距離 或ひは基本単語の基本義及び基本用法 鬼りんご

 罪おほき男懲らせと肌きよく黒髪長くつくられしわれ     与謝野晶子


そなた美男ゆゑ鳥に成ればさぞ見事な孔雀であらう
みどりの羽根を展げあられもなく焦がれ恋ふるがよい
深く果てしなくそなたを犯し堕としてやらうぞ
ああ死にますとをののきうめくまで容赦無く弄んでやらう

雄を犯さんとて雌に生まれ 愚かな雄の到来をこそ待ちかねたぞ
辱められむと転生を遂げたなんぢ目も絢な無用の美男孔雀よ
恥づかしい青孔雀となつてこころゆくまでわななき狂へ
さあ隠してゐる椎茸を出せいちじくを曝せ海鼠を見せよ
わがあらゆるさざなみの花もてその劣情を絞り抜いてやらうぞ
さあ淫らの羽を震はせて歌へ もつともつと啼かせてちやうだいと 


(「こどもだま詩宣言」対応 原文縦書き)
(ちなみに、表題の「或ひは〜」の部分は厳密にはサブタイトルで、フォントを小さくすべきものです。noteではその技術がわからず、タイトルと同じフォントにしておきました。)

*書道家の方へ
 本作は言葉のみで自立することの困難な作品です。字数の多いのが難点ですが、「近代詩文」で題材として揮毫頂けると、活字等で読まれるよりは遥かに面白さがわかり易く、また書道作品としてもそれなりに面白いものが出来るように素人考えでは思われます。折あればご検討頂けると作者の喜びこれにすぐるはありません。なにとぞよろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?