海外の日本企業で働いて思うこと、その利点と欠点
私は海外にある日本企業で働いている。
海外といってもいろいろな国があるが、私はオランダにある日系に在籍している。
そこで働いていて感じる利点と欠点をまとめてみた。
利点
まず思うのは社内で日本語が使えること。
そりゃ誰しも母国語が一番ラクに決まっている。
でもビジネスで使う日本語は難しいから、たまに言い回しが合ってるかわからなくなり、グーグル先生に聞いたりする。ありがとう、グーグル先生!
それから個人的に最大の利点と思うのは、雇用されたら安泰ということ。
オランダでは採用されたら1ヶ月の試用期間があり、その後1年から2年くらい働き、契約が一定期間更新されると本契約となる。
本契約までの期間は日本でいうと契約社員のような感じで、本契約になれば晴れて永久雇用の正社員となる。
日系企業ではよほどのことがない限り、ちゃんと出勤して働いていれば正社員になれるが、オランダ企業やその他の外資では、ちゃんと働いていて自分に落ち度がなくても会社の業績等によっては容赦なくバッサリ切られてクビになるので、正社員になるまでは油断ならない。
逆にどこの会社でも正社員になってしまえば、会社は正社員を簡単に解雇することはできない。
現地人の社員でも日本企業でかなり長く働き続けている人もいるが、恐らくの安定性が留まる理由のひとつではないかと思う。
私が考える利点はこのくらいだろうか。
ネガティブなポイントを述べるのは少し気が引けるが、思い切って書いてみる。
欠点
まずはマイルドな欠点から。
先ほど安泰なのが利点と書いた。私は正社員だが、それでもリスキリングが大事だと考えている。今の業務から学べるものは学んでその経験を履歴書にガンガンアップデートしている。
なぜかというと、海外の日本企業は年々縮小しているからだ。
オランダではちょっと前までは地方都市にもあった支社をクローズして、アムステルダムだけにオフィスをまとめる傾向にある。
日本の人口が減っていっているので、必然的に海外にある日系企業も減っていく。
家庭で使う電化製品なども国産フィリップスやドイツ製に加え、ここ数年で韓国製が目立つようになってきた。
日本製品が静かに少しずつ姿を消しているのを肌で感じるのだ。
いくら正社員でも会社が存続しなければ話にならない。
危機感を忘れずにいたいと思う。
そして次に挙げる理由も自分にとっては欠点である。
おそらく海外の日本企業で働く人なら多かれ少なかれ感じているはず。
それは日本企業の体制、体質だ。
絶対的な上下関係の体制(軍隊っぽい)。
参加する意味があるのかよくわからない長い会議。
やたら細かい規定を逐一チェックしたり。
決定したり許可するのに検討という名目で何週間もかかったり。
「検討」という言葉は曲者だ。前向きに取り組んでいるように聞こえるが、実際のところ何がどうなっているのか極めて曖昧なのだから。
現地人社員もたまに漏らしているがチェック項目が細かすぎると。それほど重要ではない小さいことにこだわって時間をかけている(←これが残業の原因?)。
きっちりやるのはいいが、柔軟性に乏しいとも言える。
海外の日本企業が現地採用に望むのは、何も言わずに言われたことだけハイハイと大人しく遂行する部下なのだと思う。現地の言葉や慣習、法律に関することは丸投げしてくるが、自分に接するときは「典型的な日本の会社の日本人」として接することを求められる。
現地人に揉まれていたら、大人しくハイハイ言っているだけでは生きていけない。オランダ生活に適応すると嫌でも図太く逞しくなっていく。
そこでいきなり典型的な日本人になれと言われると、それが仕事で求められていることだからと理解して働いていてもギャップがあるのだ。
現地での生活が長くなるほど日本企業の体質とのギャップも大きくなる気がする。
さいごに
入社したからといって、合わないなと思ったり他に行きたいところが見つかればチャレンジしていけばいい。
快適なら留まれば良し。
オランダ人にとって会社は生活を維持するもの。残業などで自分の時間や家族との時間が侵されることを最も嫌うのだ。
私の周りを見てきた限りでは、若い人ほど入社してから短いスパンでより良い条件のところにどんどん転職していく。キャリアで一人前になる40代手前でまた転職して、チャンスがあればまた転職する人もいる。
自分は今後はどうしたいか
長い社会人生活いろいろあるが、私自身も長い目で考えてどうしたいのか考えた。
好きで長く続けられる仕事、働く上で自分の専門分野があったらいいなと考えるようになった。
自分が行きたい分野を見つけたので、オランダ語を磨いてディプロマを取り転職できるように動きはじめたところ。
長期戦になるが、卒業(転職)できるようがんばるぞ。