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インドの空港での忘れられない出来事

これは20歳の時に経験した、おばあちゃんになっても決して忘れたくない、インドの空港での出来事です。

数年前、私は極貧海外ひとり旅をしていました。

バングラデシュからインドに移動する朝、旅も後半でだいぶストレスが溜まっていました。起床してなぜか日本への航空券を調べ出して泣き始める
という情緒不安定なことをして、たまたまその時行動を共にしていた日本人に帰った方がいいと言われました。

20歳で初めての海外ひとり旅。心身が限界だった私はその日に急遽帰国することに決めました。


すでにバングラデシュからインドまでの航空券はとっていましたので、インドから日本への航空券を取る必要がありました。ここで大きなミスをしました。インドに着いてから、インド−タイの飛行機の乗り換え時間が3時間しかない便を取ってしまいました。これは結構ギリギリの時間で、インド入国にあたりアライバルビザを取る必要があったため間に合わない可能性大でした。

この旅の国旗ワッペン買ったりもしたよ!


そして、インド式のゆっくり仕事マンたちが急いでくれるわけもなく、結局アライバルビザのせいで、飛行機を逃してしまいました。

その時の状況は過酷でした。箇条書きすると、
🌀そのコルカタ空港にはFree Wi-Fiというものがなく、ネットがつながらない。私のiPhoneはfree Wi-Fi下でないと使えなかった。
🌀空港現地で航空券を取った経験なし。英語も堪能ではないから誰に聞けばいいのかもわからない。もちろんiPhoneは使えないから翻訳機もなし。
🌀残金がギリギリでこのお金で次の航空券を買える保証がない。

本当に帰国できないかも、私はこのままここでインド人として暮らすのか?と泣きそうになっていたら、インド人の男性が近づいてきて、何が起こっているのかを聞いてくれました。そして飛行機を逃したのならこっちについて来て、と声をかけてきました。

はじめは、こういう手口の詐欺とかかもと疑ってかかってました。
しかし、当時英語があまり得意でない私に、日本語翻訳を使って1つずつ説明してくれたり、
「明日の11時にタイから東京へのフライトがあるから朝6時にはタイに着いていたい」と言ったら違う航空会社の便を提案してくれたり、私も徐々に信用していきました。

私の重い荷物をずっと持っていてくれるし、ATMがうまく作動しないと、ATMまで一緒にやってくれました。
最終的にこの降ろしたお金(航空券代)を僕に預けてくれない?僕が航空券買ってくるから待ってて、と彼は言いました。ここで預けるかどうか一瞬迷いました。だって、これがインド人の詐欺の手口か?と誰だって少し思いますよね(笑)

でも私にはもう選択肢はないんですよね。私は彼を信用して、私の残り少ない大切なお金を彼に預けました。
そのまま彼は走ってどこかのカウンターに行きました。

待っている時間は本当に生きた心地がしなかったです


そして数十分後、彼がチケット取れたよと私の前に現れました!
彼が戻ってきてくれたことに、とても安心したのを覚えています。

それに加えて、彼は私に、ここで座ってて!と言って同じ便でタイに行く人を探してくれて、その人達に、彼女は慣れていないから一緒に連れて行ってくれとお願いしていました。

You follow them.Don't worry.You're OK.
と言って立ち去っていく彼にわたしは何度もお礼をしました。

空港のスタッフだったのか、いやdrも制服は着てなかったかも?仕事だとしても、彼が私にやってくれたことは彼の業務外のこと。本当に優しくしてくれました。


困っている人に優しくできる人になりたい。そう切実に思ったのを今でも記憶しています。


看護師時代も、業務外のことを聞いてきたり頼んでくる患者さんはいましたが、常識範囲内のお願いであれば快く聞いていました。それはこの経験があったからだと思います。これからも彼のように困っている人に手を差し伸べられる人でありたいなと心から思っています。

私が今日本に入れるのは、名前も知らない彼のおかげです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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