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国立国会図書館デジタルコレクションで読める!コントラクトブリッジ関連の入手困難書籍【インターネット公開資料編】

2022年5月19日より、国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」が開始されました。
国立国会図書館では、以前より古典籍や戦前・戦後期の資料などを中心に、所蔵する貴重な資料をデジタル化する取り組みを行なってきました。そのデジタル資料のうち、著作権等の問題がないことを確認できた資料はインターネットで誰でも見られるよう公開されており、インターネットでは公開できないデジタル資料の一部は、国立国会図書館または「図書館向けデジタル化資料送信サービスに参加している図書館」(公共図書館など)へ出向けば図書館の端末で閲覧できるようになっていました。(その他、国立国会図書館でしか見られないデジタル資料もあります。)
今回の「個人向けデジタル化資料送信サービス」では、国立国会図書館の利用者登録をすることで、今までは図書館に行かないと見られなかった「インターネットでは公開できないデジタル資料」の一部が個人のパソコンでも閲覧できるようになった、という画期的なサービスなのです。

当方のnoteでも、過去にこの国立国会図書館デジタルコレクションで公開されているコントラクトブリッジに関連する資料をご紹介したことがありますが、ちょうど(一部の人たちの間で)話題になっているタイミングなので、このサービスで閲覧することができるブリッジ関係の資料をまとめてみることにしました。
まずは、利用者登録をしなくても誰でも見られるインターネット公開資料の中からご紹介したいと思います。

明治時代にホイスト(ブリッジの祖先のゲーム)が紹介されていた!

『遊戯大学』

まずは、明治21年(1888年)の『遊戯大学』という資料をご紹介したいと思います。「ブリッジ」というゲームが登場するのはこの時よりもう少し後の時代のことですので、この資料で紹介されているのはブリッジの祖先のゲームにあたる「ホイスト(whist)」です。といっても、この資料では「ウイスト」という表記になっています。

この資料では西洋の「骨牌(カルタ)」つまりトランプカードについての説明があり、続いて「骨牌遊戯」として「ウイスト」が紹介されています。加えて、ポーカーなどのその他のカードゲームの遊び方も掲載されています。
カードゲームをする日本人の挿絵もありますが、地べたに座って遊んでいる様子が描かれています。屋内の畳の上にカードを広げて遊んでいるイメージですかね。

大正時代の「トランプ遊び」の本

大正時代になると、日本でもトランプカードが普及してきていたのか、トランプ遊びを紹介する本がいろいろと発行されていたようです。

『トランプ術 西洋かるた使用法』

『トランプ術 西洋かるた使用法』では、トランプカード全般の説明とトランプ遊びの紹介が掲載されています。

この本で面白いのは、「トランプは切り札」という項目があり、「トランプを西洋かるただと思っている人がいるが、トランプは切り札のことである」としっかり明言されていることです。日本人が言うところの「トランプカード」は英語で「playing card」あるいは単に「card」と言いますが、大正時代にはすでにこの間違った「トランプ」という名前でカード遊びが流布していたようです。
そして、この本でも「ホイスト」の遊び方が紹介されています。

『トランプ必勝法』

この本もトランプカードの説明と様々なカードゲームの遊び方を紹介するものです。

ちなみに、冒頭にある「トランプの歴史」によると、日本にカードが伝わったのがその当時(1917 年)から300年前で、遊戯として広まったのは維新(明治維新・1868年)後、なんだとか。

そして、記述は少ないですが「ホイスト」もゲームの一種として紹介されています。不思議なことに、本文では「ホイスト」の表記なのに目次では「ホヰスト」と表記されています。

『最も新しきトランプの遊方』

こちらもトランプカードの基礎と遊び方を紹介する本です。こちらも「ホイスト」が掲載されています。『トランプ必勝法』もそうですが、ホイストは「繪取り」というゲームに似ているということで、ルールが異なる部分だけ説明されています。

この本ではトランプカードの1人用ゲームや手品、占いなんかも載っています。

大正時代の「ブリッジ」本!

『オゥクシヨンブリッヂ 最新トランプ遊戯法』

ここまで紹介してきた資料はどれもトランプゲーム全般を紹介する本でしたが、こちらはまさに「ブリッジ」の遊び方を解説する本です。コントラクトブリッジが登場する前に流行していた「オークションブリッジ」の遊び方を紹介しています。

これについては、このnoteを始めた当初に記事を書いています。書き直したいところもありますが、詳しい内容については以下の記事をご覧ください。

というわけで、今回は利用者登録をしなくても読める国立国会図書館のデジタル資料をご紹介しました。利用者登録をするか図書館に行けば見られる限定公開のブリッジ資料については以下の記事にてご紹介しますーではー。


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