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片羽根の蝶々

片羽根の蝶々が何も無い空間に一人佇んでいる

それは私の空白だった  
惨めに一つしかない羽を広げうずくまっている

外は雨が降っているようだった

片羽根の蝶々は自分がここにいることしかできないことを悟る

片羽根の蝶々は葉脈のような羽を静かに
視線で一つ一つ辿っていく 
ドクドクと確かに存在している 
それは私の心臓のようだった

片羽根の蝶々がなにもない空間で一人佇んでいる
外の雨はまだまだ止まないようだった


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