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子どもとトランプ遊びをするならコントラクトブリッジはいかが?

少し前ですが、アメリカの8歳の少年がアメリカンコントラクトブリッジリーグ(ACBL)の「ライフマスター」を最年少で獲得した、という記事を見ました。

コントラクトブリッジは国際的にルールが統一されているゲームで、世界各地にブリッジの競技者が集うリーグがあります。そうした団体が公認する競技会に参加すると、成績によって「マスターポイント」がもらえます。このポイント制度はプレーヤーのブリッジの実力を公式団体が認定するもので、将棋で例えるなら、日本将棋連盟から段級位のお免状をもらう、みたいなものでしょうか(?)。そして、集めたポイント数が一定数に達すると「ステータス(位)」がもらえるのですが、「ライフマスター」というと500ポイント必要なようです。(※参考:ACBLのマスターランク一覧(2010年以降に始めた人用))

ブリッジは大人がやっても中々難しいゲームですが、8歳で競技ポイントをここまで集めるのはすごいことだと思います。将棋や囲碁でも「天才少年/少女現る」系のニュースは話題になるものですが、ブリッジ界にもいるんですね〜。

記事を読むと、この少年のご両親もおじいちゃんおばあちゃんもブリッジをやっていたとのことなので、家族みんなでブリッジをするのが習慣だったようです。自分が子どもの頃に家族で遊んだトランプゲームといえば、せいぜい「7ならべ」や「大富豪」ぐらいなものでしたなー。

そもそも、今のご家庭に「トランプカード」はあるのか?

小学生や未就学児でもスマホやタブレットに触れているであろう令和のこの時代、「家族でトランプゲーム」ってみんなやってるんですかね?そもそもトランプ御宅にありますか?
プラスチック製のトランプだったら6〜700円ぐらいで手に入ります。コンビニで売ってるのも見たことありますね。

(うちの近所で買ったのはハナヤマさんのでしたね。それかエンゼルさんのでもいいし任天堂のでもいいし…なんでも良いです)

また、「子どもとトランプゲームで遊ぼうと言っても遊び方忘れちゃったよ〜」という親御様にはトランプゲームの遊び方がたくさん載っている書籍もあります。↓

こちら以外にもトランプゲームの本はいろいろあるのですが、この『トランプの教科書』では、トランプゲームを網羅的に紹介しており、世界3大トランプゲームと言われる「ポーカー」「コントラクトブリッジ」「ジン・ラミー」については章立てして取り上げている「本格的な入門書」ということでおすすめしておきます。
(とはいえ、ブリッジのページが多い訳ではないので、ルールが分かりづらい場合は以前の記事でも紹介している日本コントラクトブリッジ連盟さんの遊び方ブックを無料ダウンロードするのが良いです。)

子どもにブリッジを教えるときに注意すべきことを考えてみた

ルールは少しずつ増やす

これは大人が覚えるときも同じだと思うんですが、ブリッジはルールがたくさんあるので、いきなり本格的なコントラクトブリッジをやるのは無理です。いわんや親御さんもブリッジ初心者ならば。
最初は「スーツフォロー」の決まりだけ教えて、13回の勝ち負けを数えるだけで充分でしょうか。慣れてきたら「トランプ(切り札)」を決めて遊ぶやり方を教えて、それも覚えたらディクレアラーとダミーを決める遊び方を教えて…みたいな感じで少しずつルールを増やしていくと自然に覚えられるのではないでしょうか。(親御さんも)
しかしながら、オークションや得点計算はブリッジ経験者がご家庭にいないと難しいかもしれません。とりあえず「ミニブリッジ」を目標にされるのが良いように思います。

子どもが癇癪を起こしたら「もう一回やろう」

ブリッジは「上手くなれば必ず勝てるゲーム」ではありません。どんなに上手い人でも弱い手札のときは勝負できないし、ペア戦のゲームなのでパートナーと息を合わせてプレイしないと勝てません。だから、負けず嫌いな子どもや、他のお友達と遊ぶのが苦手な子どもだと苦痛に感じる場面もあるかもしれません。

