幼い頃からの憧れ【閲覧注意】

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 幼い頃からの願望…悪者に捕えられ、裸にされて縛られたい…そして、容赦のない残酷な拷問にかけられて…無実の罪を白状させられて…公衆の面前で処刑される…そんな哀れな少女になりたい…。


 初めて「拷問」を知ったのは小学校高学年の頃でした。

しかし実はその頃にはもうすでに…いえ、もっと幼い頃から、囚われたり縛られたりすることにほのかな憧れを抱いていました。いちばん初めのきっかけは…覚えていません。ただひとつ言えるのは、裸にされること…それも服も下着もすべて脱がされて全裸にされること…なにも身に付けることも許されない生まれたままの姿にさせられることに特に強い憧れとこだわりがあったということです。

 それがいつからか、何が最初のきっかけだったのか…まったくわからないのですが、少なくとも小学校に上がった頃にはもう…とらえられて、裸にされて、拘束されることへの強い憧れを抱いて…ひとり全裸になっては恥ずかしい目にあわされるのを想像している…そんな女の子でした…。


***


「これより、しょけいをしっこうする」

ヒーローごっこ、男の子たちに人気のテレビの特撮アニメの遊び。女の子の私はヒーローの相棒の女性助手の役。敵の組織に捕らえられ、ヒーローをおびき出すための人質にされる。

公園の遊具の鉄の棒に腕を横に広げて縛られる。男の子たちが手に持っているのはなわとびの縄。服はすべて脱がされて素っ裸、取り上げられた服やパンツは1枚1枚広げて並べられている。

捕らえられた助手はヒーローの弱点や秘密を聞き出すため取り調べを受ける。持ち物をすべて調べられるため、服や下着はすべて脱がされる。なかなか秘密を白状しないので裸にされて拷問にかけられる。取り調べを終えた人質は処刑される。

これから処刑が執行される。処刑はヒーローをおびき出すため広場に設けられた処刑台に磔にされたのちに行なわれる。敵のボス役の男の子から命令を受けた手下役の二人の男の子がなわとびの縄を鞭にして地面に打ち付けながら近づいてくる。

「ごうもん」「はりつけ」「しょけい」「しっこう」…まだ漢字でどう書くのかも知らなかったけれども、なんとなく意味は理解していた。磔にされた人質の少女はこれから鞭で全裸の身体を打ち付けられる…。

昨夜お兄ちゃんと一緒に見た特撮アニメのストーリーの通り。テレビでは間一髪で敵の組織に潜入したヒーローが現れ、女助手は無事助けられたけれども…。

「しょけいをしっこうせよ!」

ボス役の男の子の声が響く。


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 一番昔の記憶は…「人間」というタイトルの学習図鑑です。男女の成長と体つきの違いを説明するページがあり、赤ちゃん、5歳くらい、12歳くらい、18歳くらい(大人)の男女の裸のイラストがありました。それぞれの年齢の男女が裸で並んで気を付けの姿勢をしている絵で、年齢とともに男女別に体つきの違いが出てくる説明をしたものです。

 絵といってもリアルなタッチで描かれていて子供心には写真と変わらず、実はそれぞれモデルの人の写真と思っていました。そして…笑われるかもしれませんが…当時の私は、このイラストのモデルの人を心底羨ましく思い、将来この図鑑の裸で撮影されるモデルになりたいと本気で思っていたのです…。

 家にひとりのとき、幼心に変だなとは思っていました…家族に見られてはいけないとはっきりと思っていました…すべての服を脱いで全裸になり、鏡の前で気を付けの姿勢で立ち、自分の裸が写真に撮られて図鑑に載せられるのを想像し、憧れていたのです。図鑑を買ってもらったのは小学校に上がったときでしたのでで、小1くらいの頃のことでした。


 捕らえられること、特に縄で縛られることへの憧れを持つようになった最初のきっかけはまったく思い出せません…。おそらく当時読んでいた絵本や漫画、見ていたアニメや特撮番組で、登場人物が敵につかまって、縄で縛られたり、牢に入れられたり、鎖に繋がれたりするシーンを見たことがきっかけだったのだとは思います。

