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ホワイトな学校へ#10 その6 付け足し 見直してよかったこと

感染症の猛威は、未だゴールが見えないが、この流行を通して、今まで当たり前だったことが当たり前でなくなったと同時に、当然やらねばならぬと思っていたことがそうではないと分かり、改善できたことが多々ある。
要は、事象の捉え方の問題だ。「何もできないから、やらない」という選択ではなく、感染症対策を十分に講じた上で「方法を見直し、できる範囲でやろう」と考えることで、得るものがあったと思っている。


運動会

これまでの運動会は・・・
子供たち全員が校庭に集まって行う。
⇒午後の閉会式の頃には、低学年はへとへと。

保護者は、少しでも見やすい位置を確保しようと、早朝から並ぶ。
⇒場所取りをめぐって、保護者同士でけんかが起きる。学校に苦情が来る。

昼食は親子で一緒に弁当を食べる。
⇒日影が少なく、体育館や校舎の一部を開放する。午後の部が始まっても校舎から出てくれなくて困る。移動に時間がかかり、食べる時間がなかったと、苦情が来る。

赤白に分かれて、点数をつけて勝敗を決める。
⇒短距離走の順位や点数をめぐって、苦情が来る。

ここ数年、5月に行っても10月に行っても熱さが厳しく、熱中症対策が必要である。
⇒ミストなどの熱中症対策をする。学校によっては、児童席すべてにテントをはる。準備にやたら時間がかかる。今度はテントが邪魔で競技が見えないと苦情が来る。

こうなってくると、もう誰のための運動会だかわからない。

これらが、感染症対策で、一気に解決した。

私の思いつき、呟きを、体育主任が、これまたササッと形にしてくれた。昨年度はまだ手探りだったが、今年度は相当いい感じになった。

前日に開会式を行い、子供たちは表現種目をお互いに見る。
運動会当日は、教室で待機。校庭の様子は、モニターで見ることができる。
1年生から順番に、自分の出番だけ校庭に出て、表現と短距離走などを行う。
校庭は、保護者の人数制限なし。子供たちがいないので、ゆったり見られる。そもそも、出番が学年ごとにまとまっているから、暑い校庭に長時間いなくてすむ。
弁当は、子供たちだけで教室で食べる。場所取りをする必要がない。熱中症の心配もない。
団体競技では、赤白に分かれるが点数はつけない。短距離走も点数はつけない。でも、よく見えるので、誰が1位になったか親には分かって満足できる(と、思う)。バッチリ、ビデオも撮れる。
来年は、今年の反省を生かして、さらにうまくできるはずである

「盛り上がらない」という保護者の声はあるが、子供たちは、十分盛り上がっている。というか、お家の人に見てもらえることに喜びとやりがいを感じ、他の学年の演技を見て十分楽しんでいる。
目標をもって自分の力を出しきるという運動会のねらいは、十分達成できている。

持久走大会

本校では、毎年、冬、河川敷で全学年、持久走大会を行っている。スタートから半分の距離のところで折り返し、戻ってきてゴールする。
毎年、土手には、たくさんの保護者が応援に来る。
これまでは、学年ごと、男女別に走り、順位をつけていた。ゴールした子供に順位のカードを渡すのだが、その順位をめぐってもめごとが起きる。

これも、感染症対策で、一気に解決した。
またまた、体育主任がササッと計画を立て直してくれた。

スタートの密を避けるため、男女別、学級ごとに、少しずつ時間をずらしてスタートすることにした。こうなると、煩雑で人手もなく絶対に無理なので、順位のカードを渡すのはやめた。

そうしたら、何が起きたのか・・・

完走できる子が増えた。
しかも全体的に、最初のチームがスタートしてから最後の子がゴールするまでの時間が短くなった。
どういうことかというと、最初に無理をしてスピードを出し、後半にばてる子供が減ったのだ。順位がつかないということは、プレッシャーも減り、最初から最後まで自分のペースでしっかりと走れるというわけだ。
大きなタイマーは置いてあるから、だいたいのタイムはわかるし、上位の子は、親がタイムを計っている。
そもそも、目指すは「完走」だったのだから、これまでだって順位をつける必要はなかった・・・

見直すことにより、見えてくるものがあると、改めて思いました。

次回は、その7 「負担感」という曲者 です=^_^=


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