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ただの非モテの生態開示(大学生編Ⅳ④)

今回は四年生の秋以降について記す。
大学生活で組織内での事務的な接点を除いて異性と一切関わらなかった集大成をご覧あれ。反転世界の住人からしたら、バカにする・心配するを通り越して「すごい」と感じるはず。この機会に非モテの生態を理解するよう努めてみよう。
そして、こうなりそうだと思っている学生がいればこれを読んでからそのままでいいのかもう一度考え直して欲しい。

9月 
後輩や残った同期のリーグ戦の応援に行った。それ以外の時間の殆どは単発のバイトやポケモンに費やした。合間を縫って内定先から届いた教材で学習した。
また、俺は趣味としてとあるマイナーな物を集めていた。それらを扱っている複数の店にこの時点で通算150回ほど行っていたが、店員以外で女を見た事が無い。この物は決して下品であったりモラルに反している訳ではない。‘‘女が関心を持たないだけの物‘‘である。俺の今までの野球仲間の内の誰かが、もしもこの記事を読んでいた場合確実に特定されてしまうのでいう事は出来ない。

10月
晴れた日が4日くらいしかなかった。せっかくなので学内の図書館でひたすら本を読んでいた。太平洋戦争に関する本をメインに、時々昭和の少年犯罪に関するものを読んでいた。
印象的な話は、昭和初期に大学生グループが女子中学生を集め酒を飲ませて大乱交したというものである。ただ、凄いと思った。羨ましい、ずるいを超越して、ただすごいとしか言葉が出なかった。

11月
内定者懇親会で各営業所の先輩社員と対面した。俺が配属予定の所の先輩から驚愕の一言が飛び出た。とても楽しそうに。
「飲み会でいつも上司にナンパさせられるよ~W」
それはあなたとその上司が趣味として楽しんで取り組んでるんだよね?まさかガチで強要されるんじゃないよね?だとしたら今から急いで人格を矯正か分裂させて適合しないと、大変厄介な事になりそうだと感じた。この月はそれについてひたすら考えていた。

12月
小中の頃の野球仲間と旅行に行くなどした。女が話題になる事はガチで無かった。

1月
単位は3年生のうちに取得し終えていたが、関心があったいくつかの科目を受講していたのでまだ大学に行く機会はあった。そして、いまだに女との接点は無かった。何も話す事が思いつかなかった。どんなに考えても、納得いくような面白い話が思いつかなかった。そのため、話しかける事は無かった。
ここに非モテの真髄があると考えている。全て想定通りに話が進まないといけない。そうでなければ会話に価値が無く認められない。だからそれが思いつくまで考え続け結局何も思いつかず話しかけないため何も起こらない。
訳すると「中身のない会話をする才能が絶望的に無い」

ただ、1年生の最初の頃から、知らない女にノートや資料を見せてもらうのは何の抵抗も無かった。間違いなく確かに覚えている。これは授業ノートを回収できずに部の先輩に詰められる事と比べたら遥かに精神的負担が軽かったからだろう。

俺「いきなりすいません。部活の試合で授業行けなかったのでノートみせてくれませんか?」
女「いいですよー。(真顔)」
俺「ありがとうございます!」
女「はいよー」

これがチャンスだったのではないかとたまに思い出す。しかしここからどう話を広げられただろうか。

2月
登校無し。バイトをするか、どうやったら女が楽しむのかを考えて過ごした。そして、マッチングアプリとやらを試してみた。
女に質問する→返事が来る→女に質問する→返事が来るOR来ないまま消えるのどちらかで疲れたし何より‘‘絶望的につまらない‘‘のでやめた。
いままで人と会話する中で、確認質問議論以外をした事がなかったので仕方が無かった。いままで属していた男社会ではこれで全然うまく回ったのだが、女を楽しませるとなればまた別だ。
日本語とは別に女を楽しませるような謎の言語があるのではないかと感じた。
そもそも素性も経歴も名前も知らない人に対して関心を持てるはずが無かった。どう頑張っても、関心があるフリをする事にすら到達できなかった。だからそれらを知るために質問するのだが、女からすると質問されるのは気に入らないようなので、完璧に詰んでいる。

