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2023年下半期読書 10-12月(一言感想つき)

2023年10〜12月までに読んだ本一覧です。
もう全然感想が"一言"じゃない……
※個別に記事化したものは除く。


2023/10

大人女子のための睡眠パーフェクト|友野 なお

数年前から睡眠に悩んでいる。こういう本は、参考になるならないというより、「改善してみよう」って気持ちにするために利用。
最近試している具体的な改善行動としては、就寝1時間前にスマホをやめ、入眠のための音楽を30分タイマーでセットしてベッドへ。あとはメラトニンサプリ、ピロースプレー。 結果、3時間区切りで覚醒していたのが5-6時間連続して眠れるように。 在宅の際は、可能な限り15分お昼寝時間を確保。眠気を感じたら横になり、寝る! アラームが鳴る直前に起きるのが不思議。

この一冊で全部わかるサーバーの基本|きはし まさひろ

「基本」と銘打たれてるからもう少しわかるかと思ったけど、思ったより分からなかったw サーバーが7つの階層に分かれており、それぞれが全く別な役割を果たすことはわかった。その役割がもう一歩深く理解できるといいなというところなんだけど。。。
あと仮想化という概念がようやく掴めた。ひと昔前までは物理サーバー = 1アプリというのが常識だったんだね。

大帝ピョートル|アンリ・トロワイヤ

ロシアという国の、一つのターニングポイントであったピョートルの時代。
前時代に囚われない先進的な考え方。一方で、喜怒哀楽の感情の強さも、野心も、傍若無人さも、暴虐さも、桁違い。全てが「ツァーリ的」な人物といえば人物だったのかもしれない。
現代日本の倫理観を当てはめて読むものではないが、しかしそれにしても男女関係の放蕩さといい、血族の間の軋轢といい、粛清の人数といい……。あまりに四つ裂きの刑が出てくるから調べたけど、小さい頃に三国志のアニメで見て衝撃受けたやつだった。
全体的には、ピョートルの豊富なエピソードに絡めて時代背景や風俗が詳細に書かれており、とても読みやすい本だった。サンクトペテルブルグを訪れてみたいな。

クレムリンの子どもたち|ワレンチーナ・クラスコーワ

20世紀のソビエトに起こった二度の大戦、社会主義革命、大粛清。ラーゲリにも、子どもの家にも、日常であるはずの街中にすらどこにも子どもたちがいるべき場所はなかった。どの子どもの話も、そんなことがあってたまるかと絶望を感じるほどにあり得ないほどの不条理や非倫理に満ちている。
罪なき逮捕を免れた生活を送る一人の若者が「空を飛ぶことが僕の一番の幸せではないですか?」そう言って戦闘機のパイロットになり、空に散ったエピソードが刺さる。

SIMPLE LIVING|西村 豪庸

「この世の中には自分がコントロールできることと、自分がコントロールできないこと、この2つしかない」 で、コントロールできないことに私たちはウダウダ悩みがちだと。本当にそう思う。そんな暇があれば、コントロールできることに最善を尽くすことに使えばいいんだ。

働き女子が輝くために28歳までに身につけたいこと|漆 紫穂子

著者は実家の品川女子学院を立て直した6代目校長の漆紫穂子さん。
同校では「28プロジェクト」という28歳をゴールにして目標から逆算することで、自らのモチベーションを高め潜在的な能力を引き出し、自立する人になるという教育を提唱しているとのこと。それに紐づく現代を生きる女性のライフプランニングに関するアドバイスが本書には書かれる。
ご本人が苦労されてきたこともあり、社会の不条理「とはいえ」と、人間の弱さもきちんと踏まえてくれる実践的な内容で、何歳であっても読んで損はない(社会人を何年か経験してからの方が刺さる気はする)。
5%の挑戦を積み重ねること。怖がりの私ができる行動変化はせいぜい1%かもしれないが、それを日々積み重ねたら、きっと自分が好きになるし、それが自信になる。自分なりの、自分のための努力を継続することが大事。

2023/11

女の哲学|女性哲学研究会 (著), 宇波 彰 (監修)

スタール夫人(小説家)、ローザ・ルクセンブルグ(マルクス主義経済学者)、ハンナ・アーレント(哲学者)、フリーダ・カーロ(画家)、ボーヴォワール(哲学者)、シモーヌ・ヴェイユ(哲学者)、アイリス・マードック(小説家)7人の生涯と、思想のダイジェスト。恋多き人が多いが、頭脳明晰で活動的な彼女たちは女性としてもさぞ魅力的だったのだろうと思う。 芸術家、革命家……平凡には程遠い生を生きた人もあるが、そのようにしか生きられなかったんだろうと思わせる魂の苛烈さを持った女性たち。強い思想というものはすなわちこだわりで、そのこだわりを持つことの良し悪しがより人生に如実に反映されてしまうのところが、女性ならではなのかもしれないと思った。

哲学の解剖図鑑|小須田 健

1テーマ4ページ、イラストも交えて哲学のベーシックな用語・問題を解説。とっつきやすく、ペラペラとかいつまんで読むのに最適。
同テーマに関係する複数人の視点が一気に知れるのも◎。

R帝国|中村 文則

世界を理解させるための説明が多く、登場人物の描写が薄いので、感情移入はしずらい。 R帝国の悪徳政治家が、初対面の主人公に魂胆をベラベラ喋るテンプレ悪役のような頭の悪さにちょっと萎えてしまった…… エンタメ性は高いので、10代には面白いかもしれない。

