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スマブラステージ【AD.1782.サナギ】


 完全変態は昆虫の幼虫がサナギを介して成虫になる営みです。その変化は極めて劇的で、幼虫と成虫では見た目も食性も移動手段も変化します。
 多くの場合、幼虫は餌を食べて体を成長させることに特化し、成虫は交尾して子孫を増やすことに特化した体になっていて、幼虫と成虫で食べるものを変えることで、食物の奪い合いを回避して幼虫が効率的に成長できる効果を生んでいると考えられています。

 サナギになっている間ほとんどの昆虫はまともな運動ができず(起源が古く原始的なヘビトンボのサナギは少し動ける)逃げることができないため捕食されるリスクが高くなりますが、多数の幼虫が素早く育つことによって個体数が維持され、現在確認されている昆虫の種の半数以上は完全変態を行う昆虫が占めています。

 アゲハチョウ(ナミアゲハ)の幼虫は、脱皮を繰り返しサナギになる直前の終齢幼虫になると、成虫になったときに用いる羽や触覚、複眼が幼虫の体内に折りたたまれた状態で存在していて、糸で体を固定して最後の脱皮をしてサナギになります。

幼虫(終齢)の体は丸っこいが・・・


サナギでは成虫で羽や触覚となる部分が盛り上がっている


 サナギになっている期間は、気候が温暖な時は一週間ほど、冬では数か月間サナギのままで越冬します。サナギになっている時に幼虫の時に用いていた口や腹脚が溶解し、折りたたまれていた成虫の体に体液を通して膨らませて、晴れた日の朝に羽化します。
 
 体を作り替え、動かないサナギから羽化する蝶は、古来より不死、復活、魂などの神秘の象徴として扱われました。


 このスマブラステージでは夜露の中で羽化を待つ、蝶のサナギの上で戦います。

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