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ドラマ『Shrink~精神科医ヨワイ~』をやっと観ました 〜双極性障害の頭の中 72

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

以前、父から勧められていた『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』。
1、2話を見逃してしまったのですが、最終話だけリアルタイムで見れました。
そして、見逃していた1、2話が、Amazon primeで配信されていたので、やっと3話分全部見ることができました。

このドラマについて語っているnoterさんをたくさん見かけたので、私も感想など記してみたいと思います。
※私は原作コミックは読んでおりません。




◾️“障害”ではなく、“症”の表記

様々な方が解説されていますが、このドラマ1時間のお話がたった3話という短い構成です。
病名ごとに各話タイトルがつけられていました。

1話『パニック症』
2話『双極症』
最終話『パーソナリティ症』※内容は境界性パーソナリティ障害でした

病名はすべて最新のDSM-5-TRの表記に則って、“障害”という言葉は使わず、“症”になっていました。
さすがはNHK。

私個人の意見としては、まだ馴染みのある“障害”のままでも良かったのでは?という気もしますが、やはりNHK的には最新の正しい表記でということなんだろうと思います。
病名の表記が変わることについては以前記事でも私見を書きました。↓↓


◾️症状はかなりリアル

全話通して思いましたが、さすが本物の精神科医の監修が入っているだけあって、病気の症状はかなりリアルだったと思います。

私は双極性障害なので、2話の大暴れするシーン…正直、心が痛かったです。
Ⅱ型なので入院させられるほどまでではありませんが、かなり近い状況まで大暴れしたことが過去に何度もあります。
やっぱりアレは混合状態でなるんだなぁ、と改めてドラマを観ながら思いました。

客観的に見せられると、やっぱり双極性障害って、かなり周りに迷惑な存在だと痛感させられます(汗)

1話のパニック症も発作の表現はかなりリアルだったと思います。
私はパニック症ではありませんが、“パニック発作”は何度か経験があるので、吸っても吸っても息が苦しくなったり、目の前がグニャリと歪んで見える状態は「まさにそれ〜」という感想です。
役者さんと監督さん、凄いですね。


◾️それでもやっぱりファンタジーだった

全話通して観て「やっぱりドラマはドラマ。ファンタジーだよね」と、思ってしまいました。

まず、診察室で“お茶”は出てこない(笑)

いや、決めつけるのは良くないですね。
日本のどこかには、ポカポカと陽の当たるソファーで、毎回お茶が出てくるクリニックもあるのかもしれない。(しかも新宿で?!)

どちらかと言うと、劇中では“良くないクリニック”として描かれている「早乙女クリニック」の方がリアルです。


そして、何より違和感があったのが、

電車に乗れない患者に、駅まで医者が立ち会うことなど無い

劇中、パニック症と診断された患者の暴露療法に、医者と(看護師さんも!)立ち会い、駅の近くまで同行していました。
こんな医者、いるかーい!(笑)
5分診療どこいったー?

いやいや、またしても断言は良くないですね。
日本のどこかには、駅まで一緒に歩いてくれて、手取り足取り暴露療法に寄り添ってくれる医者がいるのかもしれない。(ついでに看護師も!)

「明日からは1人でやってみてください」と医者に言われ、
「1人で…」と不安そうな患者のやり取りのシーン。
当たり前だろ〜!と思ってしまいました。
実際の患者さんは何度も失敗を繰り返しながら、苦しみながら、たった一人でパニック障害と闘っているはずです。

本物の精神科医が監修しているなら、患者の症状だけじゃなくて、精神科クリニックにおける現状というか、こういう表現はリアルじゃないとツッ込んでくれたらいいのに…なんて捻くれたコトを考えてしまいました。
いや、まぁ、あくまでドラマ(というか漫画)ですからね。そんな事をつつくのは無粋というもの。

このドラマや漫画がきっかけで「精神科、行ってみようかな?」と思う人がどのくらいいるのかわかりませんが、とりあえず“診察室でお茶が出てこなくても”“病院の外までお医者さんが立ち会ってくれなくても”、がっかりしないでください(笑)
それ、フツーの精神科クリニックですので。
あしからず。

「ドラマと違う!」と、精神科クリニックのハードルが上がらないことを願うばかりです。


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