送り迎え。全て手作りのパンやケーキ。お酒なんて飲むこともなかった主婦の生活。

だから。あのままだと秋子になっていたかもしれません。

人生なんて紙一重ですよね。

いつ何時、今の生活が無くなるかもしれません。この生活がいつまで続くかなんて。保障はない。

私には秋子の気持ちはさっぱり分かりません。息子を秋子の両親(つまり祖父母)殺害にまで追い込む実話を基に作成された映画です。息子はそれでも母親を受け入れ、母親を愛しています。小学校からまともに通ったことがない、常にお金の工面をし続ける息子の悲劇です。

『ろくでもない母親』それは、そこらじゅうに溢れています。昼顔というドラマが流行ったけれど、現実はもっと卑猥だったりもします。子どもを置いて離婚する女性もたくさんいます。『母親』である前に『女』が強い人はたくさんいます。

それでも、息子は『母親』を信じていて。愛している。という。

祖父母殺害という事件にまで発展したから。取材を重ねて原案が出来、映画にもなったけれど。

原案の『誰もボクを見ていない』というタイトルにあるように。人知れず悲しい人生を送っている子供たちが多い気がします。そこには女性の社会進出や謙虚さに欠ける行動が引き起こされているのかもしれないとさえ、感じるのです。

私も、過去には『輝く女性を応援する』という会を設け、働く女性を応援してきました。が、そこには誤解も生じたようで。決して自分の主義主張を貫き、自由に生きていいという意味ではないのです。

『自由』っていい言葉ですよね。けれど、意味合いを勘違いすればなんでも許される、になってしまう。それは、社会に揉まれ、家族を背負って生きる男性に失礼な気がします。

反感を買うかもしれませんが。女性は子供を産み、育てる。それが使命だと思います。動物としての。けれど産めない人もいる。それを卑下すつもりは毛頭ないです。それを受け入れ生きていくこともかなり辛くて過酷なことだから。ただ、産めたのだとしたら。成人するまで自分で育てる。それは、社会進出以前に使命だと思います。

なかなかにして、重いテーマになってしまいました。

次回は、長澤まさみさん主演の『コンフィデンスマン』を観ようと思います!

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