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チェロの練習曲: ドッツァウアー 113の練習曲について①

 ドッツァウアーの「113の練習曲」はチェロを学習する多くの人に使われてきました。(スズキ教本のような馴染みのある旋律や曲とは違い、何が面白いのかよく分からないと感じつつダラダラ譜読みをしていた記憶があります…。)この曲集、実はドッツァウアー自身が作ったものではありません。ドッツァウアーが作曲した種々の練習曲を弟子のクリンゲンベルクが収集し、並べたものです。(他人が作成したなら113という微妙な数字にも納得…。)

 この曲集の中のいくつかの曲はシュレーダー「170の練習曲集」(1916年出版)にも収められています。シュレーダーの曲集には他にもデュポール、クンマー、グリュッツマッハー、ピアッティ、セルヴェなどの曲があり、こちらの教本を主に使っているチェリストも多いのではないかと思います。(今の時代にこんな曲集が出版されたら、著作権や印税で大揉めしそうですね。)

以下113の練習曲についての情報です。

ポジションについて
第1巻(1〜34)
・1番 全て第1ポジションで書かれています。
・7番   第4ポジションが登場。 第1ポジションの次に第4ポジションを学習するという順序は彼の「チェロ教本」でも同じ構成です。
・10番    第3ポジションが登場。
・14番 第2ポジションが登場。
・29番 第5ポジションが登場。

第2巻(35〜62)
・51番 第6ポジションが登場。この第2巻では新しいポジションは第6ポジションのみ、今まで登場したネックポジションを反復練習します。

第3巻(63〜77)
・65番 第7ポジション
・74番 親指のポジション(基本のポジション)
・75番 親指ポジションの拡張形、4の指の使用
・77番 基本のポジションではない位置の親指ポジション

第4巻(78〜113)
・87番 五度を親指と4の指で演奏する表記
・95番 親指ポジションのオクターブ
・110番 親指ポジションのオクターブ、10度が登場

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