『むなしさの心理学』

皆さんは、諸富祥彦氏の著書である『むなしさの心理学』を読んだことはありますでしょうか。私が、むなしさの心理学を読んで印象に残ったところを紹介します。

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それなりに楽しいし、充実もしている。

けれど、やはりそれなりにつまらない。

そんな人生が、ただどこまでもくり返されていく。(中略)

あなたがサラリーマンやOLであれば、仕事が終わり、疲れた体を通勤電車に揺られながら、ふとため息をつくその時。あなたが主婦であれば、家事や育児に追われた後で、束の間の休息をとっているその時。

そんな時、忙しく充実した毎日を送っているはずのあなたの心に、なぜか時折ぽっかりと空白が訪れる。そして次のようなつぶやきがもらされる。

「私の(僕の)人生ってこんなものなのかな」

「このままずっと続いていって、それで終わってしまうのだろうか」

「こんな毎日のくり返しに、いったいどんな意味があるというんだろう」

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私が印象に残っているのは、次の話だ。彼は日本でも有数の一流大学の出身なのだが、三十代前半の同級生が集まると、ひとが羨むほどの大企業に勤めている彼らが全員、口を揃えて「できれば会社をやめたい」と言うというのだ。(中略)

私は、最近マイホームを買ったという友人の言葉を思い出した。「でもね、契約書にサインをした時、途端にむなしくなったんだ。ローンの返済にあと三十年はかかる。その間今の会社に通い続けて、たいしてやりがいがあるわけでもない今の仕事を続けなくてはならない。そうすると、俺の残りの人生、ローンの返済のための人生かって思ったよ」。(中略)

多くの会社員が、ますます自分の仕事に意味や希望を見出せなくなっている。

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皆さんは、読んでどう感じましたでしょうか?

それなりに楽しい、充実はしていると思うものの何か虚しい心が湧いてくる。このような経験はありませんでしょうか?。この正体は何か。

この正体を仏教では、無明の闇、死後が暗い心の病と言われています。死んだらどうなるか分からない。だから今が暗くなる。

死は、唯一、万人共通の確実な未来です。その確実な未来が暗いと今を明るくは出来ない。この死後が暗い心の病を明るくすることが人生の目的と仏教では言われています。

実際に、米国のチクセントミハイは、「生きる目的」がわからないから、どれだけ利便と娯楽に囲まれても、心からの充実は得られないのだと説明しています。
人生の目的を知ること、そして知った上で日々の生活を送ることが如何に重要か考えさせられます。

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