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老親が精神科に入院しましたその8~患者の家族ケア~

患者の家族が疲れた時は



今回の内容はAのことではなく、患者の家族であるCと私のことについてです。
Aの様子がおかしくなったのは、Bが亡くなってすぐのことです。
Bが末期がんと分かり、亡くなるまでの一ヶ月、その前後からAが精神的に不安定になり、Cから見れば、父親の死と母親の病気は同時進行でした。
Cはとても大変だったと思います。

Cの対応が遅い

今回、一つ気になったのは、Cの対応が遅かったことです。
私はAにとっては「嫁」の立場ですから、当初はあまり積極的に動きませんでした。
サポートはしましたが、その2でがん支援センターに行ったのはCです。Bの死後一ヶ月ほどは、基本的にA家のことはCがメインで動いていました。

実はCの様子もおかしい

Bが亡くなって気落ちしているだけ。
当初はそう考えてましたが、Aの様子は一向に落ち着く気配がありません。むしろ悪化しているようです。
Cももちろんそれに気付いてましたが、CはAを避けるようになってました。
「辛い」「消えてなくなりたい」「何も出来ない」「体の具合が悪い」など、話して気が滅入る話題ばかりです。話したくないのは分かりますが、私は「このまま放置して良いのだろうか?」と疑問に思うようになりました。一度病院に連れて行くか、地域包括支援センターに連絡した方がいいんじゃないか?
Cと私で、そんな話もしましたが、Cは「本人が行きたがらないし」「もうすぐかかりつけの内科の診察もあるから」という答え。
ある程度納得出来る理由だったので、それ以上強くは勧めませんでしたが、今考えると消極的過ぎたと思います。
Cもいっぱいいっぱいだったのだと思います。

動いたのは私です

結局、Aの様子が「病的」と思えるようになった後、率先して動いたのは嫁の私でした。
私がやらずともCが自分で病院にAを連れて行けたか?というと少し怪しいと思います。
家族が疲れ果てて、どうにもならなくなってからじゃなかったかと想像してます。
Aのためもありますが、自分とCを守るための行為でした。
早めに動いて我が家にとっては良かったと思います。
ですが、これはあくまで我が家の事情で、誰もにおすすめ出来るやり方ではないとも思います。

本来なら親族が病院に連れて行くべき

本来ならAを病院に連れて行くのはCが率先してやるべきことです。
Cや他の親族にちらっとでも「エイプリルが入院させた」と言われては禍根になります。
だからその辺りは良く話し合いました。
Cは「自分でもどうも動きが遅い自覚はある。いずれ治ってくれるんじゃないかと期待してしまうが、駄目なのも分かっている。Aのことを考えるとすぐに病院に連れて行く方が良いと思う」
と同意してくれました。

患者の家族のカウンセリング


今回はAだけでなく、患者の家族である私達も疲れてしまいました。
私は家族カウンセリングを受けましたが、受けて本当に良かったと思います。
一回数千円と高額ですが、その価値はあったと思います。
△△病院では他に患者の家族向けの懇親会やソーシャルワーカーさんとのカウンセリング(有料)もあるようです。
機会があれば参加や利用をしていきたいと思います。
家族が無私の精神で頑張りすぎるのは、最終的に患者のためにならないと思います!
つきつめると、家族にしか出来ないことは、お金を稼ぐことです。
お金を稼ぐにはこちらも健康でいなければなりません。
ご自分を大切に。限界に達する前に周囲に頼ってください。

もし精神科に掛かりたいと思ったら

実はCも私も持病があり主治医がいるので、主治医の先生に今回のことを話すことにしました。
幸い、今のところCも私も命に関わる病気ではありませんが、突然持病が悪化する可能性は常にあります。
悲しいことですが、子世帯がAを看護出来ないとはっきり分かっていたので、病院や行政を頼りました。

「持病はあるけど、今は頑張れるから……」という介護頑張る方も中にはいますが、個人的にはやめておいた方が良いと思います。
ほぼ持病が悪化します。今は命に関わらなくても、定期的に病院に通うような持病をお持ちの方は、メインの介護者にならないよう、ケアマネージャーさんと良く話し合った方がいいです。
共倒れになっては元も子もありません。

エイプリルの場合

定期検診の際に「実は……」とAについて主治医の先生に話しました。
エイプリル:「精神的にまいって来ました。精神科に掛かりたいと思ったら先生にご相談して良いですか?」
主治医:「私の方から精神科に連絡することも可能です。もし辛かったらおっしゃってください。患者相談室に行くのもいいと思います。そちら経由でも受診出来るはずです」

ということでした。ちょっとホッとしました。

Cの場合(エイプリルとは別の病院です)

Cも自分の主治医の先生に相談しました。
C:「母(A)のことでかなりまいってしまって……」
主治医:「カウンセリングを受けてみますか?」
C:「お願いします」
Cはカウンセリングを受けることになりました。
C曰く、「気分が晴れやかになった」そうです。二週間に一度、通うことになりました。

主治医経由のルートもある

近所で評判の良い精神科クリニックを探す他に、主治医経由でも紹介して貰えそうです。
精神科は行ったことがなかったので私も躊躇しましたが、家族カウンセリングは受けて良かったと思いますし、Cもカウンセリングを受けて良かったようです。
精神科を受診するまでしなくても、家庭内で問題を抱えていること、いざとなったら精神科を紹介して貰えるかの確認は、主治医の先生とお話ししておいた方が良いと思います。
老親が精神科に入院しましたその9に続きます。


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