リセットの習慣|小林 弘幸

一番ひびいた箇所。
積極的にかかわって「相手をモンスター化」しない。

具体的な相手の言動以上に、自分の中でモンスター化させてしまっているということです。自分の中でつくりあげたモンスターは決していなくなりません。それどころか妄想というエサを食べて、どんどん巨大化する一方です。モンスターが大きくなればなるほど、あなたのストレスも増大します。

たしかに「相手が自分の思う通りに動かない」というのは完全なる被害妄想で、話してみると案外すんなり話が通じて解決したりすることが多いなと思う。相手も人間なのだから、まずはこちらが歩み寄ることでそれが鏡となって、相手の態度が軟化するという方向に持っていくのが一番生産的。

2023/12

組織の掟|佐藤 優

ハードボイルド小説として最高に面白かった。

戦略思考で鍛える「コミュ力」|増沢 隆太

会話する上で重要なポイントは「目的を設定すること」「“相手”目線をもつこと」「ロジックが成り立つこと」 ──結局、全ては2つめに集約されるのではないかと思う。
特に仕事においては、「相手の時間をいただく」という謙虚な姿勢を一貫して持っておくことが、自分の話を通す最大の戦略になる。 相手に時間を取らせるのだから、会話のゴールを想定しておく。 相手の立場に立ってタイミングを見計らい、最大限準備してから望む。 自分の言い分を受け入れてもらうには、相手の言い分をまず聞く。
他者に受容的だが自分の意思が明確にあり、かつその論旨はロジカルで、熱意がある人の話に耳を傾けない人はいない。 自分と相手の合意ポイントを最短で探り、そこに行き着くことがすべてだと思う。

クリエイティブ人事|曽山 哲人, 金井 壽宏

「コミュニケーション・エンジンとしての人事」という部分に、組織に所属して働く人間のあり方の解の一つを見る。

経営陣は、会社の業績を伸ばすためにさまざまな手を打ちます。しかし、一つひとつ経営判断の意図を社員に対して丁寧に説明できるかというと、必ずしもそうではありません。経営陣のストレートなセリフは、ときとして現場に誤解を生んでしまうこともあります。他方、現場の社員は会社に対していろいろな思いを抱えています。しかし、個々の社員が自分たちの考えを会社にバラバラにぶつけたとしても、意見としてのまとまりに欠け、経営陣は「社員は勝手なことばかり言う」といった反応を示してしまうかもしれません。

そこをつなぐことを自分は仕事にしている、と著者はいう。
発言の文脈・背景が理解できれば、言っていることすべてを受け入れられなくても、軋轢や断絶は生まれない。 けれど、立場や状況に応じては”やりたくても不可能な(それをやると思惑が水の泡になってしまう)”コミュニケーションも往々にしてある。発言者の真意に気づき、受け手の立場も理解して通訳ができる存在は組織に重宝されること請け合いである。

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書|山﨑 圭一

世界は地理も時間も全て繋がっている。しかしそれらの相関は、あまりにもその絡みが錯綜しているから、網羅性を重視する学校の教科書からはなかなか読み取りづらい(習得にかける時間も限られるし)。
このシリーズは、地理的関係・経済・宗教と情報取得の観点を3つに分け、それぞれのテーマからの歴史を追っていける仕組み。この3つの観点から世界史の流れを追って、それぞれを集約すると「一般教養としての世界史」の概形が掴める。
この情報過多な時代、人に伝える情報は垂れ流しでは意味がなくて、編集(切り口や伝え方の工夫)が肝要だと思うけど、それを実感させてくれるような上手な編集だと思った。本棚に入れておきたいなと思える本。

パーソナルリーダーシップで仕事を進めろ!|小杉 俊哉

思い通りに生きるために必要なのは、自分で自分を理解し、自分を律し、自分の責任と判断のもとに道を切り開く行動をする「自律」。
「どういう仕事をして稼ぎたいか」を自分で答えられないのは、姿勢が完全に受け身だから。仕事は与えられるものだと思っていたら、いつまで経っても他者に左右される仕事しかできないし、裁量は得られない。
自分が得意なこと・好きなことで稼げれば、楽だ。だから、自分を見極めて、稼ぐ方針を定めることが重要。ただし、趣味ではなく仕事なので、稼ぐにはそれが市場(社会・他者)に求められているか・どのようにしたら求められるかをセットで考えなければならない。

実践するドラッガー[チーム編]|ピーター・F・ドラッカー (著), 上田 惇生(監修)

今年、書籍やネットコンテンツでさまざまなマネジメント・組織論を読んだが(まだ全然網羅性は足りないことは置いておいて)、結局は「人を変えようとするのではなく、活かす組織にする」──これに尽きるのではないかと思う。
人はそれぞれに特性と意志を持っている。その特性を最大限に発揮できると、その人の力は最大化する。そういう風に組織をつくれるか否かが、なにより組織運営の要なのではないか。 人を促すより、自ずと良い方向に動けるように仕向ける。そのために、その人個人に興味を持ち、きちんとコミュニケーションして特性や考え方を知る。これかなあと。

会社を変える会議の力|杉野 幹人

「会議とは組織における問題解決の装置である」というのが本書の会議の定義。会議の目的は“結論を決めること”である。

  • 会議に必要なのは、「何(アジェンダ)をどうする(ゴール)か」。だから、アジェンダとゴール設計が必須。

  • 著者は否定的だったが、個人的には「連絡」と「報告」のアジェンダが厚い会議があっても良いと思う。ただし、その連絡や報告事項が、出席者同士のコミュニケーションを生むものになっていないといけない。

  • 目的を忘れ、実行が一人歩きすることは往々にして起こりがち。同じく、目的を忘れ形骸化した会議は、再定義してみる。


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