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【移籍】23シーズンで最も優秀なトレードを決めようじゃないか。

ご無沙汰しております。
どうも、ふじです。

各球団が優勝を目指すうえで様々な補強を敢行するわけですが、その中の1つの手段としてトレードが存在します。
トレードというものの特性上、2球団が目的意識を持ち成立させるわけですが目論見通りの結果にならないこともしばしば、、、

そんなわけで、今回は23シーズンに向けて敢行したトレード(22年オフから23年のTDLまで)を対象に勝手にランク付けしていこうと思います。


1.成立したトレードの全貌

22年オフから今季のTDLまでに成立したトレード総数は13件
21年オフから昨季のTDLまでに成立した件数が僅か3件であったことを考慮すれば、NPB内での移籍が活性化していると見ていいでしょう。

また、最もトレードの施工回数が多かったのは中日日ハム5回でした。
特徴として、この2球団はどちらも再建期に突入しています。
そのため、選手の入れ替えを活発に行っていると言ったところでしょうか。

そのほか、内野手の移籍が多いことは少し意外でもありました。
それだけ二遊間系統の需要が高いということでしょう。

2.今季最高のトレード5選

第5位:山本 拓実(24歳)中日⇒日ハム 2023/6/21公示

https://livedoor.blogimg.jp/fighters_kingdom/imgs/a/b/ab6b8057.jpgより

第5位は、中日日本ハム間で成立した4選手が絡むトレードにより移籍した山本拓実投手

山本は、身長167cmと決して恵まれた体格を持つわけではありませんが、最速150kmのフォーシームスライダーカッターシンカーカーブなどを操る器用さを持つ右腕。

中日時代の2022年には、30登板,防御率3.60とまずまずの成績を残しましたが、今季に入り急降下。
今季は、春先からビハインド大差のついたゲームを担当することが多かったものの、4月15日の巨人戦で大量失点をしてしまったようにブルペン内での信頼を勝ち取るにまでは至らずトレードとなりました。

正直に言ってしまえば、このような便利屋タイプの投手はなかなかチーム内でも評価されづらい側面が多く、替えが効きやすいというのもトレードの要因だと考えられます。

しかし、移籍後にはチームに欠かせない存在となります。
日本ハムでは自己最多に迫る26登板を果たし、防御率は自己ベストとなる1.50を記録。
対左打者に対しては被打率.348とまだまだ不安要素があるものの、コマンドを改善させたりと成長も見えているため期待もできます。

豊富な球種を活かしたロングリリーフや、150km近い速球を活かしたセットアッパーなど様々なことができるため、今後どのような起用法をされるかが明暗をわけそうです。

第4位:宇佐見 真吾(30歳)日ハム⇒中日 2023/6/21公示

https://www.nikkansports.com/baseball/news/img/202306240000733-w1300_0.jpgより
※移籍後成績

第4位は、またもや中日日本ハム間で成立したトレードから宇佐見真吾捕手

宇佐見は、もともと2015年ドラフト4位巨人に入団しているためトレード自体は2度目。
城西国際大学時代から打撃力を売りにしており、大学日本代表にも選出された経験も持ち合わせていましたが、プロ入り1年目は2軍でもやや苦戦気味。
持ち前の長打力は2軍ですら影を潜めるどころか、打撃成績は全く振るわずに1軍出場もなしという苦しいスタートでした。

そんな再起をかけた2年目は、初の1軍出場どころか少ない打席数で複数本塁打を放つなどのアピールに成功したものの、以降はジャイアンツ内での捕手争いも激しく2019年途中に日本ハムへトレード移籍をすることとなります。

ただ、移籍先の日本ハムでもなかなか打力を発揮することができず、2022年以外はすべて打率が1割台をさまよう有様。
絶対的な守備力を有していない点や若手捕手が多い事などを考慮して、2023年に再度トレード移籍となりました。

しかし、移籍先の中日ではまるで別人であるかのように覚醒。
過去に多くの出場機会を得た年と比較してもキャリアハイの成績を残しており、木下の離脱時には相当な貢献度を見せました。
また、キャリア初の一塁守備に就くなど柔軟な起用も見せており、来期以降も捕手サブ一塁手としての期待がかかります。

これだけのスタッツの捕手を獲得し、来季以降も保有できることは、セ・リーグチームを運営する上では相当な利益だと言えるでしょう。

第3位:齋藤 綱記(27歳)日ハム⇒中日 2023/6/21公示

https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/AA1dsUFo.img?w=634&h=640&m=4&q=79より
※移籍後成績

第3位は、またまた中日日本ハム間で成立したトレードから齋藤綱記投手。(というか、このトレード優秀すぎんか?)

