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Entrée behind-the-scenes

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【最終回】"Entrée" behind-the-scenes⑫トゥナイト

1曲ずつ、ストーリーの断片や解説を散りばめながらのコメンタリーを書いてきましたが、今回が最終回です。
2018年1月24日release 1st Album『Entrée』12曲目に収録、「トゥナイト」です。

この曲だけ、かなり前に作った曲なんです。
Entréeはほとんど書き下ろしだったからね。

10歳ぐらいで「秋風に吹かれて」という渋いクラシック曲を作ってから、
歌モノを作りだして、作曲に

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"Entrée" behind-the-scenes⑪2045(Theme of SHINSEKAI)

2017年8月。
何の情報も出さず、ひっそりとYouTube上に公開したのがこの楽曲。

※現在、OFFICIAL HPからのみ視聴可能となっています。

『Entrée』において、唯一のインスト曲。
主旋律には、皆さんもお気づきの通り、ドヴォルザークの「新世界より 第四楽章」を引用している。
これはね、僕の中では"サンプリング"という概念で旋律を用いたんだ。

なぜか。

ブライアン新世界 Br

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"Entrée" behind-the-scenes⑨クリミアのリンゴ売り

—”僕”と彼女は、彼女の故郷へ訪れる。

彼女が育った町は内戦で荒廃し、家は吹き曝しになっていた。
ラッパの音が町中に鳴り響き、彼女が幼い頃大切にしていたブリキ人形は風に揺られ踊っているように見えた。
なんてぎこちないダンスなんだろう。

愛おしさと哀しみの共時性は、しょっぱい水になる。
彼女は、故郷を守ることを決意する。

”僕”は、その彼女の想いを受け、プロポーズする。
その瞬間だけ、町の霧が

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"Entrée" behind-the-scenes⑧CICADA

—マグカップが、割れていた。彼女の匂いがひびからこぼれてゆく。

ふと窓の外に目をやると、蝉が何かに追いかけられているかのように飛んでいた。
蝉が彼女の化身なのか、それともそよ風になって遊んでるのかな。
無念の想いが水となって、マンホールの中・地下を彷徨う。

カフェオレ、たき火、土。銅色に宿るあなたの追憶を、赤銅色の蝉が小さな羽をはためかせながらなぞっていく。

このマグカップのひびをふさいだら

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"Entrée" behind-the-scenes⑦ルーシー・キャント・ダンス

僕はずっと、悲しみや憤りなどを、そのままの形でストレートに表現することに合点しグラムロックやプログレなどを軸にパンク精神を伴って音楽を作ってきた。

それは、陽の音楽は陽のマインドでしか作れなく、自分は作るのに相応しい人間ではないんじゃないか、と思ったからだ。

しかし、Bryan Associates Clubというバンドが2016年11月に解散してから、原点に立ち返るために自分のルーツを改めて

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