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ホワイトな学校へ#9 その6 やめてしまわない選択

例の感染症が流行して、3年近く経とうとしている。最初の1年めは、すべてやめざるを得なかったが、その後は、対策を十分講じた上で、折り合いをつけて教育活動を行っている。
感染症を理由に、すべてやめてしまうことは実は簡単だ。(実際、そういう地区や学校もある。)そして、すべてをやめてしまえば、先生方の負担は減るかもしれない。しかし、子供たちが得るものも、それ以上に減ってしまう。私たちの仕事は、子供たちのためにある。子供たちの学びの機会を奪わないという原則を忘れてはならない。

だたし、難しいことをやる必要はない。無理をして難しいことをやろうとすれば、それは先生方だけでなく子供たちにとっても、負担になる。
限られた時間の中で、目標に向けて、楽しみながら、できることをきちんとやって達成感をもてること。そのラインを目指す。

例えば「校内水泳大会」

その5で述べたとおり、数年前、連合行事を見直した際、連合水泳大会もなくなった。

連合水泳大会とは、今の地区の場合、近隣数校の5年生全員が、その内の一つの会場校に集まって行う。2時間ほどの開催時間の中、リレー選手を除いて一人の出番は1種目、数分(数十秒?)。普通の学校のプールサイドに数校が集まるので、保護者が見ることもできない。
確かに、削られても仕方のない行事の一つではあった。

ただ、応援は盛り上がった。ある意味、テレビでオリンピックを見ているより、臨場感があり(臨場しているのだから当たり前…)、全員の子供が選手として出場するのだから、応援にも熱が入る。

本校では、その連合水泳大会の壮行会を兼ねて、毎年5・6年生による校内水泳大会を行っていた。自分の学校で行うので、移動時間もかからず、人数も少なく、連合水泳大会ほどの負担もなく行える。
連合水泳大会はなくなってしまったが、この校内水泳大会は残すことにした。その矢先に感染症流行である。初年度はもちろん実施できなかったが、その後は学級毎で、プールサイドの人数を減らして行うことにした。
体育主任が、ササッと計画を立ててくれた。

今年は昨年以上に感染者が多かったので実施の可否を迷ったが、行動制限もないことから、対策を十分にとって行うという判断をした。

そして、9月。
プール納めでは、毎年5年生が代表の言葉を言う。そのうちの一人が、校内水泳大会のことを述べていた。
自分は、自信があったが6年生には全然かなわなかったこと、自分も来年は態度も泳ぎも、今の6年のように5年生の手本になれるよう頑張りたい、というような内容だった。
全体の前で褒められて、6年生は誇らしげだった。※

実施してよかったと、改めて思った。
もちろん、水泳が苦手な子もいると思う。しかし、目指すは自己ベスト。観衆の前でも普段どおり、もしくはそれ以上の力が出せることが目標だ。
それが一人一人の子供を大切にすることにつながっていく。
(※本校では、毎年6年生があらゆる意味で全校の手本になっている。このことについては、またの機会に。)

余談
某地区の社会体育の水泳大会

知人が某地区の社会体育の水泳大会に申し込んだのですが、今年も中止になり、がっかりしていました。もちろん、これまでと同じようにできると思っているわけではありませんが、中止にせずとも、種目を減らすとか何らかの工夫をして、対策をとって取り組んでほしかったと。
本校の水泳大会の話をしたら、うらやましがっていました。

次回は、「その6 付け足し 見直してよかったこと」です=^_^=


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