ダサいを治む
僕の唯一の趣味らしい趣味といえば、
インテリア
である。
だから、インテリアに関してだけは、すごく妙なこだわりがあって、我ながらとてもめんどくさいヤツだと思う(えっ、だけじゃないTeijin、だって?)
例えば、小さい子供がいたら、普通はリビングには、アンパンマンやらメロンパンナちゃんやら釜飯どんやらかつぶしまんやらギョクロくんでてんやわんやになるんだろうけれど、僕は子供部屋との間に結界を張って、それらの侵入を決して許さなかった。
我ながら、自分勝手でひどい親だなあ、と思いながらも、どうしても
自分にとってダサいと思われるものたち
を受け入れいれることが出来なかったのだ。
それがたとえ自分が愛する家族の好きなものだったとしても。
だから、暗黙の了解というか家族も、少なくともリビングでは僕の好き勝手にやらせてくれた。
しかし、昨晩、息子が、明らかにそんなお父さんを困らせるために、テレビ台のいちばん目立つところに、自分のにゃんこ大戦争ガチャコレクションをずらっと並べ始めた。
「破壊力、ぱねえなあ!」
と僕が言うたびに、彼がゲラゲラ笑う。
「まあ、夜、君が寝ている間に全部かたすけどね」
って言ったら、「やめて〜」と叫んで、挙句に
「それを阻止するために今夜徹夜する」
とまで言い出す始末。
まあ、どうせ口だけだろうと、
「おやすみ〜」
とだけ言って、いつものように僕が先に寝室に行って就寝した。
そして、深夜25時、尿意をもよおして目が覚めた僕がトイレに行くためにリビングを横切ると、リビングのソファの上に横になってスヤスヤと寝息を立てている息子の姿が目に入った。
「こ、こいつ、マジやったんか…」
そして、なぜだか分からないけど、その姿を見た瞬間、
「もうダサくてもなんでもいいや」
ってはじめてそう思えたんだよなあ。
とりあえずにゃんこ大戦争のフィギュアは彼が納得するまで当面、そのまま飾らせておこう。
なんて言いながら、頭の中では、どうやったらダサいものたちを中和できるか、そのアイデアを今も必死に考えている最中なんだけどね(笑)
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