見出し画像

不眠を訴える人も、実はわりと眠ってるらしい 〜双極性障害の頭の中 71

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

精神的に極めて落ち着いた日々が続いています。今週の診察では、「今はとても落ち着いているので次回の診察は4週間に延ばしてみましょう」と言っていただけました。

先週久しぶりに家族旅行に出かけて、相部屋だった妹に私の睡眠について色々と指摘されたので記録します。




◾️「お姉ちゃんのイビキで耳栓した!」

私は10数年来の不眠症です。
今も毎晩デエビゴを飲んで眠っています。
自宅では薬を飲めば、まぁそこそこは眠れるのですが、出張や旅行などで環境が変わると全然ダメなんです。ほとんど眠れません。

と、思っていました…。

しかし、今回の旅行で相部屋だった妹に思い切り指摘されました。

「お姉ちゃんのイビキで、昨日3回耳栓したわ(笑)」

え?マジっすか??(汗)
夜中何度も目が覚めて、全然寝れなかった印象なんですけれども。

しかし、妹が証言しているので間違い無い。
私、どうやらそこそこ爆睡していたらしい。

そ、そうなんだ〜。
一人暮らしなので、普段の寝ている様子を誰かに観察してもらったことが無いので衝撃でした。


◾️「おやすみ2分で動かなくなった」

そして2日目。
またまた妹に指摘されました。

「お姉ちゃん、昨日、さっきまで喋ってたのに、ベッド入って2分くらいですぐイビキかいてピクリとも動かなくなったからビックリしたわ!」

マジっすか?!
2日目も、あんまり眠れなかった印象なんですけど(汗)

私は薬が良く効くタイプらしく、睡眠アプリで計測すると入眠後すぐに深いノンレム睡眠に落ちることは気づいていました。
しかし、そこまで急に寝落ちしていたとは…。

デエビゴは睡眠薬なので当然眠くなりますが、食後に飲んでいる抗精神病薬ラツーダもかなり眠くなるので、その影響かもしれません。

とにかく私はベッドに入るなり、間髪入れずに凄まじいスピードで寝落ちしているようです。
しかも、まったく動かないほど深い眠りに落ちているらしい。
薬の効果ではありますが、あまりにも不自然でちょっと怖くなりました…。
これも今回妹に観察してもらって初めて知りました。


◾️不眠を訴える人は、大抵わりと眠っている

以前、主治医に勧められて読んだ本に、不眠を訴える患者について、こんな記載がありました。

こういう人は、眠れないという強い不安を伴う観念だけが覚めていて、眠れないと感ずるのであるといってもよい。なかには、時計の鳴る音を何度も聞いたことを不眠の証拠にする者があるが、浅眠のときは時計の音のたびにちょっと目覚めるのであり、これを全体として眠れなかったと思い込むのである。

高良武久著:「森田療法のすすめ」

また、ある不眠患者の例だが、入院当時寝付きが悪く、毎夜一時ごろまで眠れないと訴えていた。ある夜、十一時ごろ、私が部屋に入ってみると、当人はぐっすり眠っているので、枕もとの彼の本をそっと持っていった。あくる日、本人は、ゆうべも寝付きが悪く、一時すぎてから眠ったように思うと言う。

高良武久著:「森田療法のすすめ」

私のなおしたある不眠患者は、他の症状の人と同室にいたのであるが、三時のお茶のとき、その同室の者が不眠患者に、「ゆうべ、きみが早くからイビキをかくので、ぼくのほうが寝つかれずに困った」と言うと、不眠患者は驚いて「そんなはずはない。ぼくは夜あけにちょっと眠っただけだ」と反論したのであるが、証人がいるので、いやいやながら認めざるをえなかった。

高良武久著:「森田療法のすすめ」

まったくもって、私のことである(笑)
恥ずかしいくらい私のことが書いてある。

“眠れなかった”は主観であって、客観的に見れば、実は結構眠っているらしい。

眠れなかったと感じても、実は結構眠ってる。

その事実がわかれば、「あんまり眠れなかったな。でも実際はそこそこ寝てるんだから大丈夫だよねー」と思える。


◾️『眠れた』に対するハードルが高すぎる

今回気づいたことは、『眠れた』に対するハードルが高すぎていたということ。

すぐに寝落ち出来て。
一度も中途覚醒せず。
悪夢を見ることもなく。
スッキリと朝目が覚める。

これを“標準”に据えていたということ。
こんな眠りは一年に数回あるか無いかの『完璧な睡眠』だ。
これを毎日の目標にすることが間違っていました。
完璧主義の極みです。

そこそこ眠れれば良し。
しかも、自分が思ってるより実際は眠ってる。

3回も耳栓をさせた妹には申し訳なかったですが、今回の旅行の体験は睡眠に対して楽観的になれる自信に繋がったように思います。
2日間、私のイビキに付き合ってくれた妹に感謝です(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?