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1か月後の再診ー遠距離介護記録4

 父は良くなってきているように見える。硬膜下血腫は吸収されているのだろうか?

 「老衰宣告」医師の予約日。

 着替えなど手伝い、朝食もそこそこに、妹とふたり、なんとか予約時間より30分前に連れて行った。
 前回は前日にお願いしたけれど、今回は1か月前からの予約だから、そんなに待たされないだろうと思っていたのは勘違い。

 先にM R I検査。恐ろしく混んでいる。40分待っても呼ばれない。通りがかったスタッフに、
「言われた時間に来たけれど、まだですか」と聞くと、「順番に呼んでます、お待ち下さい」と迷惑そうな顔でクレーマー扱いだ。さらに待つ。この状況がこの病院の当たり前らしいと、2回目にして気づく。

 疲れ切った父と私達はようやく診察に呼ばれた。
「血腫はだいぶ吸収されていますね。
終了です」
「お薬は?近所でどこか紹介していただくことは、、、」
「どこでも行っていただいてけっこうです」

 医師の文言は、本当にこうだったか覚えていない。歓迎されていないことと、血腫が吸収されつつあることだけわかった。
 もうこの病院には二度と来たくない。

 1か月のんでいた五苓散(ゴレイサン)がめまいに効いているような印象があったし、世話になっていた薬剤師から良い薬だと聞いて、継続して飲んで欲しかった。

 薬が欲しい大きな理由が他にもあった。これを食前に出すことで、やっとやっと父の晩酌を止められたのだ。
 父は今回の病気まで、焼酎の水割りを欠かさず、風呂での数回の転倒につながっていた。毎晩水割りを作ろうとキッチンへやってくるのを、これ飲んでるうちは酒はだめ、と止めることができたからだ。毎晩とても悲しそうな顔をしていたけれど。

 さあ、ここからががんばりどころだ。

 すぐに近所の脳外科クリニックに電話予約した。前からそこかと思ってはいた。
 「慢性硬膜下血腫」という病名で連れて行きやすい。頭痛とめまいの薬をもらう予約してあるから、と気乗りしない父をなんとか連れて行った。

 そのクリニックで、老衰と言われて終了した話をすると、年配の医師は不快そうに顔をしかめた。顔に出る先生だ。そうですよね、不快な話で合ってたのですよね。

 M R Iを撮り、欲しかったゴレイサンを処方してもらうことになった。
 物忘れが数年前からあって、介護保険の診断書をお願いしたいと伝えると了承していただく。はじめは2週に1回、後に月1で継続受診となった。    

 受診くらいしか外出しないため、外出、運動の機会として重要だった。そして2、3回目にはアルツハイマーの診断が出た。

 介護保険の調査員さんにも事前に、介護される人になることに抵抗がある、と伝えると、上手に対応して下さった。ありがたい。要介護2と認定された。

 次はケアマネージャー選びと、両親の寝室を1階に移し、ベッドを入れる段取りだ。

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