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ガラスの輝き

エミール・ガレのガラスの作品を
鑑賞しに横浜に足を運びました。
写真は「フランスの薔薇」大壺。
1902年の作品。

時間があったのでその後、
横浜イギリス館(横浜市指定文化財)を
訪ねました。

この付近には幕末~明治初期にかけ
居留地保護のためフランス軍や
イギリス軍が駐屯していた。

両軍が撤退し、イギリス軍が駐屯していた
跡地に上海の大英工部総署による設計で
英国総領事公邸として1937年に建てられ
材料は全て上海方面から運ばれたそうだ。

内覧を終え、外観を撮影しようと
芝生のある庭園側に回り
建物の外観の写真を撮っていた。
思ったように撮影出来ず試行錯誤していると
後ろから声をかけられた。

女性「近くの方ですか?」
 私 「いいえ」

女性「どこから来たのですか?」
 私 「○○県から来ました」

女性「この建物綺麗だと思いますか?」
 私 「は、は、はい、庭園も綺麗で・・」

何かの勧誘??と
身構えてしまったけど

彼女はイギリス人。
近隣に住んで永いらしく
ウォーキング中のようなラフな格好で
流暢な日本語で話す。

老朽化していく一方のこの建物を
何とかしたいと思っている。
現在無料で入場できるが
料金が発生する
イベントなどを行い
それを修復に回せたらと思って
今年は活動を具体化してこうと
思っている。

「イギリス人として悲しい」と
所々に年月を感じさせる建物に
真っ直ぐなまなざしを向けながら
熱い思いを、淡々と心地良い
トーンで語ってくれた。
時折、鑑賞する側の立場の
私の意見も求められるのだけど
うまく答えられなかった。

しばらくお話を聞いて
別れた。

ストレートな胸の思いを伝える彼女に
ガラスの壺のような
輝きを見ました。


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