プロットは2つの目で
プロットを書くのが苦手でした。
プロットとは、いわば小説の設計図みたいなもので、小説執筆の指南書には必ずと言っていいほど「まずプロットを書け」とあります。
拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の中でもプロットについて言及していましたね。
どちらかというと、僕は書きながら物語を作るタイプで、20作品以上の長編小説を書いたのに、しっかりとしたプロットを作ってきませんでした。
書きはじめる前には、箇条書きであらすじを記すだけで、シーンごとになにを書くか細かくは決めないんですよね。
過去に何度もまともなプロットを作ろうとしたのですが、その都度挫折してきました。
Kindleでセルフ出版するなら誰も介さないので、それでも良いのですが、商業出版するためには、執筆する前に企画を書きプロットを作成して他人に理解してもらう必要があります。
というわけで、必要に駆られて、プロット作りに改めて挑戦することにしました。
今まで敬遠していた本格プロット作りでしたが、やってみたら思っていたよりスムーズにできました。
まずはプロットではなく、あらすじを書いてみたらうまくいきました。
あらすじをきっちり書くと、小説を書いているのと同じ思考モードに入り、登場人物になりきり、今までよりも詳細なあらすじを書くことができました。
風景描写や台詞がないだけで、感覚的には小説を書いているのと変わりません。
プロットを作ろうと構えなくても、まずは普通にあらすじを書けばよかったんですね。
ただ、あらすじはプロットではありません。あらすじをシーンごとに分解して全体の構成を練り上げます。伏線を散らし、中盤とクライマックスの物語を設けます。
この作業も、詳細なあらすじができていれば、シーンを組み合わせたり、また組み替えたりすることでプロットに起こすことができます。
全体のバランスを見て、物語全体を構築していきます。
プロットを作るには、2つの視点をもてばよかったようです。
実際に小説を執筆する近距離の視点と、俯瞰してみる遠距離の視点。
今までは、俯瞰した視点で作らないとと思い込み過ぎていたようです。
小説を一から設計しなけければいけないと思いこんでいましたが、普通に小説を書く気持ちでプロットに望めば、プロットの下地を作れたんですね。
2つの視点の必要性に気づいてからは、プロット作りが苦にならず、むしろ楽しくなってきました。
プロットをきっちり作った小説が、今までのプロットなし小説よりも良いものになればいいのですが、それは完成してみないとわかりませんね。
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