 星座の図鑑で見たカシオペア座の荒海の岩に鎖で縛り付けられたアンドロメダ王女、ピーターパンの絵本で見た船の舳先に縛られたまま立たされるウェンディ、大魔王の城の地下で捕らえられ悪魔が料理をするための石のベッドに自ら寝て手足を鎖に繋がれる魔法の世界の少女…。

 お気に入りのシーンは自分の想像の中でそのキャラクターになりきって、捕らえられたり縛られたりするところを妄想し、さらにはもしもこのまま助けが来なかったりもっとひどい目にあわされるならどうなるだろうと、想像を膨らませていました。どれが最初のきっかけなのかはわかりませんが、当時好んで見ていた作品のシーンは今でもいくつか覚えています。

 特にお兄ちゃんが読んでいた男の子向けの漫画の方がそういうシーンも多かったので、隠れて読んで、見つけては何度も借りて見返していました。今思えばこんな他愛もない場面で昂奮していたんだというものもあります。例えば、主人公の男の子を含む複数の男の子どうしのスポーツの勝負でヒロインの女の子を賭けるというストーリーがありました。きっと普通の女の子なら男の子たちが自分のために勝負をしてくれているシチュエーションにときめくのでしょうけど、私の場合はその勝負の試合の間、ヒロインの女の子が会場の席に座らされて逃げられないという設定に昂奮を覚えていました。縛られていたのではないのですが、プレゼントのように箱に詰められていたのです。さらに、主人公の男の子が勝てずに勝負が決まりそうな展開で、ヒロインが友人の女の子の助けで逃げ出そうとしたものの結局は連れ戻されるのですが、そこから想像を広げて、逃げ出せないように牢に入れられるとか、ガチガチに拘束されるとか、逃げようとした罰を与えられるとか、そんな妄想を広げて、ひとり密かに昂奮していました。


***


「結衣はある小さな国のお姫様だよ。王国は平和だったんだけど、悪い大臣が反乱を起こして王国を乗っ取り、お姫様は捕えられるんだ。」

「お姫様は悪いことをしたの?」

「うーん…お姫様は悪いことをしていないんだけど、反乱を起こした悪い大臣がお姫様をつかまえて、お姫様を悪者にしようとしているんだ。お姫様は裁判にかけられるんだけど…ちょっと難しいかなあ…」

「さいばん?」

お姫様は本当は悪いことをしていないのに、捕らえられて「さいばん」にかけられる…アニメの「不思議の国のアリス」を思い出しました。


 小さな頃、時々兄と”お姫様ごっこ”をしました。童話やアニメに出てくるお姫様になってみたい…私が兄にお願いしたのか、兄が私を誘ったのか、記憶は曖昧なのですが、二人で遊んだ思い出があります。きっとお兄ちゃんは妹の遊びに仕方なくつきあってくれていたのでしょう。

 当時見ていたアニメの設定だったり、おとぎ話のお姫様だったり、いろいろなパターンがありましたが、なぜか共通して盛り上がったのはお姫様が悪者につかまる場面でした。どこかいけない遊びをしているようなドキドキした感覚があったのでしょうか、もちろんセリフだけで、悪者の基地や城に見立てた場面でお姫様がつかまる物語が進むという程度のものでしたが、密かに憧れていた囚われのお姫様になれた私は、ドキドキと小さな胸を高鳴らせていました。今思うと、お兄ちゃんも少し落ち着かない様子だったような気もします…。


「それではこれより、姫の取り調べを始める。」


***


 お兄ちゃんは読書家で部屋の本棚にはたくさんの本が並んでいて、よく借りて読んでいました。そして実はヒロインが捕らえられたり拷問にかけられたりする場面の作品、本やDVDがいくつかあるのに気付くようになりました。例えばあるドラえもんの映画作品ではタイムスリップした異世界でしずかちゃんが奴隷にされてしまいます。様々なシーンを自分にあてはめ、さらには妄想で補完しながら、奴隷市場で全裸にされて鎖に繋がれて売られる奴隷少女になりきり、憧れて夢見ていました。お兄ちゃんの部屋の本棚からこっそり借りた本を自分の部屋に持ち帰り、ひとり全裸になって身体を慰めながら…。


 実は同じ本棚には結衣をモデルにした奴隷少女や拷問にかけられる少女を描いた絵や物語が並んでいたのを知ったのは、もっとずっと後のお話です…。


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