齋藤は、2022年オフにオリックスから石川亮とのトレードで日ハムへ移籍すると、僅か4登板,在籍221日で今度は中日へと移籍。
これが影響してか、様々な珍記録を打ち立てたことでも一躍有名?になりました。

そんな齋藤は、140km近辺のフォーシームスライダーシュートの横の揺さぶりで勝負するサイドスロー左腕
オリックス時代の2020年には、自己最多の32登板,防御率4.01を記録するものの登板数は減少していき、再起をかけて日本ハムへトレード移籍。

ただ、移籍先の日本ハムには絶対的なリリーフ左腕である宮西のほか、2023シーズンにようやくブレイクを果たした河野福田の左腕エースもおり、なかなか起用には至りません。

それでも5月に4登板を果たしますが、5月21日に1.1イニングで3失点を喫してから1軍に呼ばれることはなく、その後に再起をかけて中日へ移籍となります。

移籍先の中日では、得意の横の揺さぶりを使った投球術がはまり自己最多の登板数に迫る31登板を記録。
チーム加入は6月下旬だったにも関わらず、チーム内のリリーフ左腕で最多登板を記録し、一気に信頼を勝ち取ることが出来ました。

上位に進出する球団のうち、ほとんどが優秀なリリーフ左腕を保有していることを考えれば、これ以上ないトレードと言えるでしょう。
球団にとっても、本人にとっても、来季以降を見据えた素晴らしいトレードとなりました。

第2位:石川 慎吾(30歳)巨人⇒ロッテ2023/7/4公示

https://www.nikkansports.com/baseball/news/img/202307090000558-w1300_0.jpgより
※移籍後成績

続いて、第2位巨人から石川慎吾外野手を獲得したトレード。
ロッテサイドとしては、これがなければ2位もなかったと言えるため個人的に思い入れの強いトレードです。

今季のロッテは、春先から投手陣によってゲームを制圧する戦い方で貯金を増やしていましたが、それとは対照的に打線はなかなか安定感を見せることが出来ず6月のチーム打率は.217という有様。
また、外野手をメインに怪我人も多く出してしまったり、レギュラー組が不振に陥っていたりと野手陣は窮地に。
投手が0行進を続けても、こちらも0で返してしまうことが多々あり惜敗も多く見られました。

そこで白羽の矢が立ったのが石川慎吾
石川「2軍の帝王」とも称されていただけあって、2軍ではまったく敵なしという無双状態であったものの1軍定着には至らず。
守備や走塁でのプラスがほとんどなく、スタメン起用というのも少々リスクのある選手タイプであるだけに、2023年1度もGユニホームで東京ドームの1軍公式戦の舞台に立つことはありませんでした

しかし、移籍後の初お披露目は縁の深い東京ドームでの打席から
ロッテのユニホーム東京ドームの右打席に立ち安打を放ったことを皮切りに、率も3割を切ることなく最終戦まで完走。
その打棒はCSでも衰えることなく、間違いなく今季の救世主と言える存在でしょう。

移籍直後は左キラーとしての起用がほとんどでしたが、終盤は右左問わずスタメン起用されたり、3番に固定されたりとチームからの信頼を勝ち取るまでに至りました。

今季は何とか2位に踏みとどまったという印象が強いロッテですが、そんな土俵際の粘りを見せたのには彼の活躍があったからでしょう。

第1位:西村 天裕(30歳)日ハム ⇒ ロッテ 2023/3/7公示

https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/img/202306150000043-w1300_1.jpgより
※移籍後成績

第1位は、開幕前に突然決まったトレードから西村天祐投手

西村は、最速150km/hのフォーシーム縦に割れるスライダースプリットを操る右腕。
移籍前は、投げているボール奪三振率はいいもののどうしてもコマンドに不安が多く、中継ぎエースという起用にまでは至りませんでした。

しかし、移籍後はロッテブルペンのエースにまで成長し、自己最多の登板数も記録。
中でも、投手の総合指標を示すWHIPは1.02を記録しており、国内リーグに属する投手でも有数の成績を残すほど。

覚醒の要因は、下記記事にもある通り移籍をきっかけにマインドが変化した模様。
ロッテでこの手の投手が活躍することが多いことには、吉井監督をはじめとしたチーム内での意識改革が実っているからとも言えそうです。

チームとしても、開幕前にローテーションとして想定していた石川二木の両右腕の離脱が決定的となり、リリーフ陣への負担増が懸念されたていただけにこの獲得は大きかったと思います。

また交換要員として放出した福田光輝は、在籍した3シーズンでの出場機会もほぼなかったため、交換要員を考慮しても今季成立したトレードの中で群を抜いて良いものであったと言えそうです。

3. あとがき

というわけでいかがでしたか?

トレードにおける、いわゆる「勝者」がほとんどロッテ・中日・日本ハムだった点は気がかりですが、これだけの選手が人生を変えたと考えればトレードは積極的に行なうべきでしょう。
私個人としては、決してネガティブなものではないと考えます。

MLBと違い、FAを含めた移籍制度が活発ではないNPBですが、これだけの成功例を考えれば「トレード」が「トレンド」になるのも遠くはないでしょうか?

今季は一体どのような移籍が行われるのでしょうか?
今からワクワクが止まりません。

といったわけで今回はこのへんで、
お相手は【ふじ】でした。

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