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No.38所感=^_^= 左手を手術したこと~新米看護師さん

手術をするまで

昨年の夏、左手を手術した。

以前から、違和感があったのだが、昨年の初めころから、拍手をすると、左手の掌の、小指の下辺りが痛い。
最初は、どこかにぶつけて、痣ができているのかと思っていたが、特に青くなっているわけではなく、触ると、しこりのようなものができている。

拍手はもちろん、何かを握ったり、手をついたりするもの痛いので、医者に行くことにした。

近所の皮膚科に行ったら、近くのN大学病院を紹介してくれた。
MRIの画像と、指を動かすとしこりも動くことから、小指につながる腱にしこりができているのだろうということになった。

悪性とは思えないので、手術は急がないとのこと。
だから、8月の夏休み中に行うことにしたのだった。


本題~新米看護師Aさん

手術の当日、朝ご飯を食べずに、病院に行った。
こんなちょっとした手術でも、しっかり準備をするんだと、少々緊張する。

手術室の待合で待っていると、
「本日担当するAです。よろしくお願いします。」
と、いかにもいかにも新人の、かわいらしい看護師Aさんに挨拶をされた。

そして、緊張した様子で、
「本日は、左の掌ですね。朝食は、食べていませんか・・・」
と、マニュアルどおり丁寧に、一つ一つ確認し、注意事項も読み上げる。

一生懸命で、ほほえましい。
たぶん、手術室に配属になった新米の看護師さんは、私のような、極々軽症の患者で練習するんだろうと思った。

パルスオキシメーター

いよいよ、手術台に横になると、その新米看護師Aさんは、私の右手に自動血圧計をつけた。
そして、右手の人差し指に、パルスオキシメーターを付けた。

うん?
血圧計は、数分おきに、ギューッと締まって、血圧を測る。
同じ手にパルスオキシメーターつけて大丈夫なの?

本人も、自分でそのことに気づいたらしく、今度は左手の人差し指に、パルスオキシメーターをつけた。

え?
左を手術するんだけど、いいの?
邪魔にならないの?

そこへ執刀医が入ってきて、Aさんに、
「左手を手術するから、これ取ってくれる?」
と言った。
当然ですよね。

Aさんは、慌てて左手からパルスオキシメーターをはずしたものの、どこにつければいいのか、困っている。
そこへ、看護師長さんらしき方、登場。
「足の指に、つけさせてもらいなさい。」

かくして、右足の指に装着して一件落着したのでした( ´∀` )


腱にできたしこりではなかった

手術が始まった。
左手の手首から先しか麻酔をしていないので、お医者さんの会話がよく聞こえる。
「あれ、違うな。」

え?何が違うんでしょう。
何やら、専門用語で会話しているので、何がどう違うのかよくわからない。
不安なんですけど!

手術はたぶん30分ほどで終わり、何が違ったのか、説明してくれた。
しこりは、腱にできていたのではなく、血管にできていたのだった。念のため病理検査をするが、悪性ではないと思うとのこと。
「取れたもの、見ますか?血管にできていたので、きれいなピンク色です。」
私のしこりのもとは、直径5mmほどの大きさで、丸くて、ちょうどサンゴのような色をしていて、かわいらしかった。


くつ

処置が終わり、執刀医から注意事項を聞いた後、看護師長さんに声を掛けられた。
「起き上がって、大丈夫ですよ。ふらふらしませんか?」
手術台の上で起き上がってみると、結構大丈夫そうだった。

Aさんが、靴を持ってきて床に置いてくれた。
・・・
手術をしたことがある方ならご存じと思うが、手術台は、結構高い。
端に腰かけても、足先から床までまだ50cmくらいある。

届かないんですけど、飛び降りますか?
と思っていたら、看護師長さんが、慌てて、
「Aさん、台持ってきて!」
と、指示をした。

うーん…
Aさんがんばれ。


立ち上がって、歩こうとしたら、すごくふらふらする。
看護師長さんが、血圧がだいぶ上がっていることを教えてくれた。
ふらふらして、このままでは帰れそうにないので、別室で休むことになった。
横になっているより、座っていた方が早く回復しそうだったので、右手は自動血圧計に括り付けたまま、ソファーに座った。

左手は麻酔がだんだん切れてきた。ビリビリして指先に力が入らない。
下に下げるとズキンズキンするので、台に乗せてなるべく高く上げていた。

するとAさんが、
「お水、飲みますか?」
と、聞いてくれた。
確かに、家で最後に水分を摂ってから、3時間近く経つ。
ありがたい。

Aさんは、すぐに紙コップに入れたお水を持ってきて、私の隣の台に置いた…
あのー・・・
飲めません…

左手は、麻酔でビリビリしていて力が入りません。
右手は、自動血圧計に括り付けられています…
お水を台に置いても、私が動こうとしないので、Aさんもやっと気づいたようで、はっとした様子だった。
私は、ストローがないか聞いたのだが、ストローはないという。
「では、お水を飲む間だけ、右手の血圧計、はずしていただけませんか?」
と、お願いした。

かくして、私は、無事に水を飲むことができ、その後30分ほどして、血圧が下がり、動けるようになったのでした。


相手意識

どのような仕事でも共通して言えることは、「相手意識」が大切だということである。

相手が、どういう状況で何に困っていて、あるいは、何を求めていて、自分はそれに対して何ができるか

これを考えることができれば、大抵のことはうまくいく。
先生という職業でも同じ。

Aさん、がんばれ!

余談

看護師さんがすごいという話は、以前、Musiklehrerinさんの記事から思い出して、書いたことがある。
こちらも、よろしければ読んでください、



手術を受けて思ったこと

血圧が落ち着いたので、帰ろうとして外に出たのだが、日傘がさせないことに気づいた。

左手は、使い物にならない。
日傘をひっかけることもできない。

リュックを前にかけ、リュックの持ち手に傘の柄をひっかけて、あごと左上腕で支えて、やっとさすことができた。

それから、抜糸するまでの2週間ほど、大変不自由な生活だった。

たった5mmのしこりを取るだけで、この騒ぎ。
思ったことは、甲状腺がん、肝臓がんと、2回も大手術を受けたMusiklehrerinさんが、いかに我慢強いかということ。

この記事を読んでもらうとわかるように、こんなに大変なことを、実に淡々と書いている。

すごい…。

これからも、お互い、健康第一で、日々の生活を楽しみましょう=^_^=


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