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自分らしさ×仕事場

前回の投稿で自分らしく生きる事について書きました。
今回は仕事場で自分らしく働く事について書こうと思います。

自分の職業はフォトグラファーですが、
最高の接客を学びたい!という思いから去年まで住んでいたマウイで、
Montage Kapalua Bay (MKB)という五つ星の高級ホテルで働いていました。

五つ星のホテルとなると
接客、部屋、設備、ルームサービス、スパ、食事、などなど
全てに置いて最高峰のレベルが求められるためそれなりのしきたりとルールがあります。

そんなホテルでgender non-binary (男女どちらにも属さない)25才が働く事になりました。

もちろん、ホテルの人たちは誰一人
gender non-binaryを聞いたこともないし、その意味もわかりません。
通常の一人称であるshe/her (彼女), he/his (彼) 以外の一人称があることも知りません。
(自分はthey/themの一人称を使います)

さて、自分らしさを確保する旅の始まりです。

第1章:自分のアイデンティティーを伝える

Montageでの採用面接はとっても長いプロセスで、
4回の通常面接を行った後、ゼネラルマネージャー(GM)を含んだ5人の運営陣と最終面接があります。

面接はもちろん会社が面接している人を知る機会でもありますが、
応募している側が会社を知る機会でもあります。

自分を自分らしく受け入れてくれない会社に働く気は一切なかったので、
私は5回の面接で毎回必ず自分のアイデンティティーの話をしました。

そのたんびに、

「???????」
「あなたは何を言っているの?」

という顔をされました。

でもその顔は見下したり、変なふうに見られる顔ではなく、
ただ単に意味が一切分からないという顔。

なので5回の面接で毎回
1. Gender non-binaryとはどういうことか
2. they/themの一人称となぜこれが自分にとって大切なのか
3. 自分らしく働ける環境の大切さ
4. 会社の一メンバーとしてきちんと尊重される大切さ
の説明をしました。

自分は面接に到るまで2つのシナリオを考えていたのですが、
1. 自分のアイデンティティーを説明して、そんなの受け入れられない。今までの男・女としての枠組みに入れると言われる
2. 理解してもらえ、出来るだけ自分らしく働ける環境にしてもらえる

幸い、Montageは「2」の会社でした。

ふー。よかった。

第2章:制服のルールの変更

制服。。。
必ず男女に別けられる難関。

MKBでは
男性:男性用のポロシャツ、半ズボン
女性:女性用のポロシャツ、スカート

しかし、
自分はスカートは履きたくないし、いつも「男用」の服を着てます

自分の属す部署のマネージャーに制服についての話をする事にしました。
すでに自分のアイデンティティーについて話していたので、
比較的にスムーズに話をする事ができ、
マネージャーもとっても親切に話を聞いてくれました。

結果的に
1. 自分にとってしっくりくる制服を選んでいい事。
2. 自分は体が小さいので、特別に新しい制服を注文してくれる事
3. 半ズボンは好きなブランドのを買って、ホテルが後で払ってくれる

流石に泣きはしませんでしたが、会社の優しさに心を奪われました。
一生懸命働いてやる!
感謝の思いを抱きしめながら心の中で静かに約束しました。

第3章:仕事仲間と自己紹介

長い雇用プロセスを終え、やっとの仕事初日。
とっても緊張したのを覚えています。

「本当に自分を受け入れてくれるだろうか。。。」

仕事初日、同僚の皆と挨拶をしました。
"Hi my name is Ami. I'm from a mixture of LA and Tokyo and I'm looking forward to working with y'all" 

マネージャーが事前に自分のアイデンティティーの話を皆にしてくれた
という話を聞いていたため、軽い自己紹介で終わらせました。

仕事場では常に皆とラジオでコミュニケーションをとるため、
イヤホンとマイクを身に付け、いざ仕事初日の開始。

皆とってもフレンドリーで親切に対応してくれたのですが、
流石に一人称に皆苦戦。

「Ami's heading your way. SHE will be there in 3」
...
「SORRY THEY will be there in 3」

思わずそれを聞いて微笑んでしまいました。

自分は一人称を間違えられる事は構いません。
自分でもいまだにthey/themを使う人と会話をする時に間違えてしまいます。
今までずっとshe/her, he/himしかないと思われていた社会に生きていたのですから、それ以外の一人称に慣れるまで時間がかかるのは普通です。

一番大切なのは
gender non-binaryというアイデンティティーを理解してもらい、
正しい一人称を尊重してもらうこと

もちろん、同僚から沢山の質問を受けます。
Gender non-binaryってどういう事?
LGBTQIA+って何?
あみはどういう人と付き合うの?

同僚の人は皆
自分のアイデンティティーを尊重してくれてる、受け入れてくれてる

という事を知っているため、
こうして質問してくれる事が自分にとって嬉しい事でした。

こうして会話をすることから、変化というものが生まれ、
時期に今まで「普通」と思われていた事が普通ではなくなり、
新しいものへと変化していきます。

そして同僚からこんな話を聞きます。
「この間A君が、あみに話をする時に間違えないように練習してもいい?って二人で30分練習してたよー」

本当に、恵まれた会社と同僚に出会えた事に感謝仕切れません。

第4章:自分らしくいれる環境で仕事をする事

どんな人であれ、自分らしさを仕事場で追求するのは怖い事でもあり、
とっても勇気のいる事です。

でも、
人生の半分以上を過ごす仕事場で自分らしく生きることで
幸せ度がグンッと上がり、人生が豊かになります。

自分らしく生きるという事は、
自分自信を尊重し、大切にする事です。

そうして自分を大切にする事で、
周りの人ももっと尊重できるようになり、
お互いを受け入れられる、サポート力のある社会が出来上がる。
そう信じています。

では次回まで、

Aloha! 

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