また、ブリッジは論理的な思考力を強く求められるゲームです。一見、弱い手札と思えても、切り札をどのスーツにするかや、パートナーの手札を推理したりカードの出し順を工夫したりすることで、自分たちのトリックを増やすことができます。強いカードをたくさん持っていても出し方一つで全く勝てなくなることもあるのです。
だから、コツを掴んだ親御さんや兄弟が頭を使ってトリックを勝つようになると、コツを掴めない子どもさんが勝てなくなって、怒ったり泣いたりするようにもなるかもしれません…

そんなときは「もう一回やってみよう」と声をかけてあげることをおすすめしたいです。終わったゲームの手札をそのままにして、同じ手札でもう一回プレイし、どういう風にカードを出せば良かったか話し合います。これは「ポストモーテム」(postmortem、検死という意味ですが、事後検証・反省会という意味も)と呼ばれ、大人のブリッジプレイヤーも行うことです。将棋等の感想戦と同じですね。これはかなり勉強になります。

ただ、どうしても難しくて嫌になっちゃうようなら、ブリッジはやめて他のゲームをしましょう。ブリッジは面白いゲームではありますが、その子どもにとって楽しくないことを無理に続ける必要はありません。トランプゲームなんて他にもたくさんあるのですから…(そんなときにもトランプゲームの遊び方本は役に立つ。)もうちょっと大きくなってから再チャレンジするのもありです。

いずれ親より上手くなる

もしお子さんがブリッジを気に入ったようなら、しばらくの間、ブリッジで遊ぶことを続けて欲しいです。というのも、ブリッジはプレイをすればするほど上手くなります。まぁスポーツでもゲームでも何でもやればやっただけ上手くなるのは当たり前なんですが、やっぱり実戦経験に勝るものはありません。だから、「ブリッジやろうよ!」ってお子さんがせがむうちはたくさん相手をしてあげて下さい。

それに子どもって上手くなるスピードが大人とは全然違います。ご自分が子どもだった頃を思い出してください。ファミコンだってあっという間に全クリしていたでしょう。(←)親御さんが「教える側」でいられる時間なんてそう多くはありません。お子さんが上手くなったら、お子さんから教えられることも増えていくんじゃないでしょうか。それもまた子育ての楽しみかもしれませんね…

With コロナの時代にブリッジをはじめよう!

2020年7月現在、コロナウイルスの流行は収まる気配がありません。「今年の夏休みは、お出かけ無理かな〜」と思われているご家庭がありましたらトランプを買っておきましょう。おうちの中で、家族みんなで楽しめるゲームと言えばトランプです。NintendoSwitchもいいけど、任天堂のトランプもいいんじゃないですか??
(そういえば、Switchの「世界のアソビ大全」にはコントラクトブリッジが収録されていないらしい。どういうことなんだ、任天堂!!)
お子さんによってゲームの向き不向きはあると思いますが、ブリッジを楽しめるお子さんが一人でも増えれば何よりです。

ちなみに、冒頭に紹介した記事の少年は、コロナの外出自粛中(2020年5月)にやっていたオンラインブリッジでライフマスターのポイントに到達したそうです。本当はいろんな人とカードを使って遊ぶと楽しいのですが、今のご時世、家族以外の他所の人とカードゲームをするのは難しいでしょう。しかし、オンラインなら心配ありません。夢中になったお子さんがブリッジ上達して「家族が相手じゃ弱すぎてつまんないよ〜」って言われるようになってもオンラインで上級者と遊べるので安心ですね!いい時代だ!ではー。

余談:もしお子さんが弱視だったりカードの判別に難があったりするようでしたら、ユニバーサルデザインのカードもあるようなので、ご紹介しておきます。↓


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