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#100日々是=^_^=日 「バカヤロ、コノヤロ」江戸っ子のおやじさん

実は、凡筆堂さんの「語尾が変かねー」を読んだ時から、語尾に「バカヤロ、コノヤロ」のつく実在の人物を、どこかのタイミングでデビューさせたいと温めていた。

今回、54字の宴で、デビューを果たした「江戸っ子のおやじさん」
モデルは、一昨年亡くなった私の叔父である。

両親ともに東京生まれが3代続いていないと、生粋の江戸っ子とは言えないそうだが、叔父は、江戸っ子気質だったことは確かであろう。
そして、だみ声。
(江戸っ子のおやじさんのプロフィールは、またそのうち詳しく書きます。)

まずは、挨拶。
私の顔を見た時に発する言葉。
「なんだN、おめえ何してんだコノヤロウ。」
=標準語訳
おはよう(こんにちは)、Nさん、ご機嫌いかがですか?

私の意見に対する共感。
「ふざけんな、Nてめえ、何言ってやがんだ、バカヤロウ!(笑)」
=標準語訳
Nさん、いいことを言いますね。私も同感です。

私の意見に対する反論
「ふざけんな、Nてめえ、何言ってやがんだ、バカヤロウ!(真顔)」
=標準語訳
Nさん、あなたの意見には、賛成しかねます。

私が叔父の喜ぶようなことを言った時
「うるせえ、N、黙れ、バカヤロ、コノヤロ!」
=標準語訳
Nさん、嬉しいこと言ってくれますね。照れるなぁ!

一事が万事、このような感じである。


高校の時、友人が我が家に遊びに来た。
その子は、大手会社の副社長のお嬢様だったのだが、我が家の会話を聞いて、
「Nの叔父さんとお父さん、喧嘩してるの?」
と、真顔で聞いてきた。
「ううん。普通の会話。」


日々発せられる、「バカヤロ、コノヤロ」。
叔父は、私が生まれた時から同居していて、私は、叔父に「バカヤロ、コノヤロ」と、あやされながら育った。
だから私は、その表情と微妙な言い方の違いで、叔父の感情を区別することができた。

それに、叔父は、私と話をするときに怒ることはほとんどなく、概ね「共感」の、愛情を込めた「バカヤロ、コノヤロ」だったのだ。


私の娘Eが小さかった頃、お正月に実家に行ったとき、偶々叔父と会った。

「なんだ、E、てめえ、何しに来やがったんだ、バカヤロ、コノヤロ(笑)」
=ようこそ、Eちゃん、よく来たね!

会った途端、このような歓迎を受け、娘の顔が引きつる。

娘Eは、普段叔父と顔を合わせることほとんどなく、慣れていないので、「怒るおじさん」と言って、とても怖がっていた。
男の子の子供しかいない叔父は、Eが可愛くて仕方なく、何とか仲良くしようとするのだが、「バカヤロ、コノヤロ(笑)」と話しかける度に、Eが泣きそうになる。

だから、その年叔父は、Eの気を引くために、おもちゃ屋で仕入れた、大きな福袋を準備した。

「Eの好きなもんわかんねぇからよ、ほら、もってけ、コノヤロウ。」
=Eちゃんの好きなものよくわからなかったから、ほら、一番大きな福袋買ってきたよ~!


娘は、目に涙を一杯浮かべ、震える声で「ありがとう」と言って、恐る恐る福袋を受け取った。


その叔父の声も、もう聞くことはできない。



この叔父をモデルにした「江戸っ子のおやじさん」は、ハチドリさんのご提案により、これから時々、ご登場いただくことになりました。
声は聞けなくても、noteで会えるのは、嬉しいです=^_^=

江戸っ子のおやじさんが登場した記事はコチラ
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「N、てめぇ、勝手にネタにすんじゃねえぞ、コノヤロウ!」

おや?天の声?
叔父も、喜んでいるようです=^_^=

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