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今日の読書5/1

波木銅さんの「万事快調〜オールグリーンズ」読了しました。
茨城県の田舎の女子高生が、大麻を育てる話。


松本清張賞受賞作品です

クソ田舎(彼女たちはそう呼んでいます)閉鎖された環境の中に閉じ込められた鬱屈とした感情が大爆破した、青春小説です。

主人公の三人の女子高生たちは、映画、ヒップホップ、漫画、小説などサブカルにどっぷりはまっています。
まだ何者にもなれない、本当のわたしもわからない、家族や友だちと馴れ合うこともできないで、サブカルの中に自分の未来を探しています。
クソ田舎では、サブカルにハマるものは異端視されます。そこに自分らしさを感じながら、周りの視線に卑屈にもなります。
自意識ばかりが肥大する中で、彼女たちは爆発、暴走、炸裂していきます。

もう、こんなクソ田舎におさらばしたい!もう見えない将来に怯えないで生きたい!今を生きたい!!
そんな、心の叫びがセリフにも行間にも溢れ出しています。


わたし自身は暗い青春時代を送った一人です。
片田舎からいつか逃げ出す日を夢見ていました。
かと言って、何かになるために必死に勉強したり努力することもありませんでした。
そんな自分が嫌でたまりませんでした。
友だちや恋愛での思い出はほとんどありません。
本、漫画、映画の中に何かを探して、息を潜めて生きていました。

何かきっかけさえあれば…自分でそのきっかけを作ろうともしないで、ただ願っていました。

そんな昔の青臭いわたしがちらちら出て来て、一緒になってページをめくっていました。
苦笑し、大笑い、憧れたり、羨んだりしていました。

鬱屈とした世界を、ユーモアとたくましさと、クレージーさで進んでいく、とても楽しい本でした。




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