見出し画像

フルリモートワーカーを採用するときに確認する事三選

私の会社ではほとんどの人がフルリモートワークで仕事をしており、
私自身も上場企業にて、沖縄からデータアナリスト、テックリードエンジニア、ビジネスデザイナーを兼任して仕事を行なっています。
月に一度くらい東京の本社か、顧客先に出張する感じです。

また、私はデータアナリストの採用担当者でもあります。
今回はフルリモートワーカーを採用するときに私が確認する事を3点紹介したいと思います。

データアナリストに限らず、フルリモートワーカーを目指している方の参考になれば嬉しいです。

注意 : ここに記載している内容は、私個人の考えであり、会社を代表するものではありません。


1. 自立しているか

最も重要視しているのは自立しているかです。
残りの二つよりも伸ばすのが難しい能力なので、特に慎重に見極めます。

基本的にPMなどの管理監督者もリモートワークなので、つねにメンバーを監視し問題を拾い上げるような事はあまりしません(できません)。
そのため、それぞれのメンバーが自立して作業をしていただく事が重要になります。

私は自立している人材を以下のように定義しています。

  • 自分の所属しているプロジェクト、部署、会社の目的を理解できる

  • 目的から逆算して、自分のやるべき事を定義できる

  • 自分の能力を理解し、必要に応じて自らサポートを求める事ができる

ここで注意したいのは、「一人前のスキルを備えていて、一人でも管理者なしで仕事ができる人」を必ずしも求めていないと言う点です。

目的を理解し、自分の実力を把握し、適切に上司にサポートを求める事が出来れば、スキルの無い新卒の方でも、十分フルリモートでやっていけると思います。(上司を適切に使って仕事をしましょう)

これが出来ない方は、フルリモートワークだと以下の様な問題が発生するので、残念ですが採用は見送ります。

  • 目的を理解していないので、やるべき事が分からない(具体的な指示が無いと動けない)

  • 自分の能力を超えた問題を抱え込み、被害を拡大させる

  • リモートから細かく管理しないといけないので、管理者の工数が増大する

2. コミュニケーション能力

次に重要視しているのはコミュニケーション能力です。

フルリモートワークの場合、対面よりもコミュニケーションの回数が減ってしまうため、一回のコミュニケーションで伝える情報を厳選し、量を多くしなければなりません。

具体的には以下のような能力です。

  • 相手の伝えたい事を読み取る能力

  • 自分の伝えたい事を表現する能力

  • 知らなければならないこと、伝えなければならない事を理解する能力

一つずつ、詳しく説明していきます。

相手の伝えたい事を読み取る能力

例えば、PMに「報告してください」と指示された場合を考えてみます。

この時、PMが伝えたい事は以下のように状況によって異なります。

  • 順調な場合 : (いつも通りに)報告してください

  • 問題が発生している場合 : (問題に関して)報告してください

  • PMが久しぶりにプロジェクトに復帰した場合 : (プロジェクトの状況を)報告してください

このように、状況や相手の立場を踏まえて相手の言いたいことを読み取れると、少ないコミュニケーションでも仕事を円滑に進められるようになります。

逆にこの能力が低いと、何度もやりとりをしないと情報が相手に伝わらないため、コミュニケーションコストが増大します。

自分の伝えたい事を表現する能力

この能力は、会話に関してだけではありません

テキストチャット、各種ドキュメント、タスク管理ツールやソースコードなども大事なコミュニケーションツールです。

状況や目的に合わせて適切なツールを選択し、自分の伝えたい事を明確に表現することで、最低限の労力でコミュニケーションが可能になります。

たまに、やたらビデオ会議の予定を入れてくる人がいますが、「ビデオ会議=複数人の時間を同時に奪っている」ことになるので、チャットやドキュメントなどの非同期のコミュニケーションツールを適切に使い分ける事が求められます。

要は、少ない労力で、多くの情報を、多くの人に届ける事が良いコミュニケーションです。
方法は社内ルールに違反さえしなければなんでも良いので、常にこれらの事を意識するようにしましょう。

やりとりする情報を厳選する能力

先述したように、リモートワークでは対面と比べ、コミュニケーションの回数が減ってしまいます。

少ないコミュニケーションで仕事を円滑に進めるためには、情報を厳選してやりとりしなければなりません

例えば、プロジェクトの状況をPMに報告する場合、休憩の回数やソースコードの内容には触れません。
スケジュール通りに進行しているか、していないなら原因はなんなのか、いつまでに完了するのかに絞って報告します。

同じように、ドキュメントを使ってコミュニケーションをとる時でも、目的に応じて必要最低限の内容だけをドキュメント化しないと、ドキュメントのメンテだけで多くの時間が奪われてしまいます。

また会議では、目的を明確に共有し、話す内容を適切に絞らないと、時間内に終わりません。

このように、必要な情報を厳選してコミュニケーションを取らないと、コミュニケーションだけに時間を取られてしまい、本来やるはずだった仕事が出来なくなってしまいます。

3. 職務スキル

意外かもしれませんが、三つの中で最も優先度が低いのはこの項目だと私は考えています。

どんなにすごい職務スキルや経験を持っていても、先述した二つの能力が低いのであればリモートワークで働いていただくことは難しいです。

逆に言えば、職務スキルや経験が乏しくても、先述した二つの能力が高ければ育成枠で採用する事があります。(その時の状況にもよります)

理由は大きく分けて三つです。

  • 職務スキル・経験は仕事をこなすことで上がっていく

  • 先述した二つの能力が低いと、そもそも仕事をこなすことができない

  • 職務スキルに比べて先述した二つの能力は育てることが難しい

そのため、リモートワークを目指す方は、職務スキルよりも先述した二つの能力を意識して上げていく事が大事だと思います。

これらを確かめるために面接で聞くこと

面接では以下の様な質問を行い、これまでのプロジェクトのエピソードから、自立できているか適切なコミュニケーション(説明)ができるか職務スキルが十分かを確認します。

  • 今までのプロジェクトではどの様な立場だったのか?

  • どんな目的をどの様に達成したのか?

  • 仕事におけるインプットとアウトプット

面接中は、採用担当者がどんな事を聞きたいのか意識しながら、適切な応答ができるように心がけてください。

最後に

フルリモートワークは人によっては最高の労働環境です。

ただ、企業によっては2023年以降、オフィスでの作業を求められる事が多くなってきています。

その理由はここで紹介したような能力を十分に備えた人材の少なさにあると思います。

逆に言えば、この能力を持っていればリモートワーク出来る企業に就職できる確率は格段にアップすると思うので、リモートワーカーを目指す人はぜひ身につけてください。


この記事が参加している募集

リモートワークの日常

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?