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おやこで通う小学校③ 念願の支援級デビュー

登校初日の後半。
珍獣(兄)とわたしは初めて、支援級の教室に足を踏み入れた。
通常サイズの教室の中に、子どもたちの机と椅子が10組ちょっと。
手前には、4人くらいが掛けられる大きな作業机がある。
机・椅子類は前向きに整然と並べられているし
壁も、特に色彩の変更や装飾もなく
無機質で直線的な印象(超主観)の、普通の教室そのものだった。

「入りやすさや過ごしやすさに気を遣っているのかな」と、ちょっと期待していた分、ややがっかりしてしまった。

…が。
よく見ると奥に、ロッカーで仕切られている一角を発見。|_・)キラリ
軽く目隠しされているけれど、異空間の香りがプンプン漂っている。
嗅ぎつけた珍獣(兄)が近づいていった。

ござ風のマットが敷かれているそこは、おもちゃスペースだった。
ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ ←珍獣の叫び
ブロック、アンパンマンパソコン、パズル。
その中には「カプラ」という木製ブロックもあった。
説明書によると、フランス生まれのフランス文部省推薦教材。( ゚д゚)
小さくて薄いただの板にしか見えないが、使い手の右脳を刺激するよう設計されているらしく
これらを積み重ねることで建物や乗り物、動物など幅広く制作できるのだという。
…めっちゃ高価なやつや……( ゚д゚)ワナワナ;;;
こんなの買えないよ。ここで存分に遊んでやろうぜ。ヒヒヒ
打算が働き震えている母の横で、一般級にて疲弊していた(←何もしてないけど)珍獣(兄)に笑顔が戻っていた。

おっと。
ゴザスペースには、先客がいた。
寝っ転がっておもちゃに興じており、その場にあまりに馴染んでいるので気づかなかった。 ん?(つд⊂)ゴシゴシ(゚д゚)
君は確か、入学式で元気いっぱいだった男の子じゃない?
母子同伴だった我らと同じく、いやもしかしたらそれ以上に目立っていた…笑


明らかに友だちになりたい風なのに、恥ずかしがり屋でモジモジしている珍獣(兄)。
先客たる男の子が話しかけてきてくれたことで打ち解け、ものの数秒で一緒に遊び始めた。

更に、2人の距離を一気に縮めたもの…それは



下ネタ。

ち◯こ!
う◯こおばさん!
お◯ら!お◯らおじさん!
ギャハハハハハハ(:.´艸`:.)ブーッ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

脈絡なく交互に連呼。
途中から、あらゆる名詞とつなぎ合わせて新しい卑猥ワードを生み出していった。
そのやり取りは、何周か回ってもはやクリエイティブでさえあった。
わたしは半笑いを浮かべたまま立ち尽くし
さすがに先生は何度かたしなめていたけれど、厳しく咎めるわけでもなく
下ネタから生まれた男の友情を、結果的に見守っていた。

さっきまでいた場所と、まるで別世界だった。
下ネタを連呼することを含め、何がヨイ/ワルイといった物事の善悪の基準は置いておいて ヨイショ(っ'-')╮=͟͟͞
支援級のおおらかな雰囲気に、わたしはまず一安心した。


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