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やっぱりあなたはわたし物語

2024年1月末、海遊商事 チームミーティング風景

月2回開催です

登場人物(左から)
●あーちゃん(主人公)・・・ベテラン社員。
            プレイヤーとしての仕事はそつなくこなす。
            完璧主義な部分もある
●らーちゃん・・・・・・・・・・・・・あーちゃんの後輩。妹分
●カワさん・・・・・・・・・・・・・・・静かに人の何倍も仕事をこなす頭脳明晰な
            エース。ただしAIと見まごうほどエモさが
            ない。機嫌がいいのか悪いのかわからない。
            人に気をつかわない
●ゴォさん・・・・・・・・・・・・・・・チームの最年長おじさん。人は良いが、
            地雷を踏む天才。女子社員から、
            ややうっとおしがられている


月末のチームミーテングは、何の変哲もないミーティング、
のはずだった。

とある案件のとき、ベテラン社員のあーちゃんが、
あまり考えずに意見を述べたとき、
斜め向かいのカワさんが、

「それは違いますよ」

と、あーちゃんの意見を否定した。

あーちゃんは、メンバーの前で否定されたことに少なからずむっとして、次の言葉を発するのをやめた。

その後、カワさんは、

「いや、あーちゃんの意見を否定したわけではないんですけど」

と言ったが、あーちゃんは心の中で、

「”それは違いますよ”ちゅー言葉は否定ちゃうんかい!」

と、関西弁で毒づいたが、にっこり笑った。

でも何か、このもやっと気持ち、言葉に表すなら、
やや大げさだが、

”ないがしろにされた”

が、ぴったりだと思った。


実はこれまで、
あーちゃんはカワさんをリスペクトしていた。

自分から率先して仕事をするところ、
頭脳明晰なところ、
理路整然、論理的であるところ、

イエスマンではないので、上層部から煙たがれているところなど。


考えることがいっぱいありすぎるから、
日ごろ雑談もしないし、
いきなり話しかけても会話が成立しないところとか、
それはしょうがない。

あーちゃんができることはフォローしようと思っていた。

それはこのミーテングまでで、
カワさんに、リスペクトする想いがすっと消えていた。


2月も下旬になった頃、
あーちゃんは、たまには言葉をかわすか、
と思いカワさんに届いていた荷物を手渡しした。

少し奇妙な荷物だったので、

「これ何ですか?」

と、聞いたら、

「はい」

と、返事にならない言葉を適当に発し、
その後しばらくして隣の派遣の女性と和やかに話をはじめた。

え?会話のキャッチボールできるんや、、、

あーちゃんもベテランなので、
派遣の若い女子に喋れてわたしに喋れんのか!という怒りは持たない。

心の中では、カワさんは社員には気を遣わないけれど、
派遣さんやパートさんには気を遣っている、というのはわかる。

でも、1月末に感じた

「ないがしろにされた」
「にべもない」

という同じ想いが胸を渦巻き、

あーちゃんは、いよいよおかしいと疑問を感じ、
カワさんに怒りを向けるのではなく、

自分自身に向き合うため、紙とペンを持って、丁寧にワークをはじめた。

最初の問題点や、カワさんの何が嫌?など、
そこは見返すと吹き出さずにはいられない言葉の羅列がある。

「コミュニケーションとれ」
「機嫌が悪いときに話しかけるとにべもない反応」

などなど。

じっくり何が嫌だったか、問題だったか抽出して、主語の置き換えをしていったとき、はっとする。

あーちゃんこそ、ないがしろにし、にべもない態度をとり、
あーちゃんのリトルをがっかりさせていたことがある。

わたしこそ?


あーちゃんは必死で考える。
わたしがそんなひどいことするっていうの?

そして、
しばらくたってから、あーちゃんは「はっ!」と気づく。


女子社員に人気のないゴォさんのことだ。
あーちゃんは考える。

ゴォさんは、あーちゃんがフレックスや、有休の連絡をメールでメンバーに送ると、その翌日必ず、

「あーちゃん、4時で帰るのは今日やったかなぁ?」

と聞いてくる。

あーちゃんは、”メール見ろや”と思うけれど、
最初「そうですよぉ」と返事していた。

その日はゴォさんが席の前に来たときから、
またはじまるのか、とイラっとし、

案の定ゴォさんは、

「あーちゃん、今日やったか?」

と聞くので、絶対裏切らないゴォさんを、
冷たくあしらってしまったのだった。

「何が今日や?ですか?」と冷たくあしらう
あーちゃん、、、
イラっ!

あのときのことを回想すると、
ゴォさんからすれば、

「ないがしろにされた」
「にべもない」

と思ったはず。

あーちゃんがカワさんにされて若干傷ついた気持ちを、
ゴォさんも少なからず感じていたはずだ。

そして、あーちゃんは思う。

カワさんはわたしで、
ゴォさんもわたし。


カワさんのイヤな姿は、あーちゃん自身だったのだ。

気づきを得ると、
あーちゃんはカワさんのことなどどうでもよくなった。


むしろ、ゴォさんに失礼な態度をとったと、
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、反省するのだった。


不器用ながら、

一生懸命コミュニケーションをとろうとしてくれているゴォさんの存在を、あーちゃんは大切にしようと、芽生えた気持ちを大切に抱きしめるのだった。


同じような気づきを、
定期的にするのに、すぐ忘れてしまう・・・(😿)

先週末(淡路)、帰りのバスの中が幸せだったな、と思いながら描いた絵。
なんでもないことなのに、どうしてあんなに幸せ感じたのでしょう。

長い、「あーちゃんの社内事情」、

最後までお読みいただきありがとうございました☺
来週も、皆様にとって、小さな幸せいっぱいの一週間でありますように☺


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