決して手遅れなんかじゃないのさ
あの変なメガネでおなじみの成田先生は、今の日本の現状に対して、割と絶望的な警鐘を鳴らし続けているけど、その彼の仮説の一つに、
日本人の給料が低いのは労働生産性が低いせい、つまり自業自得だ
というものがある。
学者である彼は、単位時間あたりの労働生産性と賃金が共に日本人はアメリカ人の3分の2だと、実際のデータを提示しながら話していたけど、実際、日本の某大企業で労働者として働いている僕の感覚は、もう少しシビアかもしれない。
というのも、何かしらの新しい付加価値を産み出すことを生産性と彼は言っていたけど、その定義に基づくと、僕の周りの労働者諸君の大半は生産性がゼロ、もしくはマイナスだからである。
例えば、上司に対して、
「あの人、給料泥棒だよね~」
と言っている人を見かけるたびに、僕はいつも心の中で
「オマエモナー」
とつぶやいている。
そんな当事者にとっては悲劇でしかないけど俯瞰で見たら喜劇なチャップリン的状況が、うちに限らず、おそらく日本の組織の至るところで起きているからこその、この今のひどい停滞ぶりなのだとつくづく思う。
で、そーゆーお前はどうなんだ、と思っている人もいるだろうから、不遜だと思われるのを承知で言い切っちゃいますが、
実はこう見えて、僕は割と仕事ができる人間、すなわち労働生産性はむちゃくちゃ高いッス!
でも、給料は安い(笑)
しかし、そーゆータイプの人間であることを、むしろ誇りにすら思っている。少なくとも給料泥棒とか言われる人よりかははるかにマシかな、と。
そんな僕が最近始めた趣味は、周りにいる労働生産性の低い人たちの生産性を高めるという
おせっかい(笑)
である。
でも、これがたまらなく面白いんだな(笑)。
例えば、あと3年で定年になるおばさまに、ある彼女の仕事を手取り足取り二人三脚で行った結果、
「今までずっと上から言われたことをただやっていただけで、いかに自分が何も考えずに仕事をしていたかが分かった」
「そして、自分の頭を使って仕事をするのがこんなにも楽しいことに気づけてよかった」
なんてことを、それまでまるで死んだ魚のような目をしていた彼女が本当に目をキラキラ輝かせながら言ってくれる姿を見たら、そりゃあ面白いし、ワクワクだってするよね。
だから、正直、彼女に限らず、というか偉い人たちも含めて、
今までいったいどこで何してきたの?
というレベルの
例えば、いい年して、ワードもエクセルもパワポも初心者レベルのスキルしかないような人たちが本当にびっくりするくらいいるのだけど、で、彼らは異口同音に「今まで誰も教えてくれなかった」って言うけど(苦笑)、今の僕は、呆れるより先に、
本当におせっかいしがいがある人ばっかやなあ
とほくそ笑んでいる。
そして、こんなのあたり前田のクラッカーな話だけど、労働生産性を高めるもっとも効果的な方法は、
仕事を楽しむ人を増やすこと
に他ならない。
そして、仕事を楽しむためには、
もう他人のせいにしたりダサい言い訳などせずに、そして、会社の評価なんかも気にせずに、とにかくお客様に喜んでもらえるために自分に出来ることは何なのかを自分の頭でちゃんと考えて、それを実践する以外ないのである。
ちなみに、先ほどのおばさまは、
「もっと早く気づきたかったなあ」
なんて嘆いてたけど、決して手遅れなんかじゃないし、というか、気づいた以上はこれから定年までバリバリ働いてもらいますからね!と僕は伝えている(笑)
さて、今日は、どの人におせっかいを焼きに行こうかな(笑)
というわけで、かつて会社のある偉い人から、
「おまえは暴走するF1レーサーだ」
と揶揄されたことがある僕だけど、ずっとギリギリまで踏み込んでいたアクセルを緩めたからこそ、初めて見えたみんなの顔。
「そうか、僕は決してひとりぼっちじゃなかったんだな」
今はその事実に気づけたことがたまらなく嬉しいし、だからこそ、正直、みんなのノロノロ運転にイラつくことも多いけど(笑)、ひと肌どころか百肌くらいは脱ぎたい気持ちにはなっている。
で、そんな僕には日本の未来を憂いたり総理大臣の悪口を叩いている暇なんてもちろんどこにもないのである。
じゃあ、みんなもそれぞれの持ち場で頑張ってね!
この世界を明るくするのは、他の誰かじゃない。それこそが、この僕たちのかけがえのない
「仕事」
なんだからさ。
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