3月
同窓会、卒業旅行、卒業式でしか人と会わなかった。
そしてそのいずれでも、今までに培ってきた非モテっぷりを惜しみなく存分に発揮した。

同窓会

小学校(共学)のクラスの集まりだった。全員集まってから一斉に入店し、対面長机に座っていった。偉そうな女が俺の正面に座る事を察知した途端、「こんなに先生と近い所なんてもったいないよ?」などと謎の理由を付けて1個席をずらした。
俺も人間なので感情はある。この女に乾杯の時にどさくさに紛れてグラスを触れようとしたらどんな顔をするのか?と好奇心が湧いてきた。
そしてその好奇心に突き動かされてその通りにした。女は会心の笑顔のまま、俺のグラスに触れないように絶妙な動きでかわした。
その後二次会までが終わり外に出ると、丁度タクシーが何台か来て女子は全員それでさっさと帰った。16秒くらいで完了した。まだ乗れる余裕はあったが、勝手に乗ろうとしたら間違いなく裁判を起こされそうな空気だったのでさすがにやめておいた。何が何でもすぐ帰る、男子とは関わりたくないという強い意志を感じた。そのために店を出る直前に誰かがタクシーを呼んだんだろう。地元開催だったので、同じ方角の男5人くらいで歩いて帰った。不覚にも、女について考えている時よりも幸せを感じてしまった。

卒業旅行

野球を引退後に性的に覚醒した同期達の話を聞かされた。
バイト先の女全てと業務中に性行為した・飲食店のトイレで無限にやりまくった・立ち入り禁止の何かの屋上でやりまくった・同窓会の後4Pした・森の中でやりまくった・一日中限界までやりまくった等キリがなかった。
あまりにも行き過ぎていて、ずるい悔しい羨ましいを遥かに超越して、

「!!⁉⁉⁉???⁉⁉????!?!!!?!??!??!?!????!?!???????!????!?!?!?!????!!?!!!!??!??!?!?!?!?!?!?!!?!!!!!!!!!」

としか感じなかった。
どういう仕組みでどんな工程で一体何をしたらそんな事が起きるのか?と強く疑問に思った。脳の処理が追い付かず激しく混乱して話を聞くだけで猛烈に疲れた。



卒業式

式後に立食パーティーが催された。
その際の学長の一言を今でも覚えている。

「社会に出たら同期といつまでも仲良くなんて訳にはいかない。なので、今日はここで最後に‘‘本当の友‘‘を作ってみてください。」

授業で関わりがかすかにあった男たちと少し話した。しかし、内定先などを軽く話しただけでラインを交換しようという意思が湧いてこなかったのだ。おそらく向こうも同じだろう。

「友達ってどうやってつくるんだっけ。」

こんな場面でも俺は考え始めてしまった。あたり一面には同じ学校で学んだ同級生が数百人いるのだが、接点を持つ方法が分からずにいた。
何も思いつかなかった。女子と話すことも無かった。1年の頃少人数授業が同じだった子を見かけたが、いまさら何を話すべきなのか分からなかった。俺は考えて疲れた。まだこの後に部の強烈なお別れ会もあるし体力を残しておこうなどと適当に理由をつけて逃げ出した。人格を矯正する事の難しさを身に染みて感じた。

翌日の早朝、どこかの駅で部の同期全員に別れを告げ固い握手を交わした。
その後帰宅し長い眠りについた。この時俺の大学生活は終わった。野球はやりきったと思うが、それ以外で何か引っかかるものを感じていた。

何か違う道があったのではないか?とかすかに感じていた。
しかし俺の手には負えない問題だった。俺の人格は長い時間と手間をかけて恋愛不能になっていた。そして後になって分かる事だが、俺には恋愛どころか女と親しくなってはいけない理由があった。

一応これで大学4年生編は終わるが、思い出した事があれば随時おまけを追加する。次からは3年生までの様子について記憶や日記などを元に記していく。非モテの苦悩要素は4年生時程の量はないが、世間の人間に向けて開示したい事はそれなりにあるので。

俺は外の世界がどうなっているのか分からなかった。世間の大学生がどういう生活をしていたのか分からないままだった。

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