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kaniemon_photo
ショートショートミニ「包丁を持つ女」
小雨が降る森の中、女は合羽を着込み佇んでいた。
女の横には腕に刺青の入った男が立っている
「この中から好きな物を使え、1人で始末できたら戻ってこい」
女にそう囁くと男は暗い森の中に消えた
女の目の前には買ったばかりの包丁が
切り株の上に並び、出番がくるのを大人しく待っている。
「始末って…さてと、どれを使おうかしら」
女は何本かある包丁の中から一本の出刃包丁を選んで手に持った
女の眼が鋭くひかり、目の前の獲物を睨みつける
獲物の目は諦めたかのように見開かれている
助けを乞うのも無駄だと理解しているようだ
女は容赦なく獲物の首に包丁を入れた
ザクッ!
獲物のお腹がビクビクッとなり
動かなくなる
女はそのまま獲物の肛門から一気に首元まで包丁を走らすと、頭を一撃のもと切り落とした
「女の力だと結構疲れるわね」
女は腹から見える内蔵をバケツに放り込むとその場を後にした
テントに戻った女に刺青の入った男が話しかける
「どうだ?問題ないか?」
「ええ、問題ないわ。疲れたけど」
女は疲れた顔で言った
「でも、今日は美味しい魚がたべれるわね」
女は濡れた顔で優しく微笑んだ
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