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国立国会図書館デジタルコレクションで読める!コントラクトブリッジ関連の入手困難書籍【図書館・個人送信資料編】

前回の【インターネット公開資料編】に続いて、「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧することができるコントラクトブリッジ関連の入手困難書籍をご紹介していきます。
今回は、国立国会図書館の利用者登録をして「国立国会図書館オンライン」を利用するか「図書館向けデジタル化資料送信サービスに参加している図書館」の端末を利用することで閲覧できる「図書館・個人送信」限定公開の資料からご紹介します。

日本コントラクトブリッジ連盟さんが所蔵している貴重書が読める!

日本における競技ブリッジの団体である「日本コントラクトブリッジ連盟」さんでは、ブリッジ関連の資料を収集し一般に公開しています。
そのブリッジ資料の中でも、特に貴重な昭和初期のブリッジ教本である「カード競技 オークション・ブリッヂの遊び方 初歩編…研究編」「誰にも解るトランプ最新競技オークションブリッヂ實戦術 附 国際競技規則」の2冊については、日本コントラクトブリッジ連盟さんのウェブサイト内「雑学ブリッジ #2」というページで紹介されています。

これを読んで「とても興味深い資料だけど、東京のブリッジセンターまで足を運ぶことはできないなぁ」とお思いの方がいらっしゃいましたら安心してください。なんと、この2冊とも「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧することができるのです!

「カード競技 オークション・ブリッヂの遊び方 初歩編…研究編」

こちらは昭和4年(1929年)に発行されたオークションブリッジの教本です。今となっては古めかしい表現も多いですが、時代を感じさせられますね。

「誰にも解るトランプ最新競技オークションブリッヂ實戦術 附 国際競技規則」

続いて昭和10年(1935年)発行の教本です。こちらは競技会や国際大会でのルールも掲載され、本格的な内容となっています。


昭和初期の貴重なブリッジ教本!

上記以外にも、昭和前半の貴重なブリッジ教本がデジタル化されているのでご紹介します。

オークション・ブリッヂ研究

1927年に発行されたオークションブリッジの教本です。旧仮名遣いの古めかしさはありますが、遊び方の手順を一つ一つ丁寧に説明してくれています。また、当時のオークションブリッジの競技規則も収録されています。

オークション・ブリッヂ競技法とその秘訣

1932年に発行されたオークションブリッジの教本です。ハンディタイプの本なのでしょうか、小さいページながらも文章はわかりやすく書かれていて便利そうです。

コントラクトブリッヂの手解き

1936年に発行されたコントラクトブリッジの教本です。コントラクトブリッジが登場したのが1925年ですから、比較的初期のコントラクトブリッジ教本なのではないでしょうか。こちらもまだまだ漢字や仮名遣いは古い字体が用いられており、ブリッジ用語の「フィネス」が「フネス」と表記されているなど、カタカナ表記も現代と異なるものが多くて面白いです。

コントラクトブリッヂ家庭教師

1936年に出版されたこちらの資料は、当方のnoteでも何度もご紹介しているブリッジ界のレジェンド、エリー・カルバートソンの著作の日本語版です。
これについては過去に記事を書いていますので、詳細はそちらをご覧ください。


トランプの遊び方の本で紹介されているブリッジ

前回の記事でも、いわゆる「トランプの遊び方」の本のご紹介をしましたが、「図書館・個人送信」限定公開の資料にもそうした「遊び方」本があります。
ですが、「ブリッジ」として紹介されているゲームの遊び方をよく見ると、「コントラクトブリッジ」ではなく、「セブンブリッジ」と言われるゲームが紹介されていることも多く、当方のnoteの管轄外であるので紹介は割愛します。(「セブンブリッジ」は明治以後より日本でよく流布していたようですが、令和時代でも遊んでいる方はいらっしゃるのですかね?)
今回調べた「遊び方」本の中でも、明らかに「コントラクトブリッジ」を紹介していると分かる本は以下があります。

トランプの遊び方(久保清 著)

1955年発行の遊び方本です。様々なトランプゲームの遊び方が収録されていますが、その中に「ホイスト」と「ブリッジ」が紹介されています。特にブリッジは「第八章」として章立てされており、コントラクトブリッジのルールの他、3人での遊び方、2人での遊び方、オークションブリッジの遊び方も紹介されています。オシャレな挿絵もついています。

トランプの遊び方(細木孝 著)

1958年に発行された本ですが、久保清さんの本とタイトルが全く同じですね。こちらでも「ホイスト」と「ブリッジ」が紹介されており、コントラクトブリッジとオークションブリッジの両方が紹介されています。

戦後以降のブリッジ本

最後に、戦後以降に発行されたブリッジ教本をご紹介します。

トランプで一番おもしろいブリッジの遊び方

1956年発行のこちらの資料は初心者から経験者まで、幅広い読者を対象としています。

「お正月や休日に即席で憶えて遊ぼうというのなら「ゲームの組立て」だけ読めば十分」ですが、本格的なプレイ技術の説明もあるので、通読すればコントラクトブリッジの遊び方を学ぶことができます。

楽しいブリッジ

こちらは上記の「トランプで一番おもしろいブリッジの遊び方」の続編となる書籍です。ブリッジの「入門を終えた程度」の読者を想定しています。

中級者向けということで、「トランプで一番おもしろいブリッジの遊び方」よりもより上級のテクニックが解説されています。
また、この本では「ブリッジの普及」「ブリッジ用語についての提案」といったページがあり、日本におけるブリッジの普及活動についての著者の私見が述べられています。

コントラクトブリッジのすべて 入門から高等プレーの実際まで

1967年発行のこちらの教本は国際レベルのブリッジプレイヤー2名の共著ということだそうで、初心者に手解きをするのみならず、ブリッジを知っていても本格的に学んだことがない人の「筋を通す」ことも主旨としているのだとか。

ラバーで遊ぶための基本ルールからプレイ技術まで解説されている他、デュプリケートブリッジや「ブリッジテーブルにおける正しいマナーとエチケット」などについても触れられています。

というわけで、利用者登録をするか図書館の端末を利用すれば閲覧できる国立国会図書館オンラインの限定公開資料より、コントラクトブリッジ関連のデジタル資料をご紹介しました。とても興味深い資料が多いので、手間はかかりますが機会があれば是非ご覧いただきたいなと思います。
なお、記事執筆時点では、国立国会図書館オンラインの利用者登録に一週間以上かかっているので、利用を考えている方は早めに申請しておくことをオススメします。
日本ではマイナーなゲームの古い本でも、こうやって国立国会図書館が所蔵・保管してデジタル化までしてくれているなんて本当にありがたいことですねーではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。