言ってはイケナイ“余計なひと言” 〜双極性障害の頭の中 18
みなさん、こんにちは。
双極性障害2型のフツーの会社員、パピヨンです。
私は数年前、とある人に言ってしまった、未だにとても後悔している“ひと言”があります。
思い出す度に落ち込むのですが、このような後悔に二度と陥らないための自戒として記しておこうと思います。
その日、私は明らかに軽躁状態でした。
朝の会社のエレベーター。
とある別の部署の上司と一緒に乗り合わせました。
当時社内では休職者が広報されていたため、社員全員がなんとなく私が“ココロの病気を患っているらしい”ことを知っていました。
元気良く「おはようございまーす!」と挨拶した私に、彼が明るく声を掛けてきました。
『おっ、最近調子良さそうですね!』
その何気ない言葉が瞬間的に怒りに火をつけました。
“なんでオマエが勝手に私の調子を決めるんだ?!”
キレた私は凄まじい勢いでこう切り返したのです。
『ええ!薬のチカラで!!』
ひるんだ上司は、
「な、なるほど…」とだけ返して、足早にエレベーターを降りて行きました。
完全に躁転していた私は“一矢報いてやったぜ”と、晴れやかな気分でした。
しかし、一日中その“やりとり”が頭の中をぐるぐるしていました。
そして…ジワジワと己の発した言葉の重さに後悔し始めました。
この事件をきっかけに、軽躁状態から抑うつへ急降下。
こうなってしまったらもうドツボです。果てしない後悔の念が襲ってきました。
『ええ!薬のチカラで!!』
何度思い返してもサイテーな返事です。
明らかに私は攻撃と悪意を込めてこの言葉を発していました。
あろうことか、わざわざ相手がよく分からない“薬”を振りかざすなんて…どう考えても最悪です。
あぁ、なんて余計なひと言を言ってしまったんだろう。
かれこれ数年、後悔し続けています。
双極性障害の誰しもが、私のような攻撃性を持っているとは思いません。
しかし恐らく少なくない双極性障害の人々は、躁転時に周りの人を傷つけた経験があるのではないでしょうか。
躁転している時の頭の回転の速さと言ったら、凄まじいのです。
まるでスーパーコンピュータようなスピードで相手に最もダメージを加える言葉を瞬時に選び出し、考えるより先に口から言葉が出てしまいます。自分でもびっくりします。
ポジティブな発言なら良いのですが、だいたいは暴言です。
この事件以外にも、私は何度もやらかしています。
こんなに後悔するくらいなら言わなきゃいいのに。なぜ口から出る前に止められないのか。
どうせまた抑うつに落ちた時に死ぬほど後悔すると分かっているのに…。
いまだにコントロールできずに、周りの人の優しさだけで乗り切ってしまっている事実にさらに落ち込むのです。
ただ、ひとつだけ。
(私が100%悪い事実は敢えて棚に上げちゃいますが)調子が良いかどうかは勝手に決めないで欲しかったな、なんて我儘を言ってみたくなります。
『調子良さそうだね!』
では無く、
『最近調子どう?』
と聞いてくれていたら、
『まぁ、ぼちぼちですかね〜』で、平和に済んでいたような気がします。
自分勝手ですけどね。
あの時の上司、本当にごめんなさい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?