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【短歌エッセイ】青空のカケラ

 私は、地方紙の新聞に月1回短歌の投稿をしている。選者は2人で、1人の選者につき2首まで投稿できるので、最多で4首まで投稿できる。

 全国紙の新聞への投稿は、メールでも可なところがあるが、この地方紙は葉書での投稿に限定しているので、毎月必ず2枚の葉書を使用することになる。

 ところで、最近は紙媒体以外のツールが増えたこともあって、年賀状をやり取りする相手が減った人もいるのではないだろうか。

 私も、近年はそんな状況で、年賀状を買う枚数もだいぶ減ったけれど、それでもやはり送る相手はいるし、家族を含め、送っていない相手から送られて来る可能性がないこともなく、年賀状は少し余分に買っている。

 他にも、仕事関係でとある芸術家協会の実物見本として頂く年賀状があり、何だかんだで家には未使用の年賀状が存在するのだ。

 そしてそれは、投稿用の葉書として利用することになる。

 年賀状は宛名を書く面の、切手の絵柄(もしくは切手を貼るスペース)の下辺りに、必ず「年賀」という文字が印字されている。

 年賀状シーズンにはそれが便利な符号となるが、年賀状としてではない、他の用件で利用する際には、それはちょっと不要な存在になってしまう。

 二重線・×線で消す、修正液・修正テープで消すなど、年賀状ではないことを示す方法は色々あるとは思うけれど、私は上からシールを貼っている。

 やり取りがメールへと移り変わる前は、便箋と封筒を使って直筆で手紙を書いていて、その時の気分に合わせて使い分けられるように、多くの種類のレターセットを持っていた。シールはその付属品だ。

 今はもう長いこと活躍の場がないレターセットではあるけれど、シールだけでも使う機会があるというのは楽しいことでもある。

 シールの中に、青いグラデーションのものがあり、それは青空を切り取って来たかのようにも見える。そう、それはまるで、青空のカケラ。

 私はそれを、投稿の短歌を記した葉書の、年賀という印字の上から貼る。

 この青空のカケラが、葉書の受け取り手に、少しでも暖かでさわやかな気持ちをもたらしてくれたなら、幸いというものだ。


 「投稿に 使う葉書の 『年賀』字を 青空色の シールで隠す」





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