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為末大のコラム

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2024年7月の記事一覧

弱さが増えすぎたとき、社会はどう変わるのか

弱さが増えすぎたとき、社会はどう変わるのか

長文ファンの皆様おはようございます。

希少なものは丁寧に扱われて、多ければさほど気にされないのが世の常だと思います。「弱い」ことは守られる対象であることが多いですが、最近「弱い」が増え、守られなくなってきたと思っています。

弱さは相対的なものです。人間は個体を動物と比較すればあまりにも弱い皮膚を持ち、武器がなく、貧弱です。 人間というグループで考えます。弱さとは偏差値的なものだと考えることがで

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言語化能力を高めるときは「言葉を定義し、差異を見つける」のが大事なのではないか

言語化能力を高めるときは「言葉を定義し、差異を見つける」のが大事なのではないか

長文ファンの皆さまおはようございます。

言語化能力は、考えるためにも、また人に伝えるためにも大事だと思います。言語化能力を支えるために、知っておくべき大事な点が二点あると思います。

・言葉の定義をしようとすること。ただし、それには限界があること
・言葉の定義はどこまでいっても他人と同じにはならないこと

この二つを集約すると、言葉は明確に定義することはできず、人によって定義は違うが、それでも自

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大人は十代の子供が起こした問題とどう向き合うべきか

大人は十代の子供が起こした問題とどう向き合うべきか


体操選手が飲酒喫煙が発覚し、五輪を辞退することになっています。自らの辞任なのか、要請され辞任の形を取ったのかどちらかわかりませんが、選手の心境を考えるととても辛いと思います。どうか、協会としても出場できる道を探って欲しいです。

私は三つの観点から、これを機に、十代の子供たちが問題を起こした時に、叱りながら、愛を持って支える社会を作っていくべきだと思っています。

ルールの運用は機械的でない方が

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正義に染まった集団はなぜ自分たちの姿が見えないのか

正義に染まった集団はなぜ自分たちの姿が見えないのか

長文ファンの皆様おはようございます。

なぜ正義の集団は自分たちの姿が見えにくのでしょうか。

「自分を知る」のが大事と言いますが、実際には二つの方向があります。 「私が何をしたいか知っている」
「私がどう見られているか知っている」
です。

両者は相関するどころか、関係なく動きます。むしろ逆相関すらありえる。自分が何をしたいか知っていて、どう見られているか知らない人は、うまくいけば無邪気

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