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短編小説【2,000〜3,000字】

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【短編小説】一生に一度だけの魔法

「こいつ一生に一度しか魔法が使えないんだってさ」
 冬。
 リーゼロッテ魔法女学園に通う最低階級――〈ブロンズ〉のニアは、本来相手にすらされないであろう特待生――〈サファイア〉のフォルティーニャ・ローゼンバーグと、その取り巻きに日常的に絡まれている。
 一口に言うと虐められていた。
 理由はごくありふれたもので、「魔法が使えないから」という落ちこぼれの烙印によるものだ。
 ニアは赤みがかったくせっ

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【短編小説】隣のAくんが鉢植えに埋まったらしい

 隣のAくんが鉢植えに埋まったらしい。
 ニートの僕はお隣さんの顔を見たことがないが、気の強い妹が部屋の前でそう告げたので知ることが出来た。
「お兄ちゃんいつまで学校に行かないつもり。いい加減キモいんですけど」
 学校に行く前に必ず部屋の前まで来て罵倒してくるので、だらしない兄は嫌でも規則正しい朝を迎えてしまう。
 妹は春風で舞った花粉にくしゃみをひとつ。
「もういかなくちゃ。兄ちゃんもご飯くらい

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【短編小説】人を刺す仕事の人と人に刺される仕事の人

 人を刺す仕事の人と人に刺される仕事の人は、毎週金曜日の朝九時にお互いの仕事を始めます。

「刺し役さんこんにちは」

 笑顔で挨拶すると、刺し役は「こんにちは、刺され役さん」と刃渡り十五センチの出刃包丁で相手のお腹へ刺突します。

「痛いですよ」

 情けない声を上げて地べたを転がるスーツ姿の男は、新品の白シャツを血で斑に染めながら目に涙を浮かべます。
 それを見た刺し役の高校生は、学ランを脱い

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