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2016コロンビアの旅#4|オレのアマゾン釣り日記トトホ編 その1|Travelogue

ボゴタの国内線乗り場に再び到着。途中、いまもゲリラが潜んでいそうな壮大な樹海にときどき現れる、(脳内の妄想世界では)魚がうじゃうじゃいる川にみとれながら、空路レティシアへ。

宿はネット予約したところで、可もなく不可もなく。宿で釣りの相談したら知り合いを呼んでやると言われ、交渉してみたけど、相場がわからないからひとまず却下した。帰りのタクシー代を渡した記憶があるようなないような・・・ 

結局、港をぶらついて割と大きめの遊覧ボートを半日貸し切ったのが最初の契約だったけど、これはふだんは観光案内船で、本流を流すだけのサービス。釣り人をガイドするにはズブの素人船長だったので何も釣れなかった。ここは釣れるぜっていう支流に入ろうとしたんだけど、ボートが大きすぎて入れなかった。呆れて笑うしかなかった。

ボート主の手釣りのほうが釣れるのよ

目に焼き付いているのは、流れの当たる岸辺がごっそり削られて、轟音とともにアマゾン川の一部になっていく姿。テレビの画面越しの映像が自分の経験となって内部に蓄積されたよ。

後退する岸辺

これに懲りて、ちゃんとしたツアーデスクをとおして釣りができないか聞いてみた。すると、近くの村に1泊するツアーがあって、その空き時間にボートをつけてやるから釣りできるよという話に乗せられて、このツアーに申し込んだ。

なにかの掃き溜めのように臭くてぬかるんだ船溜まりから乗り込んだボートで、先住民の村に立ち寄りつつ、ナマケモノやアナコンダやリスザルやマタマタなんかと触れ合ったり、先住民のいかにも観光用のやる気のない踊りを見せられたりなどのアトラクションが組み込まれていて、オレがスレきって性根がネジ曲がったボッチおじさんじゃなかったら、きっとなかなかに楽しいツアーだったと思う。

素敵なコロンビアーナ、ワニを持つの巻

大勢の日帰りツアー客がUターンする前に、ボートはオレだけを見知らぬ何もない河岸に降ろした。土手を登ったところのポツンとした小村の中に宿はあったのだが、それは掘っ立て小屋と呼んだとしてもなんの違和感もなかった。他に2人の同宿者がいたが、イングランドからきた彼女たちは何日もかけてジャングル内をトレッキングするツアーの何泊目かでここに泊まるという話だった。

このまま何も起こりそうもない雰囲気だったので、おいおい釣りはどうなってるんだい、オレは釣り代も含めて料金支払ったのだよと説明すると、宿の主人は誰かを呼んできて、一緒にカノアに乗れという。ずいぶんと使い込まれた木製カヌーに彼が前、オレが後ろで乗り込み、一緒にパドルを漕いでひたすら前方をめざす。

En esta canoa ranchá Que tú me mandaste trae♪

強い流れはなかったのでスイスイとカノアは水を切って進む。気持ちいい。ほんの3㍍ほど斜め前を大きな影が追い越し、ヌメッとした赤白い体表を見せる。アマゾンカワイルカだ! エンジン音がないから警戒心も薄いのだろう。ドルフィンウォッチングツアーなんかよりもよほど近くで眺めることができて得した気分だった。

そのあと短い支流に入ってルアーを投げてみるが、何も起こらない。カヌー主が手釣りでナマズを釣り上げていたので、その仕掛けを借りて仕留めたナマズの稚魚がオレのアマゾンの初獲物ということになる。

小さいほうね。

せいぜい1時間ほどそうして遊んで夕刻に小村に戻ると、学校と思しき建物のまわりに少ない住民たちが集まっている。何事かと思ったら、そこだけがスマホの電波が拾えるところだった。


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