[最近読んだ本の話#1] -施設に入ってもらうか悩んだとき-
2023/4/24
認知症の祖母の面倒が見切れなくなってきて、施設に入ってもらうか悩んでいた時この本を読んでみて泣いた。
わたしが認知症になったら
-介護士の父が記していた20の手紙-
著者 原川大介
監修 加知輝彦
この本は「長年介護をしていた父が認知症になった時、娘に渡すために準備してきた手紙」という形式で書かれている。
読んでいると認知症で意思の疎通が難しくなってきた親が、自分に語りかけてくれているような感覚になり、「自分の親が同じように思っているかはわからない…けど、そう思っているのかもしれないな。」と思わせてくれる瞬間がある。
私は認知症の祖母の介護を家族だけで抱えるのは限界の状況になっていて、施設に入ってもらうかひたすら悩んでいた時にたまたまこの本に出会った。
どんどん自分の本能に素直になっていく祖母に疲れてしまっていたが、この本を読んで「自分を大切にしてね。どんどん使える制度を使って良い。」と書いてあって、昔のように可愛がってくれる祖母の姿を思い出した気がした。
認知症になると、本人が自分で判断できないことが増えていく。なので、本人の意思を確認できないまま、時には本人が嫌がることでも家族が決断しないといけない場面が出てくる。
それを先回りした形で、「こうなったらこうして良い。こうしてほしい。」と書き残してもらえるととても気が楽でありがたいんだとこの本を読んで知った。
家族が認知症と判断されて間もない人が今後どんなことが起こるのかを知るために、
意思の疎通が難しい場面が増えてきた認知症の家族と過ごす人が久しぶりに昔の家族の声を聞きたいときにとてもおすすめな